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KintoneをJavascriptでカスタマイズするための開発環境構築

Last updated at Posted at 2022-12-11

はじめに

本記事はエムスリーキャリア FY22 AdventCalendarの12日目の記事です。

やりたいこと

Kintoneを使うと簡単な業務アプリをノーコードで作成することができます。
ただ、開発要望が増えると、ノーコードで対応できないものが出てくると思います。

KintoneではJavascriptを使って機能を追加することができるので、複雑な処理にも対応することが可能です。
ただ、

  1. Javascriptで処理を書く
  2. Kintoneにアップロードする
  3. 動作確認する
  4. 動かなかったら1.に戻って修正する

を繰り返すのは時間がかかるので、少しだけこのサイクルを簡単にしたいと思います。

環境

主な利用ツール

  • Docker
  • mkcert(自己証明書)
  • Vue.js 3(今回はVue.jsを利用するが、React等でも可能)

構築方法

以下の手順で構築し、Kintoneの画面に「Welcome to Your Vue.js App」を表示させてみます。

1.Docker環境を構築

Dockerfile

FROM node:18-slim

RUN apt-get -qq update && \
    apt-get -qq -y install curl zip unzip wget procps libnss3-tools && \
    apt-get -qq clean

RUN npm uninstall -g vue-cli && \
    npm install -g @vue/cli && \
    npm install -g eslint && \
    npm install -g axios && \
    npm install -g http-server

RUN curl -s https://api.github.com/repos/FiloSottile/mkcert/releases/latest | grep browser_download_url | grep linux-amd64 | cut -d '"' -f 4 | wget -qi - && \
    mv mkcert-v*-linux-amd64 mkcert && \
    chmod a+x mkcert && \
    mv mkcert /usr/local/bin/

RUN mkcert -install && \
    mkdir ~/cert && \
    cd ~/cert/ && \
    mkcert localhost 127.0.0.1

WORKDIR /opt/app

EXPOSE 8080

CMD ["/bin/bash", "-c", "http-server -c-1 ./public/ --ssl --key ~/cert/localhost+1-key.pem --cert ~/cert/localhost+1.pem"]

docker-compose.yml

version: "3"

services:
  app:
    image: kintone:1.0
    build: .
    container_name: kintone
    ports:
      - "8080:8080"
    expose:
      - "8080"
    volumes:
      - ./:/opt/app/
    tty: true
    stdin_open: true

2.DockerImageを作成および起動

$ docker-compose build
$ docker-compose up -d

3.Vueのプロジェクトを作成

$ docker-compose exec app vue create .

選択肢:

  • library = Vue 3
  • package manager = yarn

4.開発

設定の変更

package.jsonのscripts.buildとwatchを以下のように書き換えます。
buildは本番用、watchは開発時に利用します。

"build": "vue-cli-service build --target lib src/main.js --mode production",
"watch": "vue-cli-service build --watch --dest public/assets/ --target lib src/main.js",

vue.config.jsのdefineConfigを以下のように変更して、yarn watch実行時にホットリロードされるようにします。
configureWebpackおよびcssを追加しています。

module.exports = defineConfig({
  transpileDependencies: true,
  configureWebpack: {
    watchOptions: {
      poll: true,
    },
  },
  css: {
    extract: true
  },
});

プログラム修正

src/main.jsに以下を追加します。
※eslintのチェックでエラーが発生するため、今回はdisableにしておく。

/* eslint-disable */
kintone.events.on(["app.record.detail.show"], (event) => {
    createApp(App).mount("#user-js-hello")
})

Kintoneアプリの設定

フォームに「スペース」を設置し要素IDをhelloにします。
image.png

プログラムのuser-js-helloとKintoneの要素IDのhelloを一致させます。
そうするとKintoneのスペース部分にVueが表示されます。

5.Kintone用にBuild

Buildして、app.umd.jsおよびapp.cssを作成します。
実行中はファイルを更新すると自動でBuildされます。

$ docker-compose exec app yarn watch

6.localhostでサーバーを起動

「docker-compose up -d」コマンド実行時にサーバーは起動されていると思います。
https://localhost:8080/assets/demo.html
でアクセスすると作成されたjsが表示されます。
自己証明書のためブラウザでアラートが表示されると思いますので、許可してください。

もしサーバーが起動していない場合は以下のコマンドで起動してください。

$ docker-compose exec app /bin/bash -c "http-server -c-1 ./public/ --ssl --key ~/cert/localhost+1-key.pem --cert ~/cert/localhost+1.pem"

7.KintoneにJavascriptおよびCSSを設定

「アプリの設定」 → 「JavaScript / CSSでカスタマイズ」でURLを指定して保存します。
image.png

最後に「アプリを更新」ボタンを忘れずに。
以上で完了です。

Kintoneでレコードを作成して表示してみてください。
以下のようにVueで作成されたアプリが表示されるようになります。
image.png

こうすることで、アップロードが不要になります。

  1. Javascriptで処理を書く
  2. Kintoneにアップロードする
  3. 動作確認する
  4. 動かなかったら1.に戻って修正する

Tips

  • HTTPでサーバーを立ち上げてもKintoneから読み込めないため、mkcertを使ってHTTPSにしています。
  • yarn serve --httpsでもHTTPSでアクセスできますが、yarn watchと同時実行がうまくできなかったためhttp-serverを利用しています。
  • 利用するJavascriptおよびCSSはlocalhost経由であるため、複数人が同時に作業しても問題ありません
  • 「npm install @kintone/rest-api-client」を追加すると、Kintoneの機能をフル活用できるようになります。
  • yarn buildを実行するとdist/配下に本番用のjsおよびcssが作られます。

参考

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