請負型アジャイル開発は双方が開発に熟知して、相互に協力し合う事が重要です。
今回は片方がお金だけ出して、よく理解せず丸投げしてしまい訴訟まで発展してしまいました。
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アジャイル型開発における未完成の責任 東京地判令3.11.25(平30ワ25117) - IT・システム判例メモ
https://itlaw.hatenablog.com/entry/2024/10/20/141111
以下に、X(発注者)とY(ベンダ)がそれぞれ注意すべきことや取るべき行動を箇条書きで示します。
X(発注者)がするべきだったこと、注意すべきこと
- 仕様の明確化: 開発前に具体的な仕様をしっかりと明確にし、合意を得ること。
- 進捗管理の徹底: 定期的に進捗状況を確認し、必要に応じて仕様や要件を見直すこと。
- コミュニケーションの強化: ベンダとのコミュニケーションを密にし、意見や懸念を積極的に共有すること。
- リスク管理: 開発過程でのリスクを認識し、適切に管理するための計画を策定すること。
- 契約内容の理解: 契約内容や条件について十分に理解し、不明点を解消すること。
Y(ベンダ)がするべきだったこと、注意するべきだったこと
- 仕様の提案と確認: 提供するソフトウェアの仕様について、発注者に具体的な提案を行い、確認を取ること。
- 追加費用の事前説明: 追加開発が必要な場合、早期にその旨を発注者に説明し、合意を得ること。
- プロジェクトマネジメントの強化: 定期的な進捗報告やフィードバックを行い、発注者との認識を一致させること。
- リスクの共有: プロジェクトにおけるリスクを発注者と共有し、共同で解決策を考えること。
- 文書化の徹底: 重要なやり取りや合意事項を文書化し、双方で確認することでトラブルを防ぐこと。
これらの行動を取ることで、双方のリスクを軽減し、円滑なプロジェクト進行が期待できるでしょう。
参考
[1] SPIRAL ナレッジサイト - 『要求定義』システム開発で設計前にすべきこと① (https://knowledge.spirers.jp/article/design/detail/9242)
[2] 政府CIOポータル - 6 非機能要件の定義 (https://cio.go.jp/sites/default/files/uploads/documents/jissen-guide_5.docx)
[3] デジタル庁 - デジタル・ガバメント推進標準ガイドライン実践ガイドブック (https://www.digital.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/e2a06143-ed29-4f1d-9c31-0f06fca67afc/d85eeb55/20240605_resources_standard_guidelines_guideline_05.pdf)
[4] 情報サービス産業協会(JISA) - プロジェクト健全性評価指標 利用ガイドライン (https://www.jisa.or.jp/LinkClick.aspx?fileticket=g%2FW%2FDYzWQzY%3D&tabid=66)
製作
補足
アジャイル開発というのは
マラソンのように、スタート地点からゴールに到達するというものではなく、
螺旋階段のように機能を作ってからそれを確認をしてもらい、次の螺旋階段を登っていくというイメージです。
なので、発注者とベンダが重厚なコミュニケーションが必要となってきます。