OSI参照モデルとは?
まとめ:OSI参照モデルとは?
- OSI参照モデルは、ネットワーク通信の役割を7つの階層に分けて整理した共通ルール。
- 異なる機器やメーカー間でも通信できるようにするために作られた。
- 送信側はデータに情報を付け足しながら下層へ、受信側は付け足された情報を順に取り除きながら上層へ渡す。
- 7層はそれぞれ役割が違い、物理層からアプリケーション層まで階層的に機能を分担している。
- ネットワークの基礎理解や資格試験の必須知識。
一言で言うと:
「ネットワークの通信をわかりやすく7段階に分けてルール化したモデル」
ざっくり説明
OSI参照モデル(読み:オーエスアイサンショウモデル、英:OSI model)とは、
「通信機能って、どんな仕組みにするの?」を整理した共通ルール(のひとつ)です。
もう少し難しく言うと、国際標準化機構(ISO)が作った、データ通信の機能を階層に分けて整理したモデル(イメージ図)です。
なぜ必要なの?
通信をするには、送り手と受け手が同じルールを共有しなければなりません。
たとえば、片方が日本語で話しても、もう片方が英語で返していたら会話が成立しませんよね?
ネットワークも同じです。
昔の問題点
昔はメーカーごとに勝手なルールを作って通信していました。
- あるメーカーの機器は日本語
- 別のメーカーの機器は英語
こんな感じで、異なるメーカー同士の通信はできませんでした。
解決策
そこでISOという団体が、「共通ルールを作ろう!」と提案しました。
この共通ルールを満たしていれば、どのメーカーの機器でも通信が可能になります。
まるでみんな同じ言語を話すように。
OSI参照モデルの構成
OSI参照モデルはネットワークの役割を7つの階層に分けて考えます。
7つの階層(上から順)
層番号 | 層名 | 役割のざっくり説明 |
---|---|---|
第7層 | アプリケーション層 | ユーザーが使うソフトとの窓口 |
第6層 | プレゼンテーション層 | データの形式変換や暗号化・圧縮 |
第5層 | セッション層 | 通信の「会話」を管理 |
第4層 | トランスポート層 | 信頼できる通信のためにデータを管理 |
第3層 | ネットワーク層 | データの送り先を決める(ルーティング) |
第2層 | データリンク層 | 物理的な通信路の確保とエラー検出 |
第1層 | 物理層 | ケーブルなどの物理的な通信手段 |
各層の役割をもっと詳しく!
第1層:物理層
- ケーブルや電気信号など、データを物理的に送る部分を担当
- 例:LANケーブル、光ファイバー、無線の電波など
第2層:データリンク層
- 直近の通信相手とデータをやりとりする
- MACアドレスで識別し、エラーを検出・訂正
- 例:スイッチングハブの動きなど
第3層:ネットワーク層
- ネットワーク全体でデータの行き先を決定(ルーティング)
- IPアドレスを使う
- 例:ルーターが担当
第4層:トランスポート層
- データを正確に届けるための仕組み
- データの順番や欠損を管理(TCPなど)
- 再送制御もここで行う
第5層:セッション層
- 通信の開始・維持・終了を管理
- 電話の「もしもし」みたいな会話の管理者
第6層:プレゼンテーション層
- データの表現形式を変換
- 暗号化・圧縮・文字コード変換など
- 「英語を日本語に通訳する」イメージ
第7層:アプリケーション層
- ユーザーの使うソフトとネットワークの接点
- Webブラウザやメールなどのアプリが動く場所
通信の流れイメージ
送り手側
- 元のデータが第7層(アプリケーション層)に届く
- 第7層でデータに「宛先」などの情報を追加
- そのまま第6層、第5層・・・第1層へ順に渡しながら情報をどんどん付け足す
- 第1層で物理的にデータを送信
受け手側
- 第1層でデータを受け取る
- 第1層が自分に関係ない情報を取り除き、第2層に渡す
- 第2層でも同様にチェックし情報を外して第3層に渡す
- これを第7層まで繰り返す
- 最後に元のデータだけが残ってユーザーに届く
まとめ:OSI参照モデルとは?
- OSI参照モデルは、ネットワーク通信の役割を7つの階層に分けて整理した共通ルール。
- 異なる機器やメーカー間でも通信できるようにするために作られた。
- 送信側はデータに情報を付け足しながら下層へ、受信側は付け足された情報を順に取り除きながら上層へ渡す。
- 7層はそれぞれ役割が違い、物理層からアプリケーション層まで階層的に機能を分担している。
- ネットワークの基礎理解や資格試験の必須知識。
一言で言うと:
「ネットワークの通信をわかりやすく7段階に分けてルール化したモデル」