Synapase SQLプールはPaaSサービスの為、自動でバックアップが取得されます。このバックアップに関して調べました。
#Synapse SQLプールのバックアップは自動で取得され7日間保存
Synapse SQLプールのバックアップは基本的には自動で取得され、バックアップデータが7日間保存されます。取得されたバックアップよりSynapse SQLプールを復元することが可能で、バックアップを取得されたタイミングの状態で復元することが可能です。この「復元できるタイミング」の事を復元ポイントといいます。なので、過去7日間にわたり取得されている任意の復元ポイントから復元することが可能という事になります。
自動バックアップの取得タイミングはRPOが8時間以内になるように自動で取得されます。この自動バックアップのタイミングはユーザでコントロールすることはできません。
以下のSQLで復元ポイントを確認することが可能です。
select *
from sys.pdw_loader_backup_runs
order by run_id desc;
このポイントにSynapse SQLプールを復元することが可能となります。
#バックアップは手動で取得することも可能
バックアップについては自動以外にも手動でバックアップが可能です。例えば日次や月次による大規模なバッチ処理の後などで手動でバックアップを取得するように設定すれば、復元ポイントが作成されるので、運用設計などがしやすくなるのではないでしょうか?
ただし、手動でバックアップした復元ポイントも自動バックアップで作成される復元ポイント同様に保存期間は7日間です。また、7日間の内、自動、手動の復元ポイント合わせ42個までが作成可能です。保存期間の7日を過ぎるか、42個以上の復元ポイントが作成されているとき、古いバックアップから自動で削除される事になります。
#一時停止中はバックアップの取得がされない
Synapse SQLプールは停止機能があります。一方、Synapse SQLプールは停止中、バックアップを取得しないので、長時間の停止の際にはこのポイントを理解しておいた方がよさそうです。
#別のリージョンにバックアップも可能
Synapse SQLプールが起動しているリージョン以外の別のリージョンにバックアップを取得することができます。この機能を「geo冗長バックアップ」といいます。
ただし、別リージョンと言っても、自分で指定することはできません。現在Synapse SQLプールが稼働しているリージョン(プライマリリージョン)とペアとなるリージョンがAzureでは設定されており、このペアになっているリージョンに対してバックアップデータは送付されます。
日本でよく使われるリージョンは東日本リージョンと西日本リージョンですが、このリージョンはペアリージョンとなっています。なので、東日本リージョンにSynapse SQLプールを起動し、geo冗長バックアップを使用して別リージョンへバックアップデータを取得する場合は、おのずと西日本リージョンに取得されることになります。
geo冗長バックアップはRPOが24時間に設定されていますので、平たく言うと日に1回、geo冗長バックアップが別リージョンにて取得されることになります。
##geo冗長バックアップの確認
AzurePortal
→Azure Synapse Analytics(以前のSQL DW)
→概要
または、AzurePortal
→Azure Synapse Analytics(以前のSQL DW)
→geoバックアップ ポリシー
基本的にデフォルトで有効になっています。
#さいごに
Synapse SQLプールのバックアップの説明のみになりましたので、次の機会には手動復元ポイントの作成や、Synapse SQLプールの復元を実際に試してみたいと思います。試したらまた報告します。