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FirebasePredictionsで効率的な有料会員獲得を目指す

Last updated at Posted at 2019-12-16

NewsPicks Advent Calendar 2019 16日目の記事です。

Subscriptionの獲得が大事

NewsPicksのネイティブアプリではiOS・Androidともに月額によるSubscriptionを提供しています。
課金獲得数がそのまま収益へと繋がるのでチーム一同毎日どうすればユーザーに価値を感じてもらいSubscriptionに登録してもらうのか、またどうすればずっと登録を継続してもらえるのか考えています。
最近ではユーザーの行動ログ分析やユーザーインタビューなどを行い施策に落とし込むことをしています。しかし行動ログの分析には難しい統計学の知識が必要で専門的な能力が必要です。残念ながら僕にはそのような知識はないので今すぐどうこうできません。ユーザーインタビューを行おうにも人見知りの激しい僕にはハードルが高い施策です。そんな困った人に救いがあるのがFirebasePredictionsです。

FirebasePredictionsとは

ざっくりいうとGoogleがFirebaseの行動ログからユーザーが7日間以内に課金してそうなユーザーなのか、または離脱しそうなユーザーなのかを自動で判断してくれるツールです。

スクリーンショット 2019-12-07 18.00.44.png

Firebaseのコンソールの左メニューに「Predictions」という項目があります。
FirebaseAnalyticsにある程度データが溜まっていると利用可能になるそうです。(テスト用のFirebaseでは使えなかったので)

FirebasePredictionsでセグメントを作成する

さっそく利用開始します。
スクリーンショット 2019-12-07 18.57.54.png

このように、デフォルトchurnとspendが用意されており、これらを利用することで7日以内に離脱しそう、または有料登録してくれそうなユーザーを予測することができます。
ためしにspendのほうを利用して、7日以内に有料登録してくれそうなひとを予測してみましょう。
スクリーンショット 2019-12-07 19.05.28.png
どのぐらい有料登録してくれそうな人をセグメントするかパーセンテージで指定します。
今回は上位25%を選択します。下位25%を選択すると逆に有料登録の可能性が低いユーザーがセグメントされます。
このパーセンテージは自由に設定できます。パーセンテージを広げるほどセグメントに含まれるユーザーは増えますがその分獲得可能性がさがるので適度にチューニングしていくのが良いかと思います。

セグメントを利用する

セグメントを作成すると、そのままどのプロダクトで使用するのか聞かれるので、利用したいサービスを選択しましょう。
スクリーンショット 2019-12-07 19.15.22.png

それぞれ簡単にどういうことができるようになるかというと

  • RemoteConfig
    • 有料登録してくれそうな人にだけアプリのレイアウトを変える
    • 有料登録してくれそうな人だけ、別のAPIを叩いて見せるコンテンツを変えてみる
  • InAppMessage
    • 有料登録してくれそうな人にだけアプリ内でメッセージを表示する
  • CloudMessaging
    • 有料登録してくれそうな人にだけプッシュ通知を送信する

これらは一例ですので、セグメントをどう使うかは開発者側次第です。アプリの実装は割愛しますがiOS,Androidともに利用できるのでここまででもアプリに課金アイテムやSubscriptionを導入している方はわくわくするのではないでしょうか?

独自イベントの予測も可能

デフォルトでchurnとin-app-purchaseのイベントを予測してくれますが、FirebaseAnalyticsに飛ばしているイベントを発火してくれそうかどうかの予測もしてくれます。
例えばNewsPicksのアプリの場合、ユーザーが7日間以内に「コメント付きPICK」をしてくれそうかどうかみたいなことも予測できます。

BigQueryと連携してデータを確認する

イベントの予測のセグメントからFirebaseの他の機能と組み合わせるとメッセージ出したりプッシュ通知を送ることは確かに便利ですが、もっと自由に自分のサービス内のデータと突合して分析したり、ユーザーにアプリ内だけでなくWeb側にも働きかけを行いたくてデータをMySQLなどにインポートしたい場合はBigQueryと連携すると良いです。
「BigQueryでエクスポート」でBigQueryと連携しておくと、BigQueryからPredictionsの数値を確認することができます。
スクリーンショット 2019-12-11 10.31.32.png
このユーザーであればspendがPOSITIVEなので有料登録してくれる可能性が高い人だと伺えます。
このBigQueryのデータを自サーバーへインポートすることでさらなる解析や施策の手助けとなるでしょう。

さいごに

課金を導入していないアプリでもAnalyticsにイベントさえ飛ばしていれば予測してくれるので、何かのアクションのコンバージョンを上げるために汎用的に使えそうです。
また離脱の可能性が高いユーザーもわかるので、そのユーザーへ施策を打つことで離脱を防ぐこともできそうです。 使い方次第ではアプリの成長に大きく貢献できる機能だと思いますので活用していきましょう。

明日は、@kirihata による 「App内課金価格変更した話」 の予定です。

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