LoginSignup
8
5

More than 5 years have passed since last update.

CNTKを使ったDeep Learning環境の簡単構築

Posted at

はじめに

近年、画像認識や自然言語処理など、Deep Learning(DL)を利用したAIの活用が徐々に広がっており、仕事で触れる機会も徐々に出てきました。
Deep Learningのフレームワークとしては、TensorFlowやCaffeなどが良く知られていますが、
今回は、Microsoft Azureで各種開発環境をインストール済みの仮想マシン(Data Science Virtual Machine)が提供されていることから、
Cognitive Toolkit (CNTK) とMicrosoft Azureの仮想環境を利用して、DL開発環境を簡単に構築してみます。

CNTKとは?

Microsoftからリリースされている、深層学習(Deep Learning)向けのフレームワークです。
C++, pythonのAPIが用意されており、Windows環境だけでなく、Linuxでの開発にも対応しています。
実行環境としてCPU利用とGPU利用を選択することができ、複数GPU環境にも対応しているとのことです。
[参考]
- https://www.cntk.ai/Tutorials/GTC2017/S7129_Scalable_Deep_Learning_with_Microsoft_Cognitive_Toolkit_SayanPathak.pdf
- https://docs.microsoft.com/en-us/cognitive-toolkit/Setup-CNTK-on-your-machine

環境構築の流れ

今回は、Data Science Virtual Machine (DSVM)のWindows Server 2016版を利用して環境を構築します。
構築の手順は下記の通りです。
1. Microsoft Azure のサブスクリプションの準備
2. Data Science Virtual Machine (DSVM)の構築
3. Jupyter Notebookを起動

Microsoft Azureサブスクリプションの準備

Azureのサブスクリプションは、無料体験版(1ヶ月間20,000円分まで)やMSDN特典のサブスクリプションから利用できるほか、
有償契約での利用(従量課金、Open版、EA版、CSP版など)も可能です。
それぞれの契約方法については、下記をご参照いただき、本稿では割愛させていただきます。
[参考] 価格の概要 - Azure 価格の仕組み

Data Science Virtual Machine (DSVM)の構築

  1. Azureポータルへアクセスします。
  2. 「+新規」を選択します
  3. 検索ウィンドウに「Data Science Virtual Machine」と入力します。  1-003_DSVM作成-1..png
  4. 「Data Science Virtual Machine - Windows 2016」を選択します。 1-004_DSVM作成-2..png
  5. VM名、OSアカウント・パスワード等を入力します。
  6. サイズを選択します。( NCシリーズ推奨。今回はNC6を選択。)
    • NCシリーズは、コンピューティングに特化したGPU(NVIDIA Tesla K80)を搭載した仮想マシンで、Deep Learningの処理等に適しているとのことです。( 参考: Azure Windows VMのサイズ - GPU )
  7. リソースグループ、仮想ネットワーク、IPアドレス等の設定をします。
    • 5.~7.の手順については、こちらをご参照ください。
  8. リモートデスクトップで接続します。 1-005_DSVM初期デスクトップ画面..png

初期状態では、下記ソフトウェアがインストールされています。
* Microsoft R Server - 開発者Edition。 (Scarable R)
* Anaconda Python
* SQL Server 2016 Developer Edition
* Microsoft Office 365 ProPlus BYOL - Shared Conputer Activation
-- Shared Conputer Activation(SCA)についてはこちらを参照
* Julia Pro + Juno Editor
* Jupyter Notebook
* Visual Studio Community Edition + Python, R&node.jsツール
* Power BI Desktop
* 各種Deep learning 例:Microsoft Cognitive Toolkit (CNTK 2.0), TensorFlow & mxnet
* ML アルゴリズムライブラリ  例:xgboost, Vowpal Wabbit
* 下記各種Azure Cloud製品用のAzure SDK +ライブラリ統合ツール
・Azure Machine Learning
・Azure Data Factory
・Stream Analytics
・SQL Data Warehouse
・Hadoop + Apache Spark (HDICluster)
・Data Lake
・Blob storage
・ML & Data Science チュートリアル (Jupyter Notebook形式)

Jupyter Notebookの起動

DSVMには、あらかじめJupyter Notebookがインストールされています。
コマンドプロンプト(cmd.exe)かWindows Powershellを起動して、下記コマンドを入力するだけで起動できます。

jupyter notebook

1-008_Jupyter起動直後画面..png

CNTKの動作確認

Jupyter Notebookから、下記のコードを入力すると、CNTKのバージョンを確認することが出来ます。

import cntk as C
C.__version__

1-009_CNTKバージョン確認..png

次回

次回は、CNTKを使って簡単なプログラムを書いてみます。

8
5
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
8
5