MQTTとは
MQTT(Message Queuing Telemetry Transport)は、IoTデバイスなどのネットワークが不安定な環境下でも効率的に通信を行うために設計された軽量なメッセージングプロトコルです。以下に、MQTT接続の主な仕様を説明します。
1. 基本的な仕組み
パブリッシュ/サブスクライブモデル:
MQTTは、メッセージの送信者(パブリッシャー)と受信者(サブスクライバー)が直接通信するのではなく、ブローカーと呼ばれる仲介役を介してメッセージをやり取りします。
パブリッシャーは、特定のトピックに対してメッセージをパブリッシュします。
サブスクライバーは、関心のあるトピックをサブスクライブし、そのトピックにパブリッシュされたメッセージを受信します。
軽量性:
ヘッダーが小さく、ネットワーク帯域幅が限られた環境でも効率的に動作します。
バッテリー消費量が少ないため、バッテリー駆動のIoTデバイスに適しています。
2. 接続の確立
TCP/IPベース:
MQTTは、通常、TCP/IPプロトコル上で動作します。これにより、信頼性の高い通信が可能です。
ブローカーへの接続:
クライアント(パブリッシャーまたはサブスクライバー)は、まずブローカーへの接続を確立します。
接続時には、クライアントID、ユーザー名、パスワードなどの認証情報が必要になる場合があります。
ポート番号:
MQTTのデフォルトのポート番号は、暗号化されていない場合は1883、暗号化されている場合は8883です。
3. メッセージの送受信
トピック:
メッセージは、トピックと呼ばれる階層構造の文字列で分類されます。
これにより、サブスクライバーは関心のあるメッセージのみを受信できます。
QoS(Quality of Service):
MQTTは、メッセージの配信品質を保証するためのQoSレベルを3段階で提供します。
QoS 0(最大1回):メッセージは最大1回配信されます。配信の保証はありません。
QoS 1(少なくとも1回):メッセージは少なくとも1回配信されます。重複する可能性があります。
QoS 2(ちょうど1回):メッセージはちょうど1回配信されます。最も信頼性が高いレベルです。
保持メッセージ:
ブローカーは、最新のメッセージを保持し、新しいサブスクライバーが接続したときにそのメッセージを送信することができます。
4. セキュリティ
TLS/SSL:
MQTTは、TLS/SSLを使用して通信を暗号化し、セキュリティを確保できます。
認証:
ユーザー名とパスワードによる認証や、クライアント証明書による認証が可能です。
5. 主な用途
IoTデバイスのデータ収集と制御:
モバイルアプリケーションのプッシュ通知:
リアルタイムチャット:
センサーネットワーク:
詳細な情報
MQTTの仕様は、OASISによって標準化されています。
EMQなどのMQTTブローカーのサイトには詳細な情報が掲載されています。