はじめに
私は、2022年からゴリラクリニックでひげ脱毛しています。11回終了してお肌がかなりつるつるになったのを実感している中、先日12回目の施術を受けたのですが、この12回目の施術時に言われた言葉が頭から離れません。
「2024年4月から、ヤグレーザーのアタッチメントを変更して、直径が大きくなりました。これにより、痛みが少なくなり、施術時間も早くなります。旧ヤグレーザでは2週間~1か月くらいでポロポロと抜けていたと思いますが、新ヤグレーザでは、徐々に抜けるので効果の現れ方が変わります」
説明を受けたときは「そうなんだ」と思い、施術時も痛みは少なくて施術時間も早かったので、めっちゃ改善された!!と感動しました。しかしながら、よく考えるとレーザーの照射径が大きくなると、パワー密度が低下するので効果が薄くなるのでは?と気になりました。調べたところ、Xや5chでも、改悪された!という声が多かったので、定量的にどう変わったのかが気になり検証してみました。
検証の流れ
レーザーを人肌に当てたときに、肌の内部に熱がどのように伝わるのかを計算するために、熱伝導方程式を立てて解けばいいのですが、すっかり熱力学を忘れてしまったので、生成AIに頼りました。
ステップ1.人間が、計算の背景、入力変数、出力変数を決める
ステップ2.人間が、生成AIに計算の背景を説明し、入力変数から出力変数を求める一般式を作ってもらう
ステップ3.入力の変化させると、出力がどのように変化するのかを計算する
ステップ1 人間が、計算の背景、入力変数、出力変数を決める
まず、レーザー照射の際、どのような物理量が存在するのかをイメージ図を描いて考えました。
ステップ2.人間が、生成AIに計算の背景を説明し、入力変数から出力変数を求める一般式を作ってもらう
次のステップは、生成AIの活用です。仕事ではないので、一から電熱工学を復習しない前提です。
生成AIにはGPT-3.5を使いました。(GOogleのGeminiは一発で解答が出なかったです)
プロンプトは、以下です。
すると、このような返答をもらえました。(計算過程も出力されましたが割愛)
パラメータ
𝑃: レーザーの出力 [kW]
𝐷: レーザーの直径 [mm]
𝛼: 吸収率(照射されたレーザーエネルギーのうち、皮膚に吸収される割合)
ℎ: 深さ [mm]
β: 減衰係数(皮膚の深さ方向にエネルギーが減少する度合い)
※𝑡: 照射時間 [ms]は、計算過程で消えています
ちゃんと論理的に導いているので感動しました。レーザ出力P、皮膚の吸収率α、減衰係数βは一定とすると、いつも照射している皮膚直下hmmの毛根におけるパワー密度は、単純にレーザの直径(アタッチメント径)Dの二乗に反比例する結果となりました。当たり前の結果なのですが、他のパラメータは影響しないことがわかったのが一番重要な発見です。
またレーザ出力ではなく、パワー密度が脱毛効果に大事なのかを聞いたところ、エビデンス付きでその通りと教えてくれました。
ステップ3.入力の変化させると、出力がどのように変化するのかを計算する
最後に、旧ヤグレーザと新ヤグレーザの変化点を使って、どの程度効果に差が表れそうなのかを計算しようと思います。
旧ヤグを基準とした新ヤグのパワー密度比は、以下の式になります。
脱毛効果を同じにするには、旧ヤグレーザと新ヤグレーザのパワー密度比を1にする必要があります。(厳密には前回施術時よりも高くしないといけないですが無視します)
5chやyahoo知恵袋では、新ヤグレーザのスポット系は24mm、旧ヤグレーザのスポット系は18mmとの記載がありました。(AIが)導出したこの式に代入し、新ヤグレーザは旧ヤグレーザの何倍の出力が必要なのかを計算したところ、以下のように1.78倍になりました。
なお、「スポット系が大きい程、皮膚からのレーザーの深達度が大きくなるので脱毛効果が高くなる」と記載されているサイトもあります。ただ、批判的に考えると、皮膚に到達したエネルギーの伝達は減衰係数βという皮膚特性で決まるはずなので、スポット系は関係ないのではないか?という仮説を立て、生成AIで検証してみました。やはりスポット系と皮膚直下へのレーザーの到達深度との関連性はなさそうです。
エビデンスも教えてくれました。以下は抜粋です。自分で論文調査するよりも圧倒的に早いです。(仕事ならファクトチェックは必須です)
結論
レーザー出力を、アタッチメント変更前と比較して1.78倍以上に上げていなければ改悪という結果になりました。
新ヤグレーザの施術を受けるとき、「前回より髭が薄くなっているので、出力を上げますね」と言われました。しかし出力を上げているにも変わらず、以前ほど痛くなかったので1.78倍以上にはなっていない気がします。次回施術の際、どれだけパワーを上げているのか定量的に聞いてみようと思いました。