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新規機能実装時のQAリスクを減らすために

Last updated at Posted at 2019-12-18

▼はじめに

運用中のアプリであれば誰しもが直面したことのある「施策のスケジュール遅延」。
品質を担保したいQAにとって、非常に頭の痛い問題だと思います。
今回はこの問題の中から、「新規機能実装時のスケジュール遅延」にスポットをあてさせていただき、
実際に私が取り組んでいる対策について書かせていただければと思います。
あくまでも一案とはなりますが、少しでもQA業務を行われている皆さまのご参考になれば幸いです。

▼新規実装時に発生しやすい問題

新規機能実装時に起こりやすい事象として以下のようなものがあげられると思います。

  • 一部機能未実装でのQA開始
  • QA期間中の仕様変更

オンスケで進められているプロダクトのほうが少ないのではないかというくらい、
これらはほぼ日常的に見られる光景ではないでしょうか。
この状態でQAを開始しても、序盤で確認した機能の見直しなどが発生し、
結果として、残業等によりテスター、プロダクト双方の負荷が大きくなり、品質低下や費用増につながってしまいます。

先にお伝えしたように、これらは事前の取り組みによってある程度軽減が可能であると思っています。

▼QAの負荷を軽減する対策案

この問題の回避対策として、プロダクト側と相談した結果、以下のような取り組みを実現させました。
それは、
「QA開始前に、実装者、設計者、QAを交えての実機確認会を実施する」ことです。
これを1時間。そう、たった1時間やるだけでQAの負荷が軽減されるのです。

ここで大事なのは「実機での確認」というところです。
エディタ上での確認は行っていても、
実機での確認をされているプロダクトの方は少ないのではないでしょうか。
UI不具合や、遷移やローティング時間などの体感値、
実機でしか気づけないような問題が短時間であっさり出てきたりします。

「こんなことしている時間がもったいない」
「そもそもテスターの仕事でしょ」
と思うかもしれませんが、
やはり実際に"自分たちで作ったものを実機で動かしてみる"ことも大切だと思います。

実際にこの取り組み自体はプロダクト側も有用だと感じていて、
新規機能実装時にはQA開始前に必ずこのフローを入れていただいています。

ちなみに、こちらがとある新規機能で実施した実機確認の結果になります。

実施時間 参加人数 不具合/改善要望件数
1h × 2回 18人 約80件(不具合2割、改善要望8割)

ボリュームの大きい機能だったため、
開発に関わったメンバー以外にも有志で参加してくれた方が多数いました。
そのため、1時間で見つかった不具合や改善案の件数も多かったです。

もし、これだけの不具合を残した状態でQAを実施していたら、
修正可否の判断や対応にかなりの工数を取られますし、
テスター側も不具合の影響で度々手を止める形になってしまい、
肝心の機能確認がなかなか行えない状態に陥ってしまいます。

なお、この後に開始したQAで検知した不具合は「38件」となり、
過去同規模の新規実装時平均の「60件」と比べて少なく、QA開始時点での品質状況が改善されたと思われます。
不具合をある程度未然に防げたというのもあり、テストも順調に進行することができました。

▼まとめ

これは、あくまでも対策の一つでありますが、
実装する機能のボリュームが大きければ大きいほど効果は発揮しやすいです。
ただ、この取り組み自体は当然ながらQAだけでは成立しないものなので、
事前にプロダクト側と相談した上で協力を仰ぐ必要はあるかと思います。

プロダクト側との信頼関係がないとなかなか難しいかもしれませんが、
プロダクトにとってもQAにとってもメリットのある取り組みだと思うので、ご紹介させていただきました。

拙い文章ではありましたが、最後までご覧いただきありがとうございました。

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