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「使われない機能」を「使われる機能」にするために、劇的な改善は必要ない

Last updated at Posted at 2023-12-21

こんにちは、モチベーションクラウドのエンジニアの坪井です!

本記事はリンクアンドモチベーション Advent Calendar 2023の22日目です。

世の中の機能の64%はめったに、あるいはまったく使われない

マイク・コーン氏のブログ記事によると、64%の機能は全然使われていないようです。(悲しい)

「1年かけて作った機能なのに、全然使われてないなあ」
「ユーザーのニーズに沿って作ったはずなのに 、結局使われないな」

と言った状況に直面したことのある方は、いらっしゃるのではないでしょうか?

仮説検証を繰り返して機能の利用率を30%から60%に改善してきました。まだ一時的な変化のため、今後もモニタリングは続けます。
この記事では、改善する過程でのナレッジを紹介したいと思います。

0. 前提

今回の記事の元になった機能は、モチベーションクラウドの「AI組織改善アドバイザー」です。機能自体は3月にリリースされており、2023年6月にアップデートされたものを今回は取り上げます。

image.png

この機能は、ユーザーが組織診断サーベイ結果を見た時に、適切な課題設定ができることを目的とした機能です。

リリース直後は、ほとんどのユーザーが機能を触っていたのですが、機能を用いて課題設定をしているユーザーは30%ほどでした。

1. なぜ使われていないのかを、理解する

使わないじゃなくて、知らないだけ

今回のケースでは、ほとんどのユーザーが機能を触っていたため、「機能を知らない」可能性は考えられませんでした。

どんなに素晴らしい機能でも、認知されていないとユーザーに価値が届くことはないため、最初に、「ユーザーはこの機能を知っているのかな?」を検証することは大事だと思います。

ユーザーの体験は、プロダクト内だけじゃない

モチベーションクラウドを利用するユーザーは、コンサルタントとのコミュニケーションや、プロダクトを活用するためのドキュメントなど、プロダクト以外での接点が多数あり、そこがトリガーとなってプロダクトを操作することが多いです。

そのため、ユーザーの利用には以下の傾向があります

  • 渡されたドキュメントに書いてある機能に留まる
  • コンサルタントから案内された機能に留まる
  • 知っている機能以外は触らない

そう考えた時に、プロダクト側からのアプローチだけではなく、コンサルタントを巻き込んで、ドキュメントに案内を記載する等の改善していく事が大事な打ち手の1つでした。

結果的に、コンサルタントからの案内や、ドキュメントに記載があることで

「コンサルタントから案内された方法で、使ってみよう!」
「この機能便利そう!活用方法を見ながら使ってみよう!」

となり、「機能を触る」から、「機能を活用する」につながりました。

2. 機能を使ってもらう事が、そんなに重要なのか考える

実現したい事に立ち返る

頑張って作った機能だからこそ、絶対に使って欲しい!という思いが強くなって、なんとしてでもユーザーが利用する導線にしよう!という考えになるケースもあるかなと思います。
ですが、1番大事な事はユーザーに価値を提供し、問題を解決することです。

今回の場合、機能の目的は「ユーザーが組織診断サーベイ結果を見た時に、適切な課題設定ができること」でした。
なので、究極機能を使わずに、目的を達成できる場合それでいいのです。

3. 一度の劇的な改善ではなく、細やかなPDCAサイクルを

利用率が改善した機能では、3ヶ月で10個の改善を実施しました。

そのうちのどれかが劇的に効果的だった。というわけではなく、細かな改善を続けた事でユーザーに価値が届くきっかけがたくさん生まれ、結果的に利用率の向上につながりました。

このような仮説検証におけるアンチパターンは、「考えるだけで、アクションをしないこと」です。

私の場合、最初の1ヶ月は、劇的な改善をしないと利用率が上がらないのではないか。という不安から、1番効果的な策を考える事に必死でした。
ですがこの状況を極端に言うと、「1ヶ月何もしていないだけ」なんです。
なので、1番効果的な策を考え続けるよりも、有効そうな策を1つでも試して、効果的だったか否かがわかる方が、仮説検証においてはよっぽど重要なのです。

💊 これから頑張る人への処方箋

エジソンマインドを身につける

これから、仮説検証を進める方の中には、

「また失敗したー、全然利用率上がらないなあ」
「改善して失敗するの怖いなあ、絶対に成功する打ち手が見つかるまで考え抜こう」

という感情になる方がいると思います。

ですが、仮説検証において大事なのは

「くっそー!、この打ち手じゃ利用率上がらないのか!! 1つ仮説が潰れた!発見だ!」
「改善して、失敗した数だけ前進できるから、迷ってる暇があったら試してみよう!」

といったマインドがめちゃくちゃ大事です。

神のような打ち手を一撃で、見つけられていたら誰も苦労しません。
なので、PDCAを早く回す事が大事なのです。

エジソンの名言で、「私は失敗したことがない。ただ、1万通りのうまくいかない方法を見つけただけだ」があります。
この言葉を胸に、ユーザーに価値が届くまで粘り強く頑張っていきましょう!!

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