はじめに
この記事はLITALICO Engineers Advent Calendar 2024 カレンダー2の4日目の記事です
2023年に新卒で入社したエンジニアの@marie-yです。今年、IPAが主催している基本情報技術社試験と応用情報技術者試験を受けたので、それについて書いていこうと思います。
対象読者
対象読者は、以下の人です。これらの方々に向けて、参考になる情報を提供できたらなと思います!
- 基本情報、応用情報をこれから受けようと思っている人
- 基本情報、応用情報を受けるか迷っている人
概要
以下のトピックに沿って述べていきます。
- なぜ受けようと思ったか?
- 勉強した内容
- 受けてみての感想
なぜ受けようと思ったか?
ITエンジニアとして就職する際にも資格試験取得を考えたのですが、その時に収集した情報からは、資格試験よりも実際にアプリケーションを作ったことがあるかの経験が求められると考えたので、資格試験取得の優先順位は下がっていました。
それでも取得しようと思った一番の理由は、自分が新卒採用のカジュアル面談をやっている中で、学生さんが基本情報・応用情報の資格を取得していたり、「資格を取っておいた方がいいですか?」という質問があったことです。自分がIT系の資格を全く持っていないのに、資格について語ることはできない!と思ったので、受けてみようと思いました。
また、個人的には体系的にまとまった教材や問題集がある中でそれを学んでいくことは好きだったので、資格試験によって知識を習得することが向いているのでは?と思っていたことも1つの理由です。
勉強した内容
前提
前提として、私の基礎知識がどれくらいあったかをお伝えしておきます。
大学時代は機械系を専攻していたので、コンピュータサイエンスの基礎知識はほぼない状態で入社しています。「ほぼ」と言うのは、基本情報技術者試験のシラバスでいうと、基礎理論(離散数学、アルゴリズムなど)に書いてある箇所は軽く授業で学んだ記憶があるくらいでした。
新卒として入社してからは、WEBアプリ開発チームでサーバーサイド(Ruby on Rails)・フロントエンド(TS x React)の両方とも担当しており、グロースチームのためSQLも書く機会が多いです。一方でインフラ周りは触る機会が少ないです。
基本情報の勉強
私が基本情報で使った教材を紹介します。使ったものは、以下です。
- 参考書:イメージ&クレバー方式でよくわかる かやのき先生の基本情報技術者教室
- 午前対策:基本情報の問題が解けるアプリ
- 午後対策:IPAが出しているサンプル問題・基本情報技術者 パーフェクトラーニング過去問題集 (情報処理技術者試験)
1の参考書は、以下の画像のように、最初の見出し箇所にイラストがあり、これから学ぶことに対してイメージを持ってから読み始められるところがよかったです。これ1冊で応用情報の範囲もほぼカバーされていたので、応用情報の勉強時にもこの参考書を使っていました。参考書は、全部を読むのではなく、アプリで問題を解いている時にわからないことがあれば参考書で調べるという方法で活用していました。
(出典:イメージ&クレバー方式でよくわかる かやのき先生の基本情報技術者教室)
2の午前対策で使ったアプリはとても便利で重宝していました。無料で使うことができて、間違った問題はチェックをしておいて、チェックがついた問題だけ再度解くことができます。これをスマホやiPadを使って隙間時間にひたすら進めていました。午前問題は、問題数が多く、全部対策できないなと思ったので、業務でも活かせそうなテクノロジ系の分野だけを集中的に学び、マネジメント・ストラテジ分野は直前まで捨てていて、直前に少しだけやりました。
3の午後対策で使ったのはIPAが出しているサンプル問題と過去問です。基本情報の過去問を解くときに注意しなくてはいけないのが、2023年度からCBT方式の通年試験になったと同時に、出題内容も変更されているということです。具体的には、出題内容の分野の割合が変化し、アルゴリズムやデータ構造、セキュリティ分野の割合が増えています。また、個別プログラム言語(C言語、Javaなど)ではなく擬似言語による出題になっています(参考)。
試験方式がCBT方式になったことで、直近の問題傾向の過去問はありませんでした。なので、午後対策は公式が出しているサンプル問題をやっていました。購入した過去問は結局ほとんど使わなかったです。
試験結果は、午前:700/1000、午後:700/1000で両方とも6割以上だったので、合格していました。
応用情報の勉強
- 参考書:イメージ&クレバー方式でよくわかる かやのき先生の基本情報技術者教室
- 午前対策:応用情報の問題が解けるアプリ
- 午後対策:令和06年【秋期】応用情報技術者 パーフェクトラーニング過去問題集(リンクを貼ってありますが、書いている時の最新版なので、最新版が欲しい方はご注意ください)
参考書と午前対策は基本情報と同じです。参考書は同じものを使うので十分でしたが、たまに問題を解いている中で参考書を見たいとなった時に載っていないものもあるので、その時にはネットで調べたり、Chat GPTに聞いたりしていました。午前対策は応用情報用のアプリを使っていたものの、基本情報と出題範囲は大きく変わらなかったです。午後対策に関しては、応用情報の場合はしっかり過去問があったので、過去問を使って対策をしていました。
基本情報と応用情報で大きく異なるのは、午後問題です。応用情報の午後問題は記述式であるのと、必須問題、選択問題が存在します。情報セキュリティ分野のみ必須問題で、それ以外の10問から4問選ぶ必要があります。参考までに、私が対策していた選択問題を挙げておきます。
- プログラミング(アルゴリズム)
- システムアーキテクチャ
- ネットワーク
- データベース
- 組み込みシステム開発
解答するのは4問でいいのですが、5問対策していました。年によって各分野の難易度も異なってくるので、5問対策しておいて当日に簡単そうな4問を選択しようという戦法で試験に臨みました。1つの分野が難しいと思ったときに別の代替案があると余裕が生まれるのでおすすめです。
令和6年度秋期の応用情報を受けたので、結果はまだ出ていませんが、自己採点だと午前:65/80問、午後:6割前後? なので、午前は問題ないと思いますが、午後試験は微妙なところです。
受けてみての感想
受けて後悔していることはなく、受けて良かったなと思うので、良かったことを述べようと思います。資格試験を受けてみて良かったことは2つあります。1つ目は、今まで業務の中で少しずつ学んでいた知識を体系的に学べたことです。業務で必要になったタイミングで調べたり勉強したりはしてきましたが、それだと知識が業務で直面したことに偏ってしまい、知識が虫喰い状態になっていました。今回、資格試験の勉強を通じて基礎を体系的に学ぶことで、今まで穴になっていた部分を補完したり、業務でやったことの関連知識を知ってさらに学びが深まったり、という風に今までに培った知識を補完・補強することができたなと感じています。
試験を受けて良かったことの2つ目は、資格試験では基礎的なことしか学べないのかと思っていたら、意外と応用的なことも学べたことです。これは特に応用情報の午後の試験問題を見て驚いたのですが、応用情報の午後問題は実際の業務に近い状況で出題されます。例えば、以下のような問題です。
データベース分野の問題)
Aさんは新しく社内で顧客管理システムを導入することになりました。
システムを作成するため、データベースのER図を作成し(図1)、上司にフィードバックをもらいました。
〜〜というような長文〜〜
問1:図1のER図のa~cに当てはまる属性名、エンティティ名を答えよ。
問2:下線部dの上司のフィードバックを踏まえて、どのように変更すれば良いか、30字以内で答えよ。
もちろん、実際の業務の場合は色々な要因があるので、試験問題よりも複雑ではあると思いますが、午前対策で学んでいた基礎的な知識を実際の業務でどう使えばいいのかが何となく分かります。特に、私は業務であまり関わりの少ないネットワーク分野の知識を丸暗記で午前問題を凌いでいたのですが、応用情報の午後問題でネットワーク分野の問題を解くことで、接続機器をどのように使うのかや、どのように適切な設定をするのか、といった業務関連知識を学び、ネットワーク分野への知識が深まったなと感じています。
このように、応用情報の午後問題では業務に近い応用的なことも学ぶことができたので、受けて良かったなと思います。
おわりに
基本情報と応用情報の勉強方法と受けてみた感想はいかがでしたでしょうか?少しでも受けようか迷っている方やこれから受けようとしている方の参考になれば嬉しいです。試験という期限がある中で勉強するとモチベーションが湧くので、他の資格試験も挑戦してみたいなと思います
明日は、@ogifsさんの記事です。ぜひ明日の記事も読んでみてください!