WSL2 上の Ubuntu に pyenv 環境を作ろうとしてハマった

WSL2 上の Ubuntu 22.04.1 LTS に pyenv 環境を作ろうとしてハマったので対応策のメモ

実行した手順

GitHub の pyenv のページに書かれている手順に従い、

$ git clone https://github.com/pyenv/pyenv.git ~/.pyenv
$ echo 'export PYENV_ROOT="$HOME/.pyenv"' >> ~/.bashrc
$ echo 'command -v pyenv >/dev/null || export PATH="$PYENV_ROOT/bin:$PATH"' >> ~/.bashrc
$ echo 'eval "$(pyenv init -)"' >> ~/.bashrc

を実行し、シェルの再起動

$ exec "$SHELL"

ここで

/mnt/c/Users/mare_ism/.pyenv/pyenv-win/bin/pyenv: 3: cygpath: not found
/mnt/c/Users/mare_ism/.pyenv/pyenv-win/bin/pyenv: 3: exec: cmd: not found

というエラーメッセージが出てしまう。

当然、pyenv のバージョン確認

$ pyenv --version

を実行しても同じメッセージが出る。

原因調査

エラーメッセージを見れば分かるように、マウントした Windows のフォルダを見に行ってしまっている。（Windows 側では既に pyenv の環境を構築済み）

パスを確認すると

$ echo $PATH

/mnt/c/Users/mare_ism/.pyenv/pyenv-win/bin/

にパスが通っているのが分かった。ここにある Windows 用の pyenv を実行しようとしてエラーが発生しているわけだ。

パスを追加しているはずじゃないの？

Ubuntu 側の pyenv にパスを通すために

$ echo 'command -v pyenv >/dev/null || export PATH="$PYENV_ROOT/bin:$PATH"' >> ~/.bashrc

を実行しているが、これは pyenv が見つからなかったときに $PYENV_ROOT/bin （つまり、$HOME/.pyenv/bin）をパスに追加する、というコマンドになっている。

しかし、

$ command -v pyenv

を実行すると

/mnt/c/Users/mare_ism/.pyenv/pyenv-win/bin/pyenv

が返ってきてしまい、|| 以降のコマンドが実行されないままになっていた。

対応方法

$ echo 'command -v pyenv >/dev/null || export PATH="$PYENV_ROOT/bin:$PATH"' >> ~/.bashrc

のコマンドを

$ echo 'export PATH="$PYENV_ROOT/bin:$PATH"' >> ~/.bashrc

に変更して実行。

既に元のコマンドを実行している場合は .bashrc ファイルの末尾が

export PYENV_ROOT="$HOME/.pyenv"
command -v pyenv >/dev/null || export PATH="$PYENV_ROOT/bin:$PATH"
eval "$(pyenv init -)"

ではなく

export PYENV_ROOT="$HOME/.pyenv"
export PATH="$PYENV_ROOT/bin:$PATH"
eval "$(pyenv init -)"

になるように直接編集してもよい。

実行結果

改めてシェルを再起動し、pyenv のバージョン確認

$ pyenv --version

の結果が

pyenv 2.3.6-4-g904fe964

と表示された。