すでに多くの方がエンブレムの作られ方の解説をされていますが、ここではもう一度自分なりにエンブレムの作られ方について整理したいと思います。
#エンブレムはどうやってできている?
東京オリンピックのエンブレムは幾何学的なエンブレムですよね?となると何か幾何学的な仕掛けがあるのではと考えられます。エンブレムを眺めると、まずどちらのエンブレムも3種類の長方形を組み合わせて作られているということがわかります。
取り敢えず三種類の長方形だけを使ってエンブレムチックなものを作ろうとすると、頂点が重ならなかったり、キレイな図形にならなかったりとなかなかうまくいきません。
何か手がかりが足りない…。そもそもなぜこれではうまくいかないのか考えてみると、図形の頂点を重ねて敷き詰めようとしているからです。頂点で考えると図形をどれくらい傾けるのかも考えなければならず、自由度が大きすぎて制御しきれません。図形を敷き詰めるときはタイルのように辺が重なるように敷き詰めるのがふつうです。
というわけで発想を変えて長方形が頂点が重なるように敷き詰められたのではなく、長方形を格納した図形がタイルのように敷き詰められて作られたと考えてみましょう。
そして色々試行錯誤してみるとエンブレムはひし形が敷き詰められて作られたということがわかります。そして各ひし形の中点を結んだものが私たちが見ている長方形の正体なのです。
#ひし形の敷き詰め方
エンブレムがひし形を敷き詰めて作られたという事はわかりましたが、それだけではまだ遊びつくせなさそうです。まだどのように敷き詰めるかの手がかりがないからです。
ここで2つのエンブレムを見比べてみると、オリンピックは大きい正十二角形の外枠の中に小さい正十二角形の穴が空いている構造になっています。一方パラリンピックは正十二角形の上がポッカリ開いたような構造になっています。それぞれの穴がなければどちらも正十二角形をひし形で充填させた形ということで理解できそうです。
実際にやってみるとこの穴は同様のひし形で埋めることができます。
#エンブレムの正体
というわけでエンブレムの正体は
・正十二角形を三種類のひし形で充填し、
・それぞれ何個かのひし形を取り除き、
・各ひし形の中点を結んでできた長方形
という事になります。
エンブレムの正体が分かったところで今回はここまで!
次回はひし形を充填するという事についてさらに詳しく書いていきたいと思います。