はじめに
本記事は、Googleデータアナリティクスのプロフェッショナル認定証のプログラムより、参照させて頂いています。興味を持った方は、是非受講してみてください。

データ主導の意思決定
私たちは普段の生活で、 フィットネス トラッカーを装着したときや、 商品レビューを読んで購入を決定するとき などにデータを使っています。 そしてビジネスでは、 顧客をより深く理解したり、 プロセスの改善や、従業員の業務生産性 向上を図るためにデータを使っています。 しかしこれは氷山の一角にすぎません。 業務上データを使ってできる最も有益なこと の 1 つが、データ主導の意思決定です。
『データ主導の意思決定とは、データに 基づいてビジネス戦略を導くこと』
あらゆる業界の組織において、 データアナリストが 常にデータ主導のより良い意思決定が できるよう、推進されています。
- データ主導の意思決定の最初のステップは、 事業ニーズを把握する ことです。 通常、これは解決する必要がある 問題のことを指します。 この問題とは、たとえばある新しい会社が、 より規模の大きく有名な 競合企業と戦うために ブランドの認知を高めるといったこと、 あるいは、ある組織が製品改良のために、 よりサステナブルでエシカルな サプライヤーから部品を調達する 方法を見つけ出すことかもしれません。 もしくは企業で、従業員の不満や エンゲージメント、満足度、 会社への定着率の低さを解決しようと することかもしれません。
- 問題が何であれ、それが定義されると、 データ アナリストはデータを見つけ、 それを分析・活用して、トレンド、 パターン、関連性を明らかにします。 データ主導で導かれた戦略は、 過去の成功に沿った形になる場合もあれば またある時は、まったく新しい方向への 事業展開を示す場合もあります。
実際の事例
音楽や映画のストリーミング サービス
各企業は、個人が何を見たいか、聞きたいかを どのようにして知るのでしょうか? また、 それらをどのように提供しているのでしょう? データ主導の意思決定を上手く利用して 企業は顧客が現在見たり、 聞いたりしているものについての 情報を集めて分析し、 そこからインサイトを得て、 今後最も好まれそうなものを提案します。 その結果、顧客の満足度が高まり、 リピーターが増えることで 会社の収益につながっていきます。
e コマース
ほとんどの買い物が実店舗経由だったのは、 それほど昔のことではありません。 しかし、データによって、消費者の志向が 変わっていることがわかりました。 そのため、多くの企業がまったく新しい ビジネスモデルを構築し、 実店舗をなくし、個人がパソコンや 携帯電話から直接買い物をして、 商品が自宅まで届けられるようにしたのです。
人間の経験、観察、 直観との組み合わせ
実際、データ主導の意思決定は 非常に強力なもので、 ビジネスの手法を全体から 覆してしまうこともあります。 たとえば、データによって各企業は 固定電話から、 携帯電話に完全移行しました。
データ アナリストは、データをあらゆる ビジネス戦略に組み込み、 企業を成功に導くうえで 重要な役割を果たします。 しかしデータ主導の意思決定に どれほど価値があったとしても、 人間の経験、観察、 時には直観と組み合わせなければ データ単体ではそこまで強力なものに ならないことは注意すべきでしょう。
内容領域専門家(SME,Subject matter experts)
最も有益なデータ主導の意思決定のためには 事業課題をよく知っている人々のインサイトを 含めることが重要です。 これらの人々は内容領域専門家と呼ばれ、 データ分析の結果を見て 矛盾を突き止め、不確かな点を明らかにし、
そして、最終的にはその選択を 検証することもできます。 このような取り組みを行う組織は、 ビジネス戦略の中心にデータを位置づけつつ 社員のインサイトからも恩恵を受けます。 Win-Win の関係なのです。
あなたはデータ アナリストとして、 組織がデータ主導の意思決定をする上で 重要な役割を果たします。だからこそ、 データの意思決定プロセスにおいて データがどのように関わっているかを 理解することが重要なのです。
Google の エド
ただデータが多いだけではダメなんです。 データそのものはほとんど 価値を持ちません。 Twitter や Square の創業者である ジャック・ドーシーの言葉を借りれば、
「この世界で私たちが行う一つ一つの行動が、 何らかのデータが引き金になっていて、 そのデータのほとんどは、 誰かが何らかの解釈を加えるか、 誰かがストーリーを練るまでは 無意味なものである。」
データとは、端的に言えば、 事実の集まりであり、 何かを説明するための値です。 個々のデータは収集され、 構造化されてより有用になりますが、 しかしそれだけではまだ 十分な意味を持ちません。 データを情報に変えるには、 解釈する必要があります。
水泳の 200m 個人メドレーで マイケル・フェルプスの タイムは 1 分 54 秒でした。 これではよくわかりません。 しかし、ライバルたちのタイムと比較すると、 マイケルは 1 位でゴールし、 金メダルを獲得していることがわかります。 この分析では、データとして マイケルのレース相手のリストと タイムを使用し 他のデータと比較することで 情報に変えました。 文脈も重要です。 このレースが他でもない オリンピックの決勝戦であるということが ”金メダル獲得”という判断につながります。 しかし、これでもまだ知識とは いえません。 私たちが情報に触れて、理解し、そして 応用するときが、 データが最も役に立つときです。
つまり、マイケル・フェルプスは 速い競泳選手だ、ということですよね。 データを知識に変え、 理想のレストランを見つけたり、 環境に配慮した行動をとったりと、 さまざまなことに役立てることができるのが、 データの真骨頂なのです。