はじめに
本記事は、Googleデータアナリティクスのプロフェッショナル認定証のプログラムより、参照させて頂いています。興味を持った方は、是非受講してみてください。

6つの課題のタイプ
データ分析とは、課題を解決することです。課題の本質に迫り、実用的な解決策を見出すためには、クリエイティブな思考が求められます。
いかなる課題であっても、最も重要となるステップは、その課題を理解することです。そのあとは課題解決のアプローチで分析を進め、どのような情報を含めるべきか、どのようにデータを変換するか、そしてどのようにデータを活用するかを決めます。
1.予測を立てる
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新規顧客を獲得するための最適な広告手法を知りたいという企業の例は、データアナリストによる予測を必要とする課題の一例です。広告を出す場所、媒体の種類、過去の広告の結果獲得した新規顧客の数などのデータを持つアナリストは、予測の結果を保証することはできないものの、ターゲット層にリーチするための最適な広告の出し方を予測することができるでしょう。
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病院のシステムが、 慢性疾患の患者の 健康状態を予測するために、 オンライン診療を 利用することが考えられます。 患者は毎日自宅で 健康診断を受け、 健康診断の情報と、年齢や 危険因子などの 重要なデータを組み合わせることで、 病院のアルゴリズムが 将来の健康問題を予測し、 将来の入院を減らすことさえ できるようになるのです。
2.物事を分類する
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ある企業の顧客満足度を向上させるため、データアナリストによる物事の分類が必要な課題があるとします。この場合データアナリストは、顧客からの問い合わせを特定のキーワードやスコアに基づいて分類します。これにより、優秀なカスタマーサービス担当者を見つけ出したり、特定の行動と顧客満足度の高さを関連付けることができます。
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あるメーカーが現場の従業員の パフォーマンスに関するデータを レビューする、といったことが挙げられます。 アナリストは、作業の効率が最も高い社員と 最も低い社員のグループにわけたり、 修理やメンテナンスが最も得意な社員と 最も苦手な社員、 組み立てが最も得意な社員と 最も苦手な社員など、 その他多くのグループや集団に わけることができるでしょう。
3.異常を見つける
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健康状態を把握するスマートウォッチを販売する企業が、異常を発見するためのソフトウェアを設計しようとしているとします。この場合アナリストは、健康に関するデータを集計・分析して、データが通常と異なる傾向を示したときに異常を検知しアラートを鳴らすための最適なアルゴリズムを決定すべく、開発者を手助けします。
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生徒の入学数が突然、 30 %も急増した 学校法人があります。 データアナリストが この数字の上昇の原因を調べると、 その年の初めに学区内にいくつかの 新しい集合住宅が建設されている ことがわかるかもしれません。 学校はこの分析結果をもとに、 学校は新しく入ってきた生徒の対応に 十分なリソースを確保することができます。
4.テーマを特定する
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UXデザイナーは、ユーザー・インタラクションに関するデータを分析するため、データアナリストの力を借りることがあります。「物事を分類する」課題と近しいですが、ユーザビリティの改善プロジェクトでは、改善すべき製品の機能に優先順位をつけるため、データアナリストによるテーマの特定が必要な場合があります。多くの場合そのテーマは、リサーチャーがデータの特定の側面を深掘りするために活用されます。たとえばユーザー調査をする場合なら、ユーザーの好きなもの、習慣、およびニーズがテーマの例です。
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現場の従業員のデータを確認し、 まず、この人たちを種類別、 作業別に分類します。 しかしさらに、データアナリストは、 これらのカテゴリーを、 生産性の低いグループと 生産性の高いグループという さらに広義の概念に分類することができます。 これにより、 生産性の高い社員と低い社員を把握し、 優秀な社員には報酬を、 トレーニングが必要な社員には 追加でサポートを提供することが可能になります。
課題タイプ | 解説 |
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物事の分類 | 項目をカテゴリに割り当てる |
テーマの特定 | これらのカテゴリをさらに一歩進めてより広義の概念にグループ化する |
5.つながりを発見する
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企業から委託された物流会社が他の会社と協力して、時間通りに顧客に貨物を届けようとしています。その際のデータアナリストの課題は、つながりを発見することです。たとえば複数の出荷拠点での待ち時間を分析することで、適切なスケジュール変更を判断でき、定刻便の発送数を増やすなどの対策を取ることができます。
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あるオートバイのメーカーが、 ホイールサプライヤーから 仕入れたホイールに 問題が発生したとします。 その会社は、安全で高品質な ホイールの在庫が戻るまで 生産をストップせざるを得ません。 しかし、その一方で、 ホイールの製造に使うゴムの問題が発生し、 ゴムのサプライヤーも 適切な材料が見つからなかったことが 判明しました。 もし、これらすべての事業者が 直面している課題について話し合い、 データをオープンに共有することができれば、 多くの類似した課題を発見し、 さらに、解決策を一緒に 見つけることができるでしょう。
6.パターンを見つける
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機械の故障による作業の遅れを最小化する、という課題においては、データアナリストはパターンを見つける必要があります。例えば、メンテナンスのデータを分析することで、定期メンテナンスが 15 日以上遅れると故障が多く発生する、といったことが発見できるでしょう。
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E コマース企業は、常にデータを使って パターンを見つけ出しています。 データアナリストは、取引データから、 年間を通じてある時点における 顧客の購買傾向を把握します。 台風の直前には 缶詰の購入が増えたり、 暖かい季節には帽子や手袋などの 防寒用品の購入が減ったりすることがあります。 E コマース企業は、 このようなインサイトを活用して、 重要な時期に適切な量の商品を 仕入れることができるのです。
分析を始める際に課題のタイプ別に考えることで、課題を見抜く鋭い目を養っていきます。この課題解決方法を取ることによって、すべてのステークホルダーのニーズを満たす解決策を導き出すことができます。