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AWSAdvent Calendar 2022

Day 6

AWS SQS sendMessageBatchとdeleteMessageBatchの処理の仕様について

Last updated at Posted at 2022-12-05

はじめに

先日AWSのSQSを使ってSQS内にあるメッセージを別のキューに送信した後に元のキューの処理済みメッセージを削除するシステムを構築した際に、そこで使用されていた2つのメソッドを検証したところ、要注意な仕様があったのでここにまとめておく。

目次

1. そもそもsendMessageBatch・deleteMessageBatchとは?

  • sendMessageBatchとは?
  • deleteMessageBatchとは?

2. 気をつけなければいけない仕様とは?

  • 一部処理に失敗しても、ステータスコード200が返ってくる場合がある
  • 特にこのケースには要注意

3. 一部処理に失敗したときに処理を分けるには?

  • Failedを活用する

そもそもsendMessageBatch・deleteMessageBatchとは?

sendMessageBatchとは?

  • 数多く存在するAWSのSQSに存在するメソッドの中の一つ。(参照:JavaScript API リファレンス

  • 指定されたキューに対して最大10個のメッセージを送信するというもの。

  • 似たようなものにメッセージを一件だけ送信するsendMessageが存在するが、そのバッチ処理バージョンがこれ。

  • このメソッドを呼び出すと、以下のように送信に成功したメッセージを失敗したメッセージをリストで返してくれる。

sendMessageBatchの結果
 SendMessageBatchResult {    //送信結果のオブジェクト
      Successful: SendMessageBatchResultEntryList;  //送信に成功したメッセージのリスト
      Failed: BatchResultErrorEntryList;  //送信に失敗したメッセージのリスト
 }

deleteMessageBatchとは?

  • このメソッドも数多く存在するAWSのSQSに存在するメソッドの中の一つ。(参照:JavaScript API リファレンス

  • 指定されたキューから最大10個のメッセージを削除するというもの。

  • このメソッドも似たようなものにメッセージを一件だけ送信するdeleteMessageが存在するが、そのバッチ処理バージョンがこれ。

  • このメソッドを呼び出すと、以下のように削除に成功したメッセージを失敗したメッセージをリストで返してくれる。

deleteMessageBatchの結果
DeleteMessageBatchResult {   //削除結果のオブジェクト
    Successful: DeleteMessageBatchResultEntryList;   //削除に成功したメッセージのリスト
    Failed: BatchResultErrorEntryList;   //削除に失敗したメッセージのリスト
}

気をつけなければいけない仕様とは?

一部処理に失敗しても、ステータスコード200が返ってくる場合がある

  • 注意しなければいけないのは、この二つのメソッドはバッチ処理で、まとめて処理するものであるということ。

  • そのため仮に10件処理したとして、そのうち2件なんらかの原因で処理に失敗したとしてもエラーが発生せず、ステータスコード200が返ってくる場合がある。

特にこのケースには要注意

  • 例えば、sendMessageBatchであるSQSにメッセージを10件送信した後にそのSQSからそれらのメッセージdeleteMessageBatchで削除するとする。

  • その場合、それぞれのメソッドは一部失敗したとしてもエラーにならないので、仮にsendMessageBatchに一部失敗したとしても、deleteMessageBatchで全件成功してしまう可能性がある。

  • つまり、「送信に失敗したのに削除されてしまったメッセージ」が存在してしまうことになる。

↓↓↓こんな感じ↓↓↓

一部処理に失敗してもエラーにならない
//たとえばtry~catchなどで例外処理をしてもcatchされない可能性がある
try{
    //sendMessageBatchは一部処理に失敗しても処理が続行され、エラーがでない
    var sendMessageBatchResult = sqs.sendMessageBatch(キューのURL, 送信対象のメッセージリスト);

    //sendMessageBatchで一部処理に失敗しても、以下の処理は実行される
    var deleteMessageBatchResult = sqs.deleteMessageBatch(キューのURL, 削除対象のメッセージリスト);
    
}catch(e){
    console.log("エラー");
}

一部処理に失敗したときに処理を分けるには?

  • デフォルトではエラーは出されない仕様なので、それぞれのメソッドが返してくれるオブジェクト内の失敗リスト(Failedリスト)を活用する

↓↓↓こんな感じ↓↓↓

エラー処理の例
//sendMessageBatchを実行して変数sendResultに代入
var sendResult = sqs.sendMessageBatch(キューのURL, 送信対象のメッセージリスト);

if(sendResult.Failed.length != 0){  //リストFailedの長さが0でなければ一部処理が失敗している
    throw new Error('一部送信に失敗しました');
}else{
    console.log("全件成功しました");
}

//deleteMessageBatchも同様
var deleteResult = sqs.deleteMessageBatch(キューのURL, 処理対象のメッセージ);

if(deleteResult.Failed.length != 0){  //
    throw new Error('一部削除に失敗しました');
}else{
    console.log("全件成功しました");
}
  • sendResult.Failed.lengthとdeleteResult.Failed.lengthにはそれぞれの失敗件数が格納される
  • これを活用すれば、何件処理に成功または失敗しているのかを表示させることも可能
     
  • また、sendMessageBatchで処理成功したメッセージリストだけをdeleteMessageBatchの対象にすれば、先ほどの「送信には失敗したけど削除には成功したメッセージ」を回避することができる
    ↓↓↓こんな感じ↓↓↓
一部処理に失敗してもエラーにならない
//sendMessageBatchは一部処理に失敗しても処理が続行され、エラーがでない
var sendMessageBatchResult = sqs.sendMessageBatch(キューのURL, 送信対象のメッセージリスト);

//sendMessageBatchで成功したメッセージだけを削除対象にすれば、送信に失敗したものが削除されることはない
var deleteMessageBatchResult = sqs.deleteMessageBatch(キューのURL, sendMessageBatchResult.Successful);
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