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DeepLabCutの出力データを「注目すべき行動」に変換するAIを作ってみた

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0.DeepLabCutについて

DeepLabCutは、動物の姿勢推定のための深層学習ベースのオープンソースツールです。特徴として:

  • マーカーレスでの動物の追跡が可能
  • 少ない学習データで高精度な推定が可能
  • GUIベースで簡単に操作可能
  • 様々な動物種に適用可能(マウス、ラット、ハエなど)

DeepLabCutのインストール及びコマンドに関しては、こちらをご覧ください。

DeepLabCutの結果

trajectory.png
plot.png

はじめに

みなさん、行動解析に悩んでいませんか?🤔

「DeepLabCutで座標は取れたけど、この大量のデータから何を見ればいいの...」
「行動の違いはありそうだけど、どこに注目すれば良いのかわからない...」

そんな悩みを解決するため、Transformerベースの行動解析AIを開発しました!

この記事では、Nature Communicationsで発表されたDeepHLという手法にインスパイアされた、マウスの行動解析システムを紹介します。

開発の動機 💡

DeepLabCutは素晴らしいツールですが、出力されるのは「座標データ」です。これを「意味のある行動の違い」に変換するのは、まだまだ研究者の手作業に頼っている部分が大きいのが現状です。

そこで、最新の深層学習技術であるTransformerアテンション機構を使って、以下のことを自動化してみました:

  • 重要な行動セグメントの特定
  • 特徴的な動きのハイライト
  • 行動パターンの可視化

システムの特徴 🚀

1. シンプルな入力

# DeepLabCutの出力CSVを直接読み込めます
dataset = MouseTrajectoryDataset("dlc_output.csv")

2. 高度な行動解析

以下の特徴量を自動的に計算・解析します:

  • 速度プロファイル
  • 角速度の変化
  • 移動距離のパターン
  • その他の時系列特徴量

技術的な詳細 🔧

アーキテクチャ

class TransformerModel(nn.Module):
    def __init__(self, input_dim, num_classes=1, d_model=128):
        super().__init__()
        self.feature_extractor = nn.Sequential(
            nn.Linear(input_dim, d_model),
            nn.ReLU(),
            nn.Dropout(0.1)
        )
        # Transformer層の詳細は省略

DeepHLとの違い

DeepHLは一般的な動物の軌跡解析のために開発されましたが、本システムは:

  1. DeepLabCut出力に特化
  2. マウス行動に最適化
  3. よりシンプルな実装

という特徴があります。

使ってみよう 👨‍💻


### 基本的な使い方

```python
# モデルの初期化
model = TransformerModel(
    input_dim=dataset.features.shape[1],
    d_model=128,
    nhead=8,
    num_layers=4
)

# 学習実行
history = train_model(model, dataset)

# 結果の可視化
visualize_results(dataset, model)

結果例 📊

image.png
image.png

見つかった興味深い行動パターン

  • 上部と下部に分かれた特徴的な8の字型の軌道を描いている
  • 特に外周部分(x座標0.8-1.0付近)で強いアテンションが検出されている
  • マウスは規則的な往復運動を行っている可能性が高い
  • 急激な損失の減少(3000エポックでの急激な損失減少は過学習の可能性がある)→学習率の調整、エポック数の見直し、正則化の強化
  • 現状のアテンションスコアは閾値周辺で飽和している
    • アテンション機構のアーキテクチャの見直し
    • スケーリング関数の調整
    • 異なる損失関数の検討

まとめ 🎯

このシステムを使うことで:

  • 行動解析の時間を大幅に短縮
  • 人間が見落としがちなパターンを発見
  • 客観的な行動評価が可能

に!

今後の展望 🔮

  • より多様な実験動物への対応
  • リアルタイム解析機能の追加
  • GUIの開発

などを予定しています。

GitHub

コードは以下で公開しています:

参考文献 📚

  1. DeepHL: Deep learning-assisted comparative analysis of animal trajectories with DeepHL (Nature Communications, 2020)
  2. DeepLabCut: Markerless pose estimation of user-defined body parts with deep learning

実装や使用方法について質問があればコメントください!
また、このプロジェクトに興味を持っていただけた方は、ぜひGitHubでスターをつけていただけると嬉しいです⭐️

#DeepLearning #MachineLearning #動物行動解析 #Python #DeepLabCut

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