ミユキ「ノボルくん、ちゃんと食べたら片づけないと駄目よ」
ノボル「うるさい! うるさい! 僕は遊ぶんだ!」
ミユキ「そんなこと言ってると、将来プログラミングをするときに困ることになるわよ?」
ノボル「プ……? お姉ちゃん、プ……なに?」
ミユキ「プログラミングよ、ノボルくん」
ノボル「プロ……? プロ……なに? お姉ちゃん」
ミユキ「プログラミング」
ノボル「プログ……? プログ……なに? お姉ちゃん」
ミユキ「かなり短期記憶が劣化しているわね。きっとゲームのやりすぎのせいだわ」
ミユキ「いーい? ノボルくん。ここに書いてあげたから、これを読むのよ」
ノボル「プログラ……? ああ! 目が! 目があ!」
ミユキ「どうしたの? ノボルくん!」
ノボル「お姉ちゃん! 目が! 目が痛いよぉ!」
ミユキ「どうやら、ゲームのし過ぎで眼精疲労のようね。目薬をさしてあげるわ」
ノボル「プログラミング? なあにこれ、お姉ちゃん」
ミユキ「プログラミングというのは、パソコンに命令を与える文章を書くことを言うわ」
ノボル「パソコンに命令を与えるの?」
ミユキ「そうよ。魔法使いが使い魔に命令するように、パソコンに命令を与えて仕事をさせるの」
ノボル「仕事? ぼくのパパは、仕事してないよ?」
ミユキ「……」
ミユキ「プログラミングはパソコンがあればできるわ。これ、私のパソコン」
ノボル「すげぇ! ゲームができるぜ!」
ミユキ「あっ、ばっ、こら、やめなさい! マイクラをインストールするんじゃないの!」
ノボル「うるせえ!」
ミユキ「いーい? ノボル君。プログラミングを覚えたら、マイクラみたいなゲームだって作れるようになるかもしれないわよ?」
ノボル「え? ほんと? お姉ちゃん」
ミユキ「ほんとよ。でも、お姉ちゃんが教えられるのはPythonなの」
ノボル「パ……?」
ミユキ「ああ、短期記憶が。ほら書いてあげるわ。パ、イ、ソ、ン」
ノボル「パイソン? これがプログラミング?」
ミユキ「プログラミング言語よ。パソコンに命令を与えるための言語。これを覚えたら、あなたも魔法使いになれるわ」
ノボル「僕のパパが、ノボルは30歳まで女の子とデートしなかったら魔法使いになれるって言ってた」
ミユキ「……」
ノボル「お姉ちゃん! ぼく、魔法使いになりたい! どうしたらいいの?」
ミユキ「ふふ、いいわ。手取り足取り、教えてあげる♡」
完