概要
文法誤り訂正に関する本「語学学習支援のための言語処理」の紹介をします。
どういう本?
日本でずっと語学学習支援のための自然言語処理の研究に取り組んできた甲南大の永田さんが書いた一冊です。文法誤り訂正も第4章「ライティング学習支援」の中で触れられています。
ここがポイント
最近は Grammarly や GMail の中での文法誤り検出・訂正のようなアプリケーションが注目されていますが、これらのアプリケーションを実際に作る時に必要な学習者コーパスの収集やアノテーションについてもしっかり書かれているだけでなく、後段のアプリケーションのために必要な要素技術についてもきっちり整理されています(単純に既存のツールを適用するだけではこういうのがうまく行かない、というような実体験に裏付けられています)。
自分(小町)は文法誤り訂正から語学学習支援の研究に入ったのですが、永田さんと初めて話したとき「文法誤り訂正は本当に意味があるタスクなのでしょうか。語学学習者は学習することによって自分で書けるようになるのが目標であって、自動で直したら自分で書けるようにならず、適切な負荷を学習者にかけた方がよくて、そのためには文法誤り検出の方がいいのではないでしょうか」というお話をされて目から鱗でしたが、そういうように永田さんと直接お話しして「なるほど、それは確かに」と膝を打つような話が活字になっていて、大変勉強になりました。
よもやま話
最初は永田さんと小町で分担して書く、という話だったのですが、自分の実力不足により途中でギブアップして永田さんに全部お任せしてしまいました。すみません。
ちなみにAmazon のリビューの usata3 というのは自分が書いたリビューです(ステマ)。