電子マネー事業に携わる中で電子マネー決済の種類のひとつにモバイル型の決済があります。各種電子マネーもiPhoneやアンドロイドで利用できるようになっています。
モバイル決済はお財布不要で便利で早く決済できることが魅力です。カード型の電子マネーと比較しても決済機能だけにとどまらず、利用できるサービスが多岐にわたりますが、その分、様々な影響から改善する点が多くあります。
今回はモバイル決済を担当しているチームメンバーよりモバイル決済に関して「AppStoreの口コミを分析したいと思っていてもなかなか手が回らない」と相談を受けたので、ChatGPTを使ってAppStoreの口コミを分析することにしました。
完成したもの
今回は同じ時期にApplePayに対応しサービスを開始した「WAON」と「nanaco」の電子マネーを比較することにしました。
ChatGPTを利用しレビューのまとめと分類、感情分析を行いました。
WAONとnanacoの電子マネーの口コミを比較しました。
最後にAppStoreで高評価を取得する方法をまとめました。
使用したもの
・ChatGPT
・Octoparse
・Excel
・PowerPoint
手順
1.AppStoreの口コミをOctoparseを利用してダウンロード
2.口コミをChatGPTで分析
3.2をExcelにまとめる
4.PowerPointに内容をまとめる(完成したもの)
1.AppStoreの口コミをOctoparseを利用してダウンロード
AppStoreのレビューをダウンロードするためにOctoparseを利用して抽出します。(今回はお試し(無料)で利用します)
Octoparseは視覚的に分かりやすく、インターネット上に公開されているホームページやウェブシステムから、データを自動で取得できる Webスクレイピングツール/Webクローラーです。
Windows用のアプリをダウンロードする
TOP画面の左側テンプレートを選択
検索欄に「App Store」と入力し検索、アプリレビューを選択
「手動で入力」を選択するとURLが薄く表示されているためそのままURLを入力。(id=*****(*は前の次手順で確認したアプリのidを入力))最後に保存実行。
【URL】
http://itunes.apple.com/rss/customerreviews/page=1/id=*****/sortby=mostrecent/json?|=en&&cc=jp
アプリidはAppStoreプレビュー画面にアクセスしidを確認する(ここではWAONアプリid「1471075782」)
抽出したデータをエクスポートする(Excel)
2.口コミをChatGPTで分析
質問の仕方
質問の内容をカテゴリに分ける
(質問内容)以下の文章は不満、要望、質問のどのカテゴリに当てはまりますか?(以下、口コミを貼り付ける)
感情を分析する
(質問内容)この文章は「ポジティブ」「ネガティブ」「中性」「混在」のどの感情が最も近いですか?
口コミの中から混在的な問題を発見するため25個の口コミをまとめて分析する
(質問内容)以下の例文から発見できる〇〇アプリの混在的な問題は何ですか?
3.1、2をExcelにまとめる
手順1で抽出した口コミの一覧に手順2で抽出したChatGPTからの回答をまとめる(コピぺの繰り返しです)
完成してみて
WAONアプリのレビューを50件、nanacoのレビューを25件をChatGPTに投げかけましたが、全く同じ質問をしても時間によって回答の仕方が異なり、丁寧な回答の時もあれば、とてもあっさりした回答の時もあり、AIにも人格があるかのように感じました。Excelをまとめる部分は手作業になってしまったので、大量の口コミを分析する場合はPowerAutomateの様なオートメーションできるシステムを使用して短い時間で作成できるといいと思いました。
上司と実際業務を担当している方にこのレポートを見ていただいたところ以下の感想をいただきました。
・コールセンターにお客様からいただく問い合わせや不具合の対応ばかりで多くの意見に目を向けられていなかったので興味深い、顧客満足度の観点からこのような調査は定期的に行い、改善に繋げることが大切。
・すべてを実現することは難しいが、どのようなアプリを目指すか考えるための指標になる
・「アプリを立ち上げる」「決済をする」「チャージをする」ということはアプリが実現しなければならない基本的なサービスであるため、そのようなことでお客様にご不便をかけていることについては早急に改善しなければならない。
・分析するだけで終わってしまっては意味がない、ここからどう改善していくかが重要である。改善に繋げるための分析ができたらもっと良し。
感想を聞いて私は「データを分析して何をしたいのか」という目的がなかった為、結論を導き出す分析になっていないことに気づきました。担当者からすると分析で挙げられた内容は「わかってるよ」という内容ばかりだったと思います。
次回、分析を行うときは「データ分析によって成し遂げたいこと、知りたいことは何か?」を議論することろから始めたいです。