君はBlueCastを知っているか?
みなさんBlueskyは使ったことありますか?そしてBlueskyと連携するBluecastをご存じですか?BluecastはBlueskyユーザに特化した音声配信サービスです。Blueskyのなごやかな雰囲気と相まって、いま徐々に人気が高まりつつあります。
Bluecastは2024年6月現在、1人の配信者を複数人が聴取する形をとっており、遠隔地にいる複数人の配信者をうけいれることができません。そこで、P2Pの高音質低遅延の音声ストリーミングソフトのSonoBusとループバックオーディオデバイスを搭載したオーディオミキサVoiceMeeter Bananaを組み合わせて、コラボ配信のシステムを組んでみました。どちらも無料のアプリケーションです。
SonoBusとは?
SonoBusは高品質・低遅延のP2P方式のオーディオストリーミングソフトウェアで、オープンソースの無料で利用できるアプリです。Windows,macOS,Linuxだけではなく、iOS,Androidに対応しており、手軽に高音質な音声共有が可能になります。遅延が低く高音質なため、音楽セッションにもつかえそうです。Discordなどの一般的なチャットアプリとは異なり、アカウントなどの登録も不要なので利用開始がとても簡単です。
VoiceMeeter bananaとは?
VoiceMeeter Bananaは仮想オーディオインターフェイスドライバを搭載したソフトウェアミキサです。これでアプリ間の音声を接続することができます。無料で全ての機能を使うことができ、気に入ったらお金を払うドネーションウェアです。気に入ったり、30日以降も使うなら、$10から$50の間の好きな金額を払う仕組みです。プロ用となら$30以上を選んでね、といった感じのようです。
どうやってつなげるんだい?
全体の構成の概要
コラボ参加者がSonoBusを通して配信者に音声を送り、配信者が自分の声とミックスしてBlueCastに送る流れです。配信者の声はコラボ参加者にも送られますので、コラボ参加者はSonoBusの音をモニタすることで会話ができます。
音声のループを防ぐため、コラボ参加者と配信者はヘッドホンなどを利用してください。
ハードウェア構成例
こちらは一例です。 オーディオインターフェイスはご自分が所有しているものに置き換えて下さい。
UR22mk2一般的な2chのオーディオインターフェイスですが、入力とDAW(コンピュータ)とのミックスモニタリング機能を備えています。コンピュータを経由すると遅延が大きくなり喋りにくくなってしまうため、この機能があるオーディオインターフェイスがあると便利です。
VoiceMeeter bananaの設定
機能が豊富なのでなかなかとっつきにくいですが、このように設定すればだいたい使えるようになります。Stereo Input 1のA1をオンにすると自分の声をモニタできますが、どうしても遅延してしまいますので、オーディオインターフェイスにモニタミックス機能がなくてもオフで使うほうが快適かもしれません。
各アプリからの入出力
以下のような感じで設定すると、VoiceMeeter bananaと接続できます。
Windows音声出力
各アプリのデフォルトのオーディオ出力がVoicemeeter AUX Input(左から5番目のフェーダ)に入力されます。
パソコンのデスクトップの音声は、自分のモニタ・配信者・BlueCastに送信されます。BlueCastの通知音や組み込みのBGMを使う時などは、Voicemeeter AUX(左から5番目のフェーダ)の出力をA1とB1のみにすれば、自分と配信者のみ聞くことができるようになります。組み込みBGMを使う場合は音声が二重になるので、この設定が必要になります。
SonoBusの音声入出力
Voicemeeter Out B1(右から2番目のフェーダ)から出力された音が参加者に行き、参加者の声がVoicemeeter Input(左から4番目のフェーダ)に入ってきます。
Bluecast(Chrome)への音声入力
Voicemeeter Out B2(1番右のフェーダ)の音がBluecastで放送されます。通知音やBGMはWindowsの標準の音声出力を通ってVoicemeeter AUX Input(左から5番目のフェーダ)から入ってきます。
SonoBusはどうやって使うんだい?
先述のオーディオ設定をおこなったあと、SonoBusでConnectを押すことで、グループを作成することができます。グループは会議室の部屋のようなもので、ここに複数人で集まり音声を共有することができます。
グループの作成方法は以下のとおりです。PRIVATE GROUPを選び、Group Name, Password, Your Display Nameを設定します。Group Name と Password は参加者の間で共有します。「Connect to Group」を押すと開始です。
共有中の画面はこちらのようになります。Disconnectで退室(切断)できます。LevelとPanで各参加者ごとの音量とパンを調整することができます。ここで参加者のミックスが行われたのち、Voicemeeter Input(左から4番目のフェーダ)に入ってきます。
参加者にSonoBusの使い方とグループ名・パスワードを通知する。
先ほど作成して控えたGroup Name, Passwordを参加者に通知します。こちらに参加者向けの簡単な使い方を書きましたので、このURLと合わせて共有すれば、比較的簡単に参加してもらえるとおもいます。
ひとまず、こんな感じで便利に使えると思います。また気づいたことがあったらアップデートしようと思います。
Bluecastはいいぞ
Bluecastには最近Proモードも搭載され、ステレオかつハイビットレートな音声配信も可能になりました。高品質な配信を簡単に行えるため、音楽パフォーマンスなどの披露におすすめです。また、BluecastはBlueskyのアカウントが必要なため、ある程度リスナーを絞り込めるというメリットもあります。配信時のチャットも非常に便利で、これを見ながらトークを弾ませたりするのもいいかもしれません。
もしBlueskyをご利用ならば、一度Bluecastをためしてみてはいかがでしょうか?わたしもBluecastでほぼ初めてネット上での声出しをしましたが、予想以上に楽しいのではまってしまいました。音声配信をしたことがない方も、ぜひ体験してみてください。
(おまけ) ずんだもんになって配信したいのだ!
SonoBusのかわりにParavoを導入してルーティングをかえると、ずんだもんになることができます。Paravoは高性能なボイスチェンジャーで、ずんだもんの他につくよみちゃんや、小春音アミなどを無料で利用することができます。利用にはGoogleアカウントなどの登録が必要になり、2台のマシンまで導入が可能です。
自分の声を有効にするときは、Stereo Input 1のB2を有効に、ずんだもんを有効にするときは、Voicemeeter InputのMUTEを無効にすることで切り替えられます。