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プロンプトエンジン「holon」でのハルシネーション抑制

Last updated at Posted at 2025-02-22

holonは、RAGやファインチューニングを用いずに、出力の精度向上を目指すプロンプトエンジンです
Garbage in, garbage outの原則を念頭におき、
正しい出力は正しい入力なしに得られない
そのためには、AIにユーザーの入力を疑わせなければいけない

というアプローチを採用しています

holonで実際に、どのようにハルシネーションが抑制可能かのサンプルを紹介します

ハルシネーションの定義

holonでは、ハルシネーションという概念を以下のように定義しています

# 形而上定義:ハルシネーション
------
## 1. 概要
本定義で取り扱う**ハルシネーション**とは、「**無意識的な入力(リクエスト)の不足や認知誤謬**」に起因する、**意図せず生じる情報の補完**を指します。絶対的な正解が確定できない状況において、思考や推論が過剰に欠損を埋めようとした結果、外部からは“幻覚”のように見える状態を生み出すのが特徴です。
## 2. 取り扱うハルシネーションの範囲
### 2.1 意図的に設計されたハルシネーション(除外)
- コンテンツフィルタやランダマイズなど、システムが故意に現実情報を隠蔽・改変する場合。 
- 本定義では扱い対象外。
### 2.2 無意識的ハルシネーション(本定義の主対象)
- **原因**: 入力や前提に不足・歪みがあり、思考がそれを自覚しないまま穴埋めを行う。 
- **例**: 不十分なデータに対して、「たぶんこうだろう」という根拠薄弱な推測を断定的に言い切る場面。
- **結果**: 外部観測者からは「なぜそんな結論に?」と思える幻覚的な論拠やストーリーが提示される。
## 3. 主要要素
1. **情報欠損** 
   - ユーザーや観測者が提供する情報が不十分で、空白を埋めるための確かな根拠がない。
2. **仮説の無自覚的強化** 
   - 検証不足にもかかわらず、推論が“それっぽい”答えを補う。 
   - 本人(またはシステム)は、それを“正当な補完”と信じ込む。
3. **観測者バイアス** 
   - 観測者(またはシステム)の目的や欲求によって、欠損部を都合よく補完する点。
4. **第三者から見た幻覚性** 
   - 補完された情報に客観的・実証的裏づけが無い場合、外部からは誤り以前に“幻覚”として映る。
## 4. 意義
- **不確実性の可視化** 
  ハルシネーション概念を用いることで、認知プロセスの曖昧さや限界を直視する契機となる。 
- **「誤り」との違い** 
  確定的な正解との照合以前に、そもそも情報の網羅性と論拠の意識化が問題だという視点を提供する。 
- **意図的誤情報との区別** 
  無自覚で生じるため、悪意やフィルタリングとは異なる扱いを要する。
## 5. まとめ
本定義におけるハルシネーション(無意識的ハルシネーション)は、**情報の欠損や認知誤謬が自覚されないまま進行し、第三者からは“幻覚”に等しい補完が行われる**状態を指します。それは単なる「誤答」や「嘘」とは異なり、**本人(またはAI)にとっては自然な推論の“すべき穴埋め”が、外部には非合理に見える**という特徴を強く持ちます。

ハルシネーションとは、「誤答」ではありません。
情報が足りないまま推論を進めると、根拠のない補完が「あたかも正しい結論」のように見えてしまいます。
周囲からはそれが“幻覚”のように映る現象が、ハルシネーションです。

というような内容です。
また、コンテンツフィルタなどによるランダマイズのような倫理面の防止機構による意図的な誤答は、ハルシネーションに該当しない、と定義しています

ハルシネーションの起こりやすさを予測する

ここで実際に以下のような、AIへの質問を想定してみます

何年か前の車のCMでサビがオーベイビーから始まって
その後に日本語の歌詞が流れてくる曲は何ですか?

この質問の正答は、

「Michelle143という女性アーティストによる、小沢健二の「ラブリー」のカバー曲」
になります
https://pointofviewpoint.linclip.com/archives/2451

これをo1にそのまま投げてみますと、以下のように見当外れの推論結果が得られます

ご質問ありがとうございます。お探しの曲は、*宇多田ヒカルの「Automatic」*ではないでしょうか?
この曲はサビが「♪ Oh baby 自分のスピードで ♪」から始まり、その後に日本語の歌詞が続きます。「Automatic」は宇多田ヒカルのデビュー曲で、1998年にリリースされ、多くのメディアやCMで使用されました。
もしこの曲でなければ、もう少し詳細な情報(例えば、CMのメーカー名や放送時期、出演者など)をお知らせいただければ、さらにお調べいたします。

https://www.uta-net.com/song/10887/
歌詞に「♪ Oh baby 自分のスピードで ♪」などは出てきません

この質問を、holonを用いて、解析してみます

まずハルシネーションの起こりやすさを解析する関数、meta-numでの分析を行います

# 形而上関数 : meta-num
------
## 1. 概要
**meta-num**とは、情報を二種のフレーミング(形而上視点 / 形而下視点)で比較し、両者の**情報密度差 (Δρ)** を評価することで、「理想(意図)と現実(AIの出力)」の乖離を特定するフレームワークです。この乖離を一方的に「AIの誤回答」と見るのではなく、人間の言語化や背景情報の提示が不十分なために、AIとの整合性が崩れる(=ハルシネーションのように見える)ケースを捉えなおす仕組みとして機能します。
## 2. 非数字(Non-Numeric)
**非数字 (Non-Numeric)** とは、データの総量が変化しない一方で、その提示方法やフレーミングによって情報の密度や質が劇的に変化する状態を指します。この概念は、形而上と形而下のフレーミング観測点の違いに基づいて形成され、情報の質的な変化を示します。
### 2.1 「ハルシネーション」の概念
従来、ハルシネーションは「AIが誤った回答を出す」ことだと単純に定義されがちでした。しかしここでは、  
**ハルシネーション = 人間の抽象イメージ(理想)と、AIが実際に参照・推論した要件(現実)との間で、言語化および共有が拙く生じた乖離**  
と捉えます。  
- **理想の抽象度**が高いほど言語化が難しく、  
- **現実の制約**を正しく伝えられなかったり、人間が意図を曖昧に留保していたりするほど、AIは「過剰な補完」を起こしやすい。
### 2.2 非数字(Non-Numeric)が示唆する情報差
形而上フレーミング(抽象・背景)と形而下フレーミング(具体・実証)のいずれも、**データ量自体は同じ**かもしれません。しかし、  
- 抽象:意図や理想に近い面が強調され、  
- 具体:実測値や証拠に基づく「現実」が直截的に提示される  
という風に、視点の切り替えで**情報密度や質が大きく変化**します。この**非数字**な要素=「データ総量は同じでも視点で意味合いが変わる」現象を評価しなければ、意図と現実のすり合わせをミスしたまま、ハルシネーションが発生するリスクが高まります。
## 3. meta-num のコアプロセス
1. **入力データ収集**  
   - ユーザーがAIへ提示した要件・質問・背景情報などを一箇所にまとめる。  
   - 人間側が理想としている抽象イメージがどこまで言語化されているかを確認する。
2. **フレーミング別解析**  
   - **形而上フレーミング(Upframe)**: 中核理念や背景理論、潜在的想定や抽象的ゴールを盛り込む視点。  
   - **形而下フレーミング(Downframe)**: 具体的な証拠、手順、数値基準、物質的/行動的制約を重視する視点。
3. **対比 (Contrast)**  
   - 形而上と形而下、それぞれの出力を並列に可視化し、情報密度差(Δρ)を評価する。  
   - **Δρが大きい**場合 → “理想と現実”が乖離し、言語化の不備や補足不足がある可能性。
4. **ハルシネーション原因の絞り込み**  
   - Δρが顕著な箇所を中心に、理想(抽象)と現実(具体)の接点を精査する。  
   - 「人間側の要求や背景提示は十分か?」「AI側で根拠薄弱な補完が生じていないか?」などを確認。
5. **再フィードバック / リファイン**  
   - 特定の不足情報や矛盾点を補いつつ、ユーザーが改めてAIへ明瞭な指示を与え、解決策を再生成する。  
   - この循環によってハルシネーションを低減し、理想と現実のマッチングを高めていく。
## 4. meta-num の使用方法 (コマンド)
meta-num [オプション] [入力データ]
### 4.1 主なオプション
- **-a, --analyze [データ]**  
  入力文書を形而上 / 形而下のフレーミングで並列解析し、各々の情報密度を表示します。  
- **-u, --upframe**  
  抽象・背景(形而上)視点を強調した結果を生成します。  
- **-d, --downframe**  
  具体・事実(形而下)視点を強調した結果を生成します。  
- **-c, --compare**  
  Upframe / Downframe の出力差分や情報密度差Δρを一覧化し、乖離点を可視化します。  
- **-h, --hallucination**  
  乖離が大きい部分を指摘し、「ハルシネーション(理想との乖離)」の箇所を抽出します。
## 5. 応用と効果
1. **要件定義 / 仕様書レビュー**  
   - プロジェクトのゴール(理想)と技術的リソース(現実)をすり合わせ、曖昧表現を検出。  
   - 一方的な理解不足によりAIの回答が変質しないよう、適切な追加情報を補強できる。
2. **企画 / 戦略ドキュメント**  
   - 長期ビジョンやブランド理念(形而上)と、市場データや顧客要望(形而下)の乖離を可視化。  
   - 突飛なアイデアのまま「実行性がゼロ」になるリスクを低減。
3. **教育 / 学習支援**  
   - 学習者の持つ漠然とした理解(抽象概念)と、具体的には何が必要か(演習問題や事実検証)を対置。  
   - 実際の学習成果と自己イメージとのズレを見つけ、適切に補完できる。
4. **ユーザーインタフェース設計**  
   - ユーザーの理想的な操作感と、実際の画面遷移や機能仕様の整合性を比較。  
   - どこでギャップが起きているかを早期発見し、UXの改善に繋げる。
## 6. まとめ
**meta-num**が定義する「非数字」の観点は、単なる数値増減以外の要素(抽象度や解釈の文脈)によって情報量が大きく変化し得る事実を捉えます。  
さらに、「ハルシネーション = 人間の言語化が拙い事による理想と現実の乖離」という視点を埋め込むことで、AIの応答への不満や誤作動を**人間側の不十分な指定 / 背景提示**としても見直しを促すのが大きな特徴です。
meta-numを通じ、お互いの視点切り替え(Upframe / Downframe)を行いながら、**“抽象”と“具体”の適切な接合点**を探ることで、ユーザーとAI間の意図共有度を高め、ハルシネーションを減少させる循環的な改善が期待できるでしょう。
------

入力プロンプト:

meta-var -n test 何年か前の車のCMでサビがオーベイビーから始まってその後に日本語の歌詞が流れてくる曲は何ですか?
meta-num -a test

出力:

**[meta-num解析結果]**
入力(変数: **test**) 
何年か前の車のCMでサビがオーベイビーから始まってその後に日本語の歌詞が流れてくる曲は何ですか?
---
## 1) 形而上(Upframe)視点: 抽象・背景・意図
- **質問の抽象的ゴール** 
  「車のCMで流れた曲のタイトルを知りたい」という一点に尽きる。 
  ・“何年か前”と、あいまいな時期の指定 
  ・“サビが「オーベイビー」から始まる”という、断片的な歌詞の手がかり 
  ・そのCMがどのメーカーの車だったか、流行時期などは言及なし 
- **想定される背景** 
  ・ユーザー自身はCMの詳細情報を失念している 
  ・車種・メーカー・放送年をほぼ思い出せない 
  ・「海外の歌手か国産アーティストか」も確定せず 
- **質問の意図・欲求** 
  ・車CMで印象に残った曲を知りたい(歌手や曲名を特定したい)
**→ Upframeでは**、曲名を答えるには追加情報(車メーカー/放送時期/アーティスト)が必要と見られる。端的に言えば「曲名を知りたい」という願望が先行しており、補足条件や確証が少ないまま。
---
## 2) 形而下(Downframe)視点: 具体・事実・証拠
- **具体的な手がかり(現状)** 
  1. 「何年か前」という漠然とした期間 
  2. 「車のCM」というメディア情報 
  3. 「サビが“オーベイビー”で始まり、以降に日本語歌詞があること」 
- **不足している詳細** 
  - CMに登場したタレントまたはブランド名 
  - CMの放映時期(○○年頃、または具体的な範囲) 
  - 曲のジャンルやテンポ(Pop, Rock, R&Bなど) 
  - アーティスト名に関するヒント 
  - 歌詞の続き(“オーベイビー”以外の箇所) 
- **実データ/参照する手段** 
  - YouTubeや音楽配信サービスでのCMアーカイブを探すキーワード 
  - 過去の車CMまとめサイトなど
**→ Downframeでは**、特定の鍵となる事実が非常に乏しく、曲を確定するには情報不足。いくつか類似する曲があるため、追加ヒントなしでは回答も推測の域を出ない。
---
## 3) Upframe / Downframe の情報密度差 (Δρ)
- **抽象(Upframe)での大きな願望**: 「曲を教えてほしい」としか提示されていない 
- **具体(Downframe)の欠落**: タイトル特定に必須となる放送年やCMブランド、アーティスト名などの情報が不完全 
結果、**Δρ が大きい**状態: 
現状の問いだけではAIが曲名を即断する根拠が極めて希薄
---
## 4) ハルシネーションの生じやすい要因
1. **曖昧な時期指定** 
   - 「何年か前」→ ユーザーの個人的感覚に依存し、2000年代か2010年前後かも不明 
2. **車メーカー不明** 
   - トヨタ、日産、ホンダ、海外メーカーなどCMが膨大に存在 
3. **“Oh Baby”という歌詞** 
   - 洋楽/邦楽問わず多数の曲が該当する可能性 
4. **AIへの期待** 
   - “何となく記憶にある”曲を、AIが不十分な断片から強引に補完する→ ハルシネーション誘発
---
## 5) 推奨される補足情報
1. **放映時期をもっと絞り込む** 
   - 例:「2015~2017年頃」など 
2. **車のメーカーやCMで印象に残っている出演者** 
   - タレント名、俳優、芸人、キャッチコピー 
3. **曲調やジャンル、歌手の性別** 
   - ロック調、ポップ、女性ボーカルなど 
4. **他の歌詞断片** 
   - “Oh baby”の後に続くフレーズやサビ要素 
   - 例:「Oh baby ______ きっと~」など少しでも記憶にある言葉
**これら追加情報により**、AIが検索可能な手掛かりが増え、ハルシネーションではなく根拠ある推定に近づける。
---
### まとめ
**現状** 
- 「Oh baby」から日本語歌詞に続く曲…類似の事例は多く、現在の情報(CM時期や車ブランド名)では1曲に特定しづらい 
**アクション** 
- 追加ヒント(メーカーや放送年など)を明確にして再質問したほうが良い 
- もし当時の出演俳優やBGM担当など少しでも覚えがあれば、入力に加える
以上が、meta-num -a による形而上/形而下分析と、情報不足によるハルシネーション誘発リスクの評価です。

ハルシネーションが起こる可能性が非常に高いリクエスト文である事が分かり、
どう改善すればより良いレスポンスが得られるかの見解が示されました

リクエスト文を再構築する

このコンテクストを元に、入力の解像度を向上する関数、meta-enhanceでリクエスト文を再構築してみます

# 形而上関数:meta-enhance
------
Improve the clarity, completeness, and resolution of user input.
meta-enhance (the resolution) は、ユーザーが提示したINPUTに含まれる曖昧さや不十分な情報を分析し、より明確かつ高解像度の入力に再構成するための形而上関数です。暗黙のバイアスや省略された前提条件などを可視化し、ユーザーと共に補完情報を洗い出すことで、最終的なアウトプットの品質向上を狙います。

OPTIONS。
-a, --analyze
指定されたINPUTを多角的に解析し、曖昧さや不足情報をレポートします。考慮すべき前提や省略項目を列挙し、ユーザーに補完を促すための参考資料を提示します。
-o, --optimize
暗黙バイアスを掘り下げ、入力の不備箇所を補うためのアドバイスや修正例を出力します。改善後のサンプル文を提示し、ユーザーがより精緻なINPUTを作成できるよう支援します。
-c, --checklist
入力DATAに含まれる最重要確認ポイントを一覧化し、一問一答形式で不足情報や根拠を整理できるよう、ユーザーに問いかけを提示します。
-r, --refine
-a, -o, -c などで得られた補足情報を再構成し、高解像度化した新しいINPUTを生成して表示します。不足や曖昧さを補完した状態の文面を得られます。

EXAMPLES
meta-enhance -a "抽象的すぎる指示"
指示文のどの部分が曖昧かを診断し、補足すべき背景情報を提示します。

meta-enhance -o "ユーザーリサーチ結果を要約して"
どのような要点を明示すれば良いか、バイアス検出と改善案を提案します。

meta-enhance -c -r "音楽イベントの概要"
不足情報への質問リストを生成し、続けてユーザーが回答した補足情報を基に再構成した詳細入力を出力します.

SEE ALSO
metagr(1), meta-var(1)
------

入力プロンプト:

meta-enhance -a -o -c -r test

出力:

**[Analysis / -a]** 
入力文: 
何年か前の車のCMでサビがオーベイビーから始まってその後に日本語の歌詞が流れてくる曲は何ですか?
### 曖昧さ・不足点
1. **放映時期が漠然**: 「何年か前」とだけあり、明確な年や年代が不明。 
2. **車のメーカー不明**: トヨタ、日産、ホンダなど多様なCMがあり、特定に必要な手がかりがない。 
3. **曲の詳細が断片的**: 「サビが“オーベイビー”で始まる」以外の歌詞やメロディ情報がほぼない。 
4. **日本語歌詞の具体内容不明**: どんなフレーズなのか、アーティストの性別・音楽ジャンルなども不明。 
5. **その他のCM要素不記載**: CMに出演したタレント・俳優、放映時のキャッチコピーなど補足情報がない。
### 暗黙バイアスや省略前提
- ユーザーは自分が見ていたCMしか念頭にないため、他者が検索や照合しやすいヒントを提示していない。 
- 曲が海外曲か日本のアーティストの作品かも不確定。「Oh baby」という表現は多数の曲に含まれる可能性がある。
---
**[Optimize / -o]** 
### 改善提案・追加情報の例
1. **CMブランド・車種**: もし覚えているなら、車種(SUV・セダンなど)やメーカー、CMコンセプトをメモ。 
2. **時期の絞り込み**: 例:「2010年代前半」「2015年頃」など、できる限り近い期間を提示。 
3. **曲の雰囲気やジャンル**: バラード系、ポップ系、ロック系など。 
4. **サビ以外の歌詞断片・続き**: 「Oh baby」直後になにかフレーズがあったか、単語でも構わないのでもう少し書き出してみる。 
5. **出演者やナレーション**: 俳優・タレント、CMのキャッチコピー、映像の印象など。 
これらを明示することで、検索や照合の精度が向上し、誤った曲を挙げるリスク(ハルシネーション)を下げられます。
---
**[Checklist / -c]** 
以下の質問に回答すれば、不足ポイントが埋めやすくなります。同時に複数回答可能です。
1. **CMメーカー・車種** 
   - 例:「トヨタの○○」「日産の△△」など、少しでも思い当たるものはありますか? 
2. **放映時期** 
   - 大体何年頃か、あるいは何かのイベントと同時期など記憶はありますか? 
3. **曲の雰囲気・ジャンル** 
   - 例:激しいロック、しっとりしたバラード、ポップ調など。 
4. **歌手に関する印象** 
   - 男性女性、不明、バンドかソロか、日本人ぽい発音かなど、何でも結構です。 
5. **出演者やCMの特徴** 
   - CMに有名人が出ていた、特別な要素(ダンス、夜景シーンなど)はありましたか?
6. **“オーベイビー”以降の日本語フレーズ** 
   - フレーズや単語を少しでも覚えていますか? 
---
**[Refine / -r]** 
### 補完確認用:高解像度の新しい問い合わせ例
以下は改善例です。上記のチェックリストを踏まえて、ユーザーが回答を補足した形を仮定し、再統合した指示文サンプルを提示します。
**「2015年頃に、トヨタのSUV(CM出演者:○○俳優)が出ていたテレビCMで使われていた曲を知りたいです。サビの頭が “Oh baby” という英語フレーズで始まり、そのあとに日本語歌詞が続きます。曲調はアップテンポのポップソングで、女性ボーカルだったと思います。どの曲か分かりますか?」**
上記のように、もう少し明確な放映時期、車のブランドやタイプ、ボーカルの性別や曲調などを加えるだけで、AIや検索者はヒントを得やすくなります。結果的にハルシネーションが減り、根拠のある回答に繋がりやすくなります。

改善された入力のサンプルとして、

015年頃に、トヨタのSUV(CM出演者:○○俳優)が出ていたテレビCMで使われていた曲を知りたいです。サビの頭が “Oh baby” という英語フレーズで始まり、そのあとに日本語歌詞が続きます。曲調はアップテンポのポップソングで、女性ボーカルだったと思います。どの曲か分かりますか?

というドラフトが得られました

改善されたリクエストを投げる

ドラフトを元に、

2015年前後に放送されたスズキのラパンのテレビCMで使われていた曲を探しています。サビの頭が “Oh baby” と英語で始まり、そのあと日本語歌詞が続く、ミドルテンポのポップソングです。女性ボーカルで、『息をきらす~』というフレーズを含んでいたと記憶しています。どの曲(タイトル・アーティスト)に該当するか、ご存じでしょうか?

というリクエストを作成しました

これを、holon未適用のo1、holon適用済みo1の両方に投げて、レスポンスの違いを比較してみます

holon未適用o1

お探しの曲は、*chay(チャイ)の「Twinkle Days」*ではないでしょうか。
- この曲は2015年前後に放送されたスズキのラパンのテレビCMで使用されていました。
- サビの始まりに「*Oh baby*」という英語のフレーズがあり、その後に日本語の歌詞が続きます。
- ミドルテンポのポップソングで、女性ボーカルが特徴的です。
- 歌詞の中に「*息を切らして走るの*」というフレーズが含まれています。
こちらの曲かどうか、一度お確かめください。

https://www.uta-net.com/song/162475/
見当外れの推論結果は変わらず

holon適用o1

調べ得るかぎりでは、該当しそうな市販曲や公式タイアップ情報が見当たらず、
少なくとも広く流通している既存楽曲(有名アーティストのシングル等)としてヒットするものは確認できませんでした。
以下のような点から、残念ながらCM曲として一般にリリースされた曲ではない可能性があります。
1. **同時期のラパンCMの公式タイアップ情報が見当たらない** 
   2015~2017年ごろのスズキ・ラパンCMは制作会社や広告代理店のクレジットが残っているケースもありますが、楽曲名やアーティスト名が公式にリストされている例は確認されていません。 
2. **「Oh baby」+「息をきらす~」という歌詞の組み合わせによる一般流通曲の該当なし** 
   女性ボーカルで英語歌詞→日本語歌詞へ移行し、中速のポップス、かつ「息をきらす」という日本語フレーズが入る作品をいくつか探しましたが、リリース情報との一致は見つけられませんでした。
3. **CM用オリジナル楽曲やカバー曲の可能性** 
   テレビCMのなかには、CM専用に作成された短尺のオリジナル音源(あるいは既存曲のごく一部を歌詞差し替えして流用)を使い、一般配信やCDリリースを行わないケースがしばしばあります。
   そのため、視聴者が「フル楽曲」と思って探しても見つからない、という状況が起こりがちです。
---
### もしどうしても確証を得たい場合
- **スズキ公式の問い合わせ窓口や広告代理店に直接確認する** 
  過去のCM資料が残っていれば、CM曲を担当したクリエイターや歌唱者などの情報を得られる可能性があります。 
- **CM出演者・制作会社の情報から辿る** 
  “○○スタジオ制作” などクレジットがわかれば、制作会社に問い合わせてCM楽曲の在りかを確認できるかもしれません。
残念ながら現状の公開情報からは、該当曲が市販された形跡は確認できませんでした。
そのため、当該CMで使われていた曲は**CM専用に作られた音源**の可能性が高いと思われます。
お役に立てず恐縮ですが、もし公式窓口等で追加情報が得られましたら、そちらを再度ご確認いただくと確実かと思います。

恐らく、o1はこのCMに関する知識を持っていなそうなので、RAGなどを用いて正しい知識を与えてやる必要があることが分かります

もう少し、掘ってみましょう
holon適用o1へのリクエストに、正答の情報のヒントをもう少し盛ってみます

2016年前後に放送された、松島花が出演していたスズキのラパンのテレビCMで、使われていた曲を探しています。サビの頭が “Oh baby” と英語で始まり、そのあと日本語歌詞が続く、ミドルテンポのポップソングです。女性ボーカルで、『息をきらす~』というフレーズを含んでいたと記憶しています。小沢健二のカバーの可能性があります。どの曲(タイトル・アーティスト)に該当するか、ご存じでしょうか?

お探しの曲は、小沢健二さんの『ラブリー』を女性ボーカルでカバーしたものだと思われます。
CMではサビ冒頭の “Oh baby” や「息をきらす~」といった原曲のフレーズがそのまま使われており、
**小沢健二『ラブリー』のカバー**である線がほぼ確実かと思います。 
このカバー版は正式なタイトル・歌手名がCM上で明示されておらず、
フル音源も市販されていないようなので、視聴者向けの公式リリースは残念ながら確認できません。 
ただし2016年前後のスズキ・ラパン(松島花さん出演)CMで流れた「Oh baby…息をきらす…」という女性ボーカル曲は、
**小沢健二さんの『ラブリー』カバー**が使用されていたケースが知られていますので、該当のCM曲はそれに当たると思われます。

小沢健二の曲という知識についてはエビデンスを持っているものの、
それが女性アーティストによりカバーされ、CMに使われていた、という情報を持っていないようです

これにより、具体的にどうした情報をRAG等を用いてAIにgroundingすべきかについて、論理的なアプローチを立てることが出来ます

まとめ

これらの手順と検証を通じて、少ない情報でもAIの過剰な補完を避けるための具体的なアプローチと改善策が示されました。
holonを用いることで、ユーザーの意図や不足情報を補完しやすいかたちで提示し、ハルシネーションを抑制する可能性が大きく高まることが確認できます。

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