はじめに
書籍『見えにくい、読みにくい「困った!」を解決するデザイン』を読みました。
概要
これは6人の登場人物による、それぞれの状況による困った事例を踏まえて説明されています。
目次
- Chapter1 みんなのデザイン
- Chapter2 色で困った!
- Chapter3 文字で困った!
- Chapter4 ことばで困った!
- Chapter5 図解で困った!
- Chapter6 UIで困った!
- Chapter7 おさらい
気づきと感想
色について
いわゆる「色弱」と一言で言ってもさらに細分化して見え方が人によって違いがあります。
こういったテストを受けた事がある方は多くいらっしゃると思います。
色弱にもC型、P型、D型、T型、A型と細分化され、それぞれ見え方が違います。
人間の目の網膜にある3種類の錐体(光を受ける視細胞)の一部または全てが無い、あるいは分光感度がずれているために、3種類の錐体が揃っている人とは異なった色の見え方がする。
P型:赤い光を主に感じる錐体が無い、あるいは分光感度がずれている。
D型:緑の光を主に感じる錐体が無い、あるいは分光感度がずれている。
P型とD型は見え方が似ており、赤近辺の色と緑近辺の色の識別が困難。
色弱者のほとんどがこれらのどちらかのタイプである。
T型:青い光を主に感じる錐体が無いため、青色付近の識別が困難
A型:3種類の錐体のうち1種類しか持たない、または全てが無いため、色を明暗でしか感じることができない。
T型とA型は、極めて該当者が少ない。
国際ユニバーサル協議会【色覚】色弱(A型)より
そういった方々への具体的な取り組みとしてはコントラスト比などのチェックや、色とともに補足の情報を追加するというやり方があります。
文字について
文字の読みやすさには、視認性、判読性、可読性の3つの軸があり、文字サイズや行間、行の長さなどで文章は読みやすくなります。
あまり装飾した文字を使用したり、文章は文字間隔が詰まりすぎてると可読性が悪くなるので、日本語においては文字サイズの50%~100%を目安に行間を設定すると良いとのことです。
あと、ディスレクシアという学習障害を抱えた方も日本には7~8%いるとは言われていて、UDフォントというフォントだとディスレクシアの方でも比較的読みやすいフォントいわれています。
Windowsだと標準に備わっているそうです。
言葉について
構造が明快なら、知りたいことに素早くたどり着けます。
冗長さを省けば、伝えたいことがストレートに伝わります。
わりやすく組み立てられた言葉は翻訳しやすく、音声入力や機械翻訳などテクノロジーとの組み合わせにも効果が期待できます。
言葉に向き合うことは、発信者と受け手のコミュニケーションを円滑にするデザインにつながっているのです。
見えにくい、読みにくい「困った!」を解決するデザイン「ことばの壁を知る」より
確かに冗長で難しい言葉を使われた文章を読むと、理解しづらかったり、そもそも難しい言葉の意味を知らなかったりすることが多々あります。
そこで本でも紹介されている「伝えるウェブ」というサイトはAIによって難しい文章をやさしくしてくれるというサービスを使って、WCAGのサイトの一部をやさしくしてみました(あえて小難しく書かれている文章を選びました)
達成基準 1.4.8 視覚的提示の注記2の原文
言語の中には、書記体系において、可読性及び視認性を向上させるために用いる提示の概念が異なるものもある。ある書記体系でこの達成基準における提示の概念が用いられていない場合、その書記体系のコンテンツは、その提示の設定を用いる必要はなく、その提示の設定なしでも適合できる。コンテンツ制作者は、可読性及び視認性を向上させるために、言語の書記体系のガイドラインに従うことが推奨される。
AI変換後↓
言語の中には、書記体系において、読みやすさと 見やすさを よくするために つかう 提示(示しめすこと)の 考えが ちがうものも あります。ある 書記体系で この 満たす条件の 提示(示しめすこと)の 考えが つかわれていないとき、その 書記体系の コンテンツは、その 提示(示しめすこと)の 設定を つかう 必要はなく、その 提示(示しめすこと)の 設定 なしでも 一致 できます。コンテンツを 作る人は、読みやすさと 見やすさを よくするために、言語の 書記体系の手てびきを まもることが すすめられます。
変換後の漢字にはルビも振られてましたが、そこは削除しました。
何かとても読みやすくなった感がありますね。
こういったものはデザインを学んだ人ならすでに理解している内容なのかもしれませんが、私にはとても学びになりました。
書籍の末尾にも参考にした文献が記載されていたので、また折を見て読んでみたいと思います。
参考