はじめに
基本的には、Office と Visio/Project は共存可能です。
しかし Office 2019 以降に導入されているクイック実行 (C2R) 形式においては、気を付けるポイントがあります。
前提
企業向けの製品 (Microsoft 365、ボリュームライセンス版の製品) について投稿します。
Office と Visio/Project の共存の前提
まず、Office 2016 MSI 形式です。
Office 2019 以降は C2R 形式です。
これらインストール形式が異なるものは、Office と Visio/Project であろうとも共存することはできません。
また C2R においては、更新チャネルと呼ばれるものをそろえる必要があります。
更新チャネルは、ボリューム ライセンス版の Office は、バージョンごとにユニークなものとなっています。
Visio/Project は、単体でインストールする場合、Office 同様、バージョンごとにユニークなものとなっていますが、共存する Office に応じて、更新チャネルを変更することが可能です。
具体的に、どの組み合わせなら共存できるのか?
言葉でずらずら書いていてもわかりにくいので、表にまとめてみました。
Visio/Project LTSC 2021 | Visio/Project 2019 | Visio/Project 2016 | ||
---|---|---|---|---|
Microsoft 365 Apps | Current | 〇 | 〇 | △ |
Montly | 〇 | 〇 | △ | |
SemiAnnual | 〇 | 〇 | △ | |
Office LTSC 2021 | PerpetualVL2021 | 〇 | 〇 | △ |
Office 2019 | PerpetualVL2019 | × | 〇 | △ |
Ofice 2016 | (MSI) | × | × | 〇 |
※ △について
Visio/Project 2016 は、通常は MSI 形式でインストールします。
ただし、C2R 形式 の Office と組み合わせる場合、Office 展開ツール (ODT) を使用した C2R 形式でインストールする必要があります。
上記の通り、Office のバージョンと Visio/Project のバージョンは、同じまたは Office のほうが大きいバージョンの場合、共存可能です。
Microsoft 365 Apps と Visio/Project 2019 を共存インストールする場合
Microsoft 365 Apps はバージョン 1808 以上を使用している必要があります。
Microsoft 365 Apps と Visio/Project LTSC 2021 を共存インストールする場合
Microsoft 365 Apps はバージョン 2108 以上を使用している必要があります。
XML の例
Visio/Project を ODT で共存インストールするときの XML ファイルの例です。
Microsoft 365 Apps の半期チャネル 64 ビットの環境に、Visio Professional 2019 をインストールする例です。
<Configuration>
<Add OfficeClientEdition="64" Channel="SemiAnnual">
<Product ID="VisioPro2019Volume" PIDKEY="9BGNQ-K37YR-RQHF2-38RQ3-7VCBB">
<Language ID="ja-jp" />
</Product>
</Add>
</Configuration>
PIDKEY についての説明は、この記事では割愛します。
製品と認証方式によって変わります。
今回は公開されている KMS 認証のキーを記述しました。
参考までに、KMS 認証のキーは以下の通りです。
Product | ID | PIDKEY |
---|---|---|
Visio Standard 2019 | VisioStd2019Volume | 7TQNQ-K3YQQ-3PFH7-CCPPM-X4VQ2 |
Visio Professional 2019 | VisioPro2019Volume | 9BGNQ-K37YR-RQHF2-38RQ3-7VCBB |
Project Standard 2019 | ProjectStd2019Volume | C4F7P-NCP8C-6CQPT-MQHV9-JXD2M |
Project Professional 2019 | ProjectPro2019Volume | B4NPR-3FKK7-T2MBV-FRQ4W-PKD2B |
Visio Standard 2021 | VisioStd2021Volume | MJVNY-BYWPY-CWV6J-2RKRT-4M8QG |
Visio Professional 2021 | VisioPro2021Volume | KNH8D-FGHT4-T8RK3-CTDYJ-K2HT4 |
Project Standard 2021 | ProjectStd2021Volume | J2JDC-NJCYY-9RGQ4-YXWMH-T3D4T |
Project Professional 2021 | ProjectPro2021Volume | FTNWT-C6WBT-8HMGF-K9PRX-QV9H8 |
Visio/Project 2016 の場合
Visio/Project 2016 は、通常は MSI 形式でインストールします。
ですが、C2R 形式の Office と共存する場合、ODT を使用して C2R 形式でインストールすることができます。
この場合、XML で指定する ID は以下を指定します。
PIDKEY は上記と同じく、公開されている KMS 認証のキーです。
Product | ID | PIDKEY |
---|---|---|
Project Standard 2016 | ProjectStdXVolume | D8NRQ-JTYM3-7J2DX-646CT-6836M |
Project Professional 2016 | ProjectProXVolume | WGT24-HCNMF-FQ7XH-6M8K7-DRTW9 |
Visio Standard 2016 | VisioStdXVolume | NY48V-PPYYH-3F4PX-XJRKJ-W4423 |
Visio Professional 2016 | VisioProXVolume | 69WXN-MBYV6-22PQG-3WGHK-RM6XC |
PIDKEY は、MSI 形式でインストールするときの キーとは異なります。
以下は、Microsoft 365 Apps の半期チャネル 64 ビットの環境に、Visio Professional 2016 をインストールする例です。
<Configuration>
<Add OfficeClientEdition="64" Channel="SemiAnnual">
<Product ID="VisioProXVolume" PIDKEY="69WXN-MBYV6-22PQG-3WGHK-RM6XC">
<Language ID="ja-jp" />
</Product>
</Add>
</Configuration>
参考リンク
・同じコンピューターに異なるバージョンの Office、Project、Visio をインストールするためのサポートされているシナリオ
・KMS および Active Directory ベースの Office、Project、Visio のライセンス認証用の GVLK
・Office 展開ツールを使用して、Project 2016 と Visio 2016 のボリューム ライセンス版をインストールする