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Python でデータ処理 - 併買パターン上位5種類の組み合わせを抽出 -

Last updated at Posted at 2021-10-03

はじめに

SPSSで行うデータ処理を、Pythonで実装するとどうなるのか、試してみました。

(2021-11-01追記)
この記事は、SPSSに関するリレーブログ Modelerデータ加工Tips#21-併買パターン上位5種類の組み合わせを抽出すると関連があります。リンク先の記事も合わせてお読みいただけると幸いです。

問題設定

下記のような形式のデータが1000件あります。

スクリーンショット 2021-10-03 15.16.41.png

実データのリンクはこちら

 このデータに対して次の2つの例題を解くことがこの記事の目的です。

例題1:「併買パターンを集計する」

 すでに顧客毎にカテゴリ購買有無を示すテーブルができている前提で、カテゴリの併買を集計してください。

 こんな結果を出すことが目的です。
スクリーンショット 2021-10-03 15.22.24.png

例題2: 「併買パターン上位5つのどれかに該当したレコードを抽出する」

 例題1の結果、冷凍肉と缶詰野菜を併買するパターンが最多で、173名でした(例題1の表を参照)。同じように同時に購入されるパターン上位5位を見つけ、そのどれかに該当するレコードを抽出しなさい。

 この例題では、次のような結果を出すことが目的になります。

スクリーンショット 2021-10-03 15.24.16.png

解答

 それでは、実際に解いてみます。

共通事前処理

 まず、csvデータをデータフレームdfに読み込みます。次に、Pythonで処理がしやすいように、'T', 'F'の値をTrue/Falseに置き換えたデータを df2 とします。

ライブラリインポートなど

NumPyや Pandasなどのライブラリをインポートします。

# 必要ライブラリのimport
import pandas as pd
import numpy as np

# データフレーム表示用関数
from IPython.display import display

# データフレームですべての項目を表示
pd.set_option("display.max_columns",None)

CSVデータ読み込み

  github上の csvデータをデータフレーム変数df に読み込みます。
ここで少し工夫している点として、csvの項目のうち、ID列はデータ処理で使わないことがわかっているので、最初からインデックスとして読み込んでいる点です。

# データ読み込み
url = 'https://raw.githubusercontent.com/yoichiro0903n/blue/main/sampledatacross2.csv'
df = pd.read_csv(url, index_col='ID')

display(df.head())

 次のような結果になるはずです。

スクリーンショット 2021-10-03 15.30.39.png

データ整形

 このままではデータ処理がやりにくいので、'T' -> True, 'F' -> Falseへの置き換えをし、置き換え後の変数と df2とします。

# 'T'-> True, 'F'-> Falseに変換
df2 = df.replace({'T': True, 'F': False})

# 結果確認
display(df2.head())

 次のような結果になります。

スクリーンショット 2021-10-03 15.32.40.png

解答1

 それでは、例題1を解いてみます。

変数初期設定

 最初に、項目名リストをIに、項目数を N に、集計用のデータフレームを Sとしてそれぞれ設定します。

#  項目のリスト
I = df2.columns

# 項目数
N = len(I)

# 結果表の初期設定
S = pd.DataFrame(np.zeros((N, N)), 
    columns=I, index=I, dtype='int64')

カウントアップ

 カウントアップは3重のループ処理になります。
df2の各行要素を取り出した後、要素がTrueの項目のみlistとして抽出して、結果をx1とします。
項目数が2以上の場合のみ、項目ペア生成の処理に入ります。この処理自体、2重ループにする必要があります。

# 3重ループで該当要素値をカウントアップ
for i in df2.values:
    # 要素がTrueの項目のみ抽出
    x1 = I[i].tolist()
    
    # 要素数が1以下の場合は何もしない
    if len(x1) <= 1:
        continue
    
    # 項目ペアの生成
    for x2 in x1:
        x3 = x1.copy()
        x3.remove(x2)
    
        # x3は更に各要素に分解
        for x4 in x3:
        
        # DataFrameの該当要素値をカウントアップ
            S.loc[x2, x4] += 1
        
# 結果確認
display(S)

最後のdisplay関数の結果は以下のようになります。

スクリーンショット 2021-10-03 15.34.57.png

解答2

 次に例題2を解いてみます。例題2は、「項目ペアの抽出」を行う第1ステップと、「該当データの抽出」を行う第2ステップに分けて実装します。

関数定義

 最初に第1ステップ実装の準備として関数定義をします。
第1ステップは、例題1で求めた集計表を1次元化し、 argsort関数を使うことで実装しうます。ここで定義する関数は、1次元化されたindexを元の行、列の2次元に戻し、更に大該当する項目のペアを求めるためのものです。

# 1次元化したインデックスを2次元に戻し
# 該当項目名をタプルで戻す関数

def getitem(x, I):
    N = len(I)
    x1, x2 = (x % N), (x // N)
    return(I[x1], I[x2])

項目ペアのリスト作成

 次が、項目ペアのリスト作成処理です。この処理は、「項目値の1次元化」、「上位5個のインデックス値取得」、「getitem関数を使って項目名ペアのリスト作成」の3ステップからなります。
 2つめのステップのnp.argsort(-w1)[:10:2]がちょっとややこしいことをしています。
-w1 としているのは、逆順ソートをするため
[:10:2]は、結果の先頭10個を一つおきに取得
という意味になります。

# 上位5個の項目ペアを取得

# 結果リスト初期化
cols_list = []

# 行列の項目値を抜き出し1次元化
w1 = S.values.reshape(-1)

# 上位5個のインデックス値取得
w2 = np.argsort(-w1)[:10:2]

# getitem関数を使って項目名ペアのリスト作成
for i in w2:
    x, y = getitem(i, I)
    cols_list.append([x, y])

# 結果確認
for cols in cols_list:
    print(cols)

結果

スクリーンショット 2021-10-03 15.44.14.png

該当データの抽出

 次に、オリジナルデータであるdfから該当データ行を抽出します。
最初に空のデータフレーム変数target_df を準備し、該当列が見つかると、順にappend関数で、このデータフレーム変数に追加していきます。
 該当であるかどうかの判断は、5つの対象項目ペアと、行単位で抽出した項目リストのそれぞれを集合変数に変換し、 <= 演算子で含まれているかどうかの判定をしました。最後の3行は、Pythonの2重ループで、最初のループに対して continueをかけたいときに使われるテクニックになります。

# 空のデータフレーム作成
target_df = pd.DataFrame()

# 先頭行から順にループ処理
for i in range(len(df2)):
    
    # 要素がTrueの項目のみ抽出
    item = df2.iloc[i]
    
    # 抽出結果を集合化
    x1 = set(I[item.values].tolist())
    for j in cols_list:
        
        # cols_listの各要素も集合化
        x2 = set(j)
        
        # 集合同士の比較で条件を満たしているかチェック
        if x2 <= x1:
            target_df = target_df.append(df.iloc[i])
            break
        # 以下の実装は2重ループで最初のループにcontinueをかけるためのテクニック
        else:
            continue

 最終的に下記のような結果が得られ、目的を達することができました。

# 結果確認
display(target_df.head(6))

# 結果件数確認
count = len(target_df)
print(f'結果件数: {count}')

スクリーンショット 2021-10-03 15.46.23.png

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