はじめに
先日、Xserver SNSというサービスがリリースされました。
知識の無い方でも簡単にMisskeyやMastdonのサーバーを構築できることを謳い文句に、サーバーの構築と保守を代行してくれるサービスです。
この記事では、Xserver SNSについての思うところをあることないこと書いていこうかと思います。
わるいところ
スペックの割に割高
スタータープラン(3core, 2.9GB, 200GB)の価格は2,410円ですが、これだけの金額を払えばもう少し立派なスペックのVPSを借りることができます。
ちなみに、Xserver VPSではその半値で似たようなスペックのVMを借りることができます。
サポート周りを丸投げできるとしてもどこか割高で勿体ない気がします。
ちなみにディスク容量は200GBしかなく(追加はできますが)、リレーに参加したり連合先が増えたりしてくると、すぐに足りなくなってしまいそうです。
50GB追加するごとに495円かかるようです。
バックアップができない
バックアップ機能がありません。
自動バックアップ機能はありますか?
いいえ、自動バックアップ機能はありません。
万が一の障害に備えバックアップはしていますが、データを確実に保全し、保証するものではありません。
だそうです。
別サーバーからの移管とその逆ができればまだよかったものの、それもできないようです。うーーーん。
R18コンテンツが扱えない
悪い点であるかどうかは微妙ですが、R18コンテンツが扱えません。
国内の事業者だと概ねR18コンテンツは扱えないのでどこでも一緒な気がしますが、一応。
コミュニティを苦しめるだけなのでは
結局のところ、知識のない管理者がのさばると苦しむのはコミュニティ全体ではないでしょうか。
知識のない管理者らは、技術的な問題やトラブルに適切に対処することができず、連合先にも迷惑をかけることがあるかもしれません。
スパム缶画像スパムの台頭は記憶に新しいですが、サーバーの立ち上げすらできない方々がまともに対応できるとは到底思えません。
いいところ
悪いところばかりを言っても仕方がないのでいいところを。
メンテナンスコスト低い
丸投げできるのでメンテナンスコストは低いです。
Node.jsのバージョンアップをミスって鯖落ち~みたいなことは起きません。
いいですね。
企業が運営している
結局、利用するメリットでこれが一番大きいのではないでしょうか。
個人でホスティングをやられてる方もいらっしゃいますが、結局個人によるものなので法人のそれと比べると見劣りします。
おわりに
私自身、あまりこのサービスに対してあまり肯定的な意見を持っていません。
Fediverse自体、ある種の善意によって治安が保たれている側面もあり、サーバーを建てるためのハードルはよからぬ影響を与える物々へのいい障壁にもなっていたと考えています。
スタートアップスクリプトも然り、この手の「簡単に始められます!」系のサービスは、技術的なハードルを下げる一方で、責任感の無い管理者を増やす可能性があります。
短期的に見れば、多くの人が簡単にサーバーを立ち上げられることによって、Fediverseは一時的に活性化するかもしれません。
しかし、長期的には、管理者の知識不足やサポートの不足によって、Fediverse全体としてのコミュニティが苦しむ結末もあり得るのではないでしょうか。
それでは。
追記
追記です。
最近、xsnsでは一か月無料キャンペーンをやっていたようです。
それだけならいいんです。それだけなら。
無料キャンペーン後に次々と閉鎖されるサーバーを見ると、管理者の無責任な運用が浮き彫りになっているように感じます。
問題なのは、ただ閉鎖するだけでなく、410 Goneを返さない点です。これはFediverse全体にとって致命的なマナー違反とも言えます。
Fediverseの基本的な理念は、連合型ネットワークにおける互助と調和にあります。しかし、410を返さず突然消えるサーバーは、他の多くのサーバー迷惑をかけることになります。
また、この問題の根本には、Xserver SNSが管理者の技術的責任感を軽視している点があるのではないでしょうか。サービスが簡易的であるがゆえに、運用に必要な基本的な知識や責任感を持たない人々が安易に参加してしまいます。
結局その程度だったんですね。
AS単位でブロックしてやろうかとまで思いましたが、踏みとどまりました。