はじめに
Power Automate for desktop を利用していると Edge や Chrome の拡張機能の設定で Microsoft Power Automate (レガシ) というビックリアイコン付きの拡張機能を見かけるようになりました。
こちらをクリックすると以下のようなサポートに関するメッセージが表示されます。
この記事では、Power Automate (レガシ) とこのメッセージ内容について解説を行います。
結論
はじめに、結論として Microsoft Power Automate (レガシ) とは、PAD の Ver.2.26 以前で使用されるブラウザー拡張機能です。つまり、従来から利用していた拡張機能の名前に (レガシ) の文字が付きました。
そして、Ver.2.27 (2022年12月リリース) 以降で使用する拡張機能として、Microsoft Power Automate がリリースされています。
現時点では Power Automate に関する 2 つの拡張機能が提供されていることになり、また、利用している PAD のバージョンに応じてどちらを利用しているかを意識する必要があります。
現在利用している PAD のバージョン情報は、フロー コンソールの [ヘルプ] から確認することができます。
それぞれの拡張機能は以下のリンクからダウンロードすることができます。
ブラウザー | Microsoft Power Automate | Microsoft Power Automate (レガシ) |
---|---|---|
Edge | リンク | リンク |
Chrome | リンク | リンク |
背景
なぜ、2 つの拡張機能が存在するのか、従来の拡張機能に (レガシ) の文字が付いたのかについて説明します。
従来の Power Automate 拡張機能は、Chrome および Edge の拡張機能で使用される Manifest V2 という定義ファイルをもとに構成されていました。
今後、この Manifest V2 から、よりセキュアな Manifest V3 への移行が行われています。また、Manifest V2 は非推奨となります。
これを受けて PAD の拡張機能についても Manifest V3 に対応した拡張機能がリリースされました。
今後の新しいバージョンの PAD は、Manifest V3 に対応した拡張機能を利用することになるため、こちらの拡張機能の名称が Microsoft Power Automate となりました。
一方、従来のバージョンの PAD では引き続き Manifest V2 に対応した拡張機能を利用することになり、こちらの名称が Microsoft Power Automate (レガシ) になりました。
必要になる対応について
ユーザー観点では、月次の PAD のアップデートを常に適用しているユーザーは、特に意識することなく Manifest V3 に対応した拡張機能である Microsoft Power Automate を利用することになりますが、アップデートを抑止しているユーザーは引き続き Manifest V2 の Microsoft Power Automate (レガシ) を利用している状況になります。この 2 つの拡張機能の利用に関して今後必要となる対応をまとめます。
PAD の Ver.2.26 以前 (Microsoft Power Automate (レガシ)) を利用している場合
基本的には 2023 年 5 月までに PAD をバージョン 2.27 以上にアップデートして、レガシが付かない Microsoft Power Automate 拡張を使用する必要があります。
このスケジュールは、Manifest V2 の非推奨化のタイムラインに沿って上記が設定されていますが、2022/12/30 時点で非推奨スケジュールは確定していない状況です。以下のリンクには、Chrome のタイムラインが記載されていますが、Chromium エンジンを使用している Edge もそれに沿ってスケジュールが設定される予定です。
ただし Microsoft Power Automate (レガシ) は 2023 年 5 月にリタイアが決定しているため、できるだけ早めに検証してアップデートされることが推奨されると思います。
PAD の Ver.2.27 以降 (Microsoft Power Automate) を利用している場合
特に対応は必要ありません。Microsoft Power Automate (レガシ) は今後使用しないため削除や無効化しても問題ないはずです。
なお、Manifest V3 に対応したことで一部の機能が従来の拡張との変更があります。
現時点では、[Web ページで JavaScript 関数を実行する] アクションが、ブラウザーの開発者ツールのデバッガー機能を使用して機能しています。
そのため、会社の方針でグループポリシーなどにより開発者ツールの利用が制御されている場合は、本アクションの利用に影響が生じることが想定されます。
なお、[Web ページで JavaScript 関数を実行する] アクションの実行時は以下の画面のようにメッセージが表示されます。
参考情報
Manifest V3 に対応した Microsoft Power Automate 拡張機能の提供のタイミングで、拡張機能に関するエラーが発生しているといった声を多く見るようになりました。
以下の記事で拡張機能の接続エラーに関するトラブルシューティングをまとめてみましたので、参考になれば幸いです。