モノづくり大好きで家に3Dプリンタを持っています。コロナの感染拡大に伴って、世界中でフェイスシールドがモノづくり好きな人たちによって作られ、医療現場を助けているニュースを目にするようになりましたので、フェイスシールドについて調べてみることにしました。
1. 調べるきっかけはシアトルのコミュニティ活動
私の3Dプリンタ師匠がシアトル在住。シアトルはアメリカでは早くにコロナ感染が確認されて死者も確認されてからのコミュニティの結束はとてもはやかったです。師匠が、以下のコミュニティへ参加したことが共有されました。
この活動は、フェイスシールドを病院へ提供するために行われ、募金とボランティアを募っています。ボランティアスタッフは、実際に3Dプリンタを使って印刷したり、裁縫したりして自分のできることで活動をします。師匠に実際に聞いたところ、3Dプリンタで印刷すると、印刷した部品をボランティアが車で収集にくるそうです。その後、各部品がとある場所に集められ、組み立てられ、消毒され、必要な医療現場に届けられる、ということです。募金で集まったお金は、原材料費などに充てられ、開始2週間で1400個のシールドを提供したそう。やっぱり、こういうところすげえ、アメリカ。(同じことは難しいかもしれないけど、コミュニティの作り方とか、分業とか参考になるかも。)
2. フェイスシールドの種類(海外編)
Prusa フェイスシールド
私が持っている3D プリンタは、Prusa というメーカーのものです。この会社を作ったPrusaさんは、超天才で3D プリンタを3Dプリンタで作って売る、という画期的なビジネスモデルで産業革命を起こしています。そして、コロナウイルスがニュースになった初期のころから、フェイスシールドのモデルファイルを無料で提供しました。世界で作られているフェイスシールドはここからの派生が多いです。
派生例:
アメリカ国立衛生研究所:Prusa版が改造されてるバージョン。上からも守るようになっています
https://3dprint.nih.gov/discover/3dpx-013359
Budmen フェイスシールド
https://budmen.com/
こちらも3Dプリンタメーカーのページから提供。シンプルなで上からの飛沫にも対応しています。このサイトでは、欲しい人と作りたい人のマッチングも行っています。(一応登録してみたけど連絡あるかな...)
#3DVFaceShield
https://3dverkstan.se/protective-visor/
スウェーデンの3Dプリンタソリューション会社が無償で提供を始めたモデル。シンプルなので印刷部分がすくなく短時間で印刷できるのが人気。最初に書いた師匠のシアトルのコミュニティもこちらのモデルを利用しています。
3. フェイスシールドの種類(日本編)
日本もいろいろがんばってます!しらべたいくつかのモデルを書いておきます。
ENGINE フェイスシールド
http://www.project-engine.org/
大阪大学とメガネフレームメーカーのシャルマンが共同開発したもの。フェイスシールドを頭に止める部品が別途いらないところに、メガネフレームメーカーのアイデアが光っています。また、A4のクリアファイルを開いて使う、という形がユニーク。かっこよくはないけど、アイデアがとんがってます。
神大 フェイスシールド
https://www.kanagawa-u.ac.jp/news/details_20062.html
神奈川大学の准教授が3Dプリンタと輪ゴムなどの身近な道具で作れるように設計したモデルです。Githubにとても丁寧な日本語の解説があります。日本で手に入りやすいツールで、シンプルな設計です。
日本でもフェイスシールドのニュースを目にすることが増えましたが、企業が作って提供する、というものが多いです。モデルを無料公開するのでみんな使ってね!というものは少ないかな...という印象。
4. 作成する上での注意点
実際に医療現場にフェイスシールドを提供している師匠から聞いた作成上の注意点。フェイスシールドは、アルコール消毒をする、ということを前提に素材をえらぶこと。例えば、フィラメントはPLAではくABSやPETGなどを使う、プラスチック板もアクリルやビニルを使うなど。素材についても作る前に調べます。アルコールに強い素材を!
5. さいごに
フェイスシールドについての情報をまとめました。なんで調べたかというと、それはもちろん作るから。ひとまず、これらのモデルを実際に作成したいと思います。この情報が、役立つような危機的な状態にならないといい、と願いつつ、できることはやっておきたい、と思っています。