4
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

人数半減の中で総開発量UPを実現させた秘訣 by エイチームコマーステックAdvent Calendar 2023

Day 20

それって本当に必要ですか?組織に合わなくなった仕組みを捨てよう!

Last updated at Posted at 2023-12-19

人数半減の中で総開発量UPを実現させた秘訣 by エイチームコマーステック Advent Calendar 2023

9記事目は、エイチームコマーステック フロントエンドエンジニア 中村(@machumun) が担当させていただきます!

前回記事は開発において大事にしている事でした。

今回は、その大事にしている考えを踏まえた結果生じた
組織内での仕組みの削減について記載していきます。

ぜひ最後まで読んでいただけますと嬉しいです。

仕組みを削減した理由

カレンダーのタイトルにもある通りですが、
本組織では人数が半減しています。

人数が半減する前の仕組みは当時の人数や組織体制を理由に設けられたものである事が多く、それをそのまま続けてしまうとビジネスで利益を出すためのコードを書く有効的な時間も減ってしまいます。

また当然ながら、各種分野のスペシャリストも減ってしまったために組織が保有している専門性の範囲も狭まってしまいました。

以上の問題から、とてもではないですが人が多かった頃の全ての仕組みの運用を維持する事は現実的ではありませんでした。

そこでチーム内では過去に用いられていた仕組みの見直しやこれから作ろうとしている仕組みの取捨選択を行いました。

諦めた仕組みの具体例

StoryBook

StoryBookとは

いわば共通のデザイン部品のカタログのようなもので、
複数デザイナー間でのコミュニケーションを円滑にするために用いられる事が多いです。

デザインの修正時に、デザインのマスターデータの修正とは別にStoryBookの修正も欠かさず必要になるという、管理に少し手間がかかる代物です。

弊社ではデザイナーの輪にエンジニアを加えて、複数人・複数職種間でStoryBookを利用していました。

人数半減後はデザイナーが少数になったことに加えて、人数が減ったため職種間でのコミュニケーションが取りやすく変化しました。

端的に言うと、
「人数半減後はStoryBookの管理工数が、コミュニュケーションコスト削減のメリットを上回っている」
という判断に至ったため、機能削除をして今後運用をしない事となりました。

BigQuery

BigQueryとは

主にデータ分析に用いられており、大容量のデータを素早く集計できるデータベースです。

以前の組織では、通常のRDBからBigQueryに転送したうえでデータ分析を行っており、それによってどんな重い集計でも十数秒で完了させることができました。

人数半減によってデータ基盤を作っていたメンバーがいなくなってしまい、
データ基盤のメンテを既存メンバーが引き継いで、、、ということも不可能ではありませんでしたが、それには多くの工数が必要でした。

ですので、RDBに保管されているデータをBigQueryに転送することを諦めました。

幸いにもBigQueryが必須になるほど蓄積データ量が多くなかったことに加えてGoogleAnalyticsも併用していたため業務上で大きな支障はなく、
また、BigQueryとRDSの同期が必要になってもその時にまた転送すれば問題はなかったため、運用を一旦停止をすることとしました。

カナリアリリース

こちらはやろうとしていたがやらなかった事になります。

カナリアリリースとは

アプリやソフトウェアの新バージョンを一部の方だけに公開し、未知の不具合があった場合のリスクを軽減しながら本番環境でのテストが行える仕組みのことです。

カナリアリリースは、低リスクにReactなどの根幹ライブラリのアップデートを行うためにチーム内で導入する仕組みの候補として上がった案でした。

元々少人数化でアップデートに失敗した場合のリスク大きいという事でエンジニアチーム内で持ち上げられたカナリアリリースでしたが
当時のインフラ有識者の異動で、組織内の人間だけでの機能実装に時間がかかりすぎることが予想されました。

加えて、
レビュー〜リリース期間半減!細かい指摘を不要にしよう!で記載したlint、

検証工数激減の立役者:ノーコードE2Eテストを導入してみたで記載したE2E

によって、ある程度リリースの品質が担保されているため、

「インフラレイヤーを触るための勉強をする時間」「バージョンアップでの不具合の可能性とその際の損失」を天秤にかけた結果、カナリアリリースは諦めることとなりました。

結論

大人数組織と少人数組織では有効な策は違う

少人数組織と大人数組織との違いとして

  • カバーできる技術領域の範囲
  • コミュニケーションコスト

があると考えています。

組織が少人数になった場合、
他の方の技術領域をそのままカバーしようとすると場合によっては膨大な時間がかかってしまいます。

また、大人数では効率的な仕事のためのコミュニケーション整理に大きなコストがかかってしまいますが、
少人数組織では各人の距離感の近さからそれほどコストかからなくなります。

  • 大規模組織では、コミュニケーションコストの削減に聞いてたツールが小規模組織では威力を発揮しなくなった
  • 専門の人がいる組織では便利なツールであったが、いなくなったら運用コストのほうが大きくなった

など、
組織の変化によって有意義だったものが足をひっぱる存在になる可能性を秘めているため、人員が変わった際は利用されている仕組みにはどんな変化があるのかにも目を光らせておきたいです。

組織が変化するごとに仕組みを精査し、ベストな状態を探る事が大事

昨今、組織体制が変化しても見直しを面倒くさがって昔の仕組み使ったままになってしまっているという事をよく聞きます。

ですが、現状の組織に合っていない仕組みの見直しが早ければ早いほど後々のコスト減につながるといった認識をチーム内で持つことが大切です。
そしてその認識を元に、実際に取捨選択をするという所までチーム全体が協力的に動けると理想なのではないでしょうか。

さいごに

次回カレンダーのテーマは、

効率化の終わり。新たな章の始まり。

です!

本アドベントカレンダーも残す所あと2記事となり、いよいよ佳境にさしかかりました!

もしご興味があれば、エイチームコマーステック Advent Calendar 2023をご購読いただければ嬉しいです。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

4
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
4
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?