#初めに
今回,Qiitaに初めて投稿させていただきます.
私が理学系出身ということもあり,データサイエンスで利用する数学について不定期かつバラバラに,そのmotivationと軽い解説を行います. また,時には論文解説も含めた最新の研究も紹介できたら,と思います.
内容としましては,関数解析,それに絡めて,複素解析(もちろん一変数)やフーリエ解析,また,測度論や確率・統計や位相幾何の基礎知識について解説できたら,と思います.
今回は,複素解析について軽い解説を行いたいと思います.
#なぜ複素?
##複素数の定義
複素数の定義は今更,説明いらないかと思いますが一応書いておくと
複素数$z$は実数$x,y$を用いて,
$z=x+iy$ (1)
と書けるもののことでここで$i$は虚数のことで二乗すると$-1$になるようなもののことです.
##複素数がいる理由
数学的議論は取り除いてイメージだけを伝えるとするなら,複素解析-複素数範囲の微積分-がいる大きな理由の一つに「積分範囲を虚数まで広げることにより実数範囲だけでは考えれなかった積分を行うため.」というものがあります.
ちょうど,高校生の時に習ったような二次方程式の判別式$D$が負の時,虚数範囲なら解を持つのはおぼえているでしょうか.根本的な考え方は異なるけれど,虚数範囲まで拡大することで,計算がスムーズに行えるようになるのには違いないはずだと思います.
#複素数の微分
##微分の定義と正則性
複素数$z$に対して微分は
$f'(z)=\displaystyle\lim_{z \to a}\frac{f(z)-f(a)}{z-a}$ (2)
と,定義されます.この時,$f$は点$a$で(複素)微分可能といいます.
また,ここで重要な単語があり,点$a$を含む「近傍」で(複素)微分可能な時,$f$は点$a$で「正則」であるという.この概念は非常に重要なので覚えておいてください.
近傍の意味は,数学的には位相空間論の知識がいるのでイメージだけ伝えておくと,点$a$を含む「近傍」とは点$a$を含むある複素平面の範囲$A$が常に存在していることを指す用語である.
すなわち,$A$をいくら狭めてもそれより小さい$A$(ややこしいので後者を$A'$と仮に置く.)が常にあるような状況を指す単語である.
今回は短いですがこの辺りにしておきます.
次回はコーシー・リーマン関係式と正則性の関係から述べたいと思います.