k8sでのcommnadとargsの挙動について

はじめに

KubernetesでPodをデプロイする際、
コンテナの起動コマンドを制御するためにcommandやargsを指定することがあります。

例えば、以下のようなDockerfileとmanifestファイルがあるとします。

Dockerfile

FROM alpine:latest

ENTRYPOINT ["echo", "hello"]
CMD ["world"]

manifest.yaml

apiVersion: v1
kind: Pod
metadata:
  name: echo
spec:
  containers:
  - name: echo
    image: echo:latest
    imagePullPolicy: Never
    command: ["echo", "1"]
    args: ["2"]

manifestで指定したcommnadとargsは、
DockerfileのENTRYPOINTやCMDとどのように関係しているのでしょうか。

本記事では、その挙動について解説します。

DockerfileでのCMDとENTRYPOINT

以下のDockerfileを例に挙動を見てみます

Dockerfile

FROM alpine:latest

ENTRYPOINT ["echo", "hello"]
CMD ["world"]

このDockerfileからimageを作成し、実行してみます

$ docker build -t echo .
$ docker run -it --rm echo
hello world

hello worldと出力されました。

つまり、ENTRYPOINTの実行コマンドにCMDが引数として渡されて実行されます

ENTRYPOINTだけ、CMDだけの時にどうなるかは、リファレンスを参照してみてください

(本題) k8sでのcommnadとargsの挙動について

さて、本題ですが、
KubernetesのPodについてのドキュメントに以下のように書いてありました。

Note:
The command field corresponds to ENTRYPOINT, and the args field corresponds to CMD in some container runtimes.

つまり、commandを指定すると、ENTRYPONITが上書かれ、argsを指定すると、CMDを上書きすることができます。

最初の例を見てみましょう。

Dockerfile

FROM alpine:latest

ENTRYPOINT ["echo", "hello"]
CMD ["world"]

manifest.yaml

apiVersion: v1
kind: Pod
metadata:
  name: echo
spec:
  containers:
  - name: echo
    image: echo:latest
    imagePullPolicy: Never
    command: ["echo", "1"]
    args: ["2"]

上書きが起きるとすると、
ENTRYPOINT: echo hello -> echo 1
CMD: world -> echo 2
となるので、echo 1 2が実行されるのでしょうか。

実行してみます。

$ kubectl apply -f manifest.yaml
$ kubectl logs echo       
1 2

予想が当たり、1 2が出力されましたね

まとめ

まとめです。

Dockerfile	Kubernetes	実際に実行されるもの
ENTRYPOINT	command	command が優先（ENTRYPOINTを置き換える）
CMD	args	args が優先（CMDを置き換える）

CMDとcommandが同じじゃ無いんですね〜

サンプルコード

参考