静岡県浜松市で行われた コメづくりのための農業ICTカンファレンス in 静岡 へ参加してきたので、そちらのまとめです。
カンファレンス概要と参加動機
主催は水田水管理ICT活⽤コンソーシアム(ページが見つけられなかった)。
出展企業などは カンファレンスの紹介ページ に記載されています。
私は普段からIoT向けのデータ通信を提供している側ですが、第一次産業という ICT や IoT とは距離がありそうな業界において、データ通信に対するニーズの調査が目的です。
(あとは見知った仲間が出展していたので会いに行ったというのもあります (^^)
水田の管理の肝は「水管理」
現在日本における農業労働力は農水省資料の統計資料によると、年々減少している状況ですが、農地はそんなに減ってない。即ち、一人当たりの負担が年々増えているというのが実情だそうです。
耕地における最大面積の水田に目を向けると、水管理が水田の運用において最重要と、キーノートを含め随所で話されていました。
一方で水管理は現場の状況が把握できるだけでは片手落ちで、水量を制御するためのバルブの操作も必要になるとの事。
水管理は現場での操作が必ず必要となるうえ、移動時間も必要となるため労働時間の大半を占めるそうです。
富山の大きな農家では、水管理のために8時間労働している、、、って、要するに朝から晩まで水管理!という事も珍しくないそうです。
ちなみに水管理とは「水温」と「水位」この2点がポイントだそうです。
こういった事から、ICT/IoTにおける水田管理においては 双方向通信による現場の状況の把握と、物理的な制御 が求められることになります。これがまさに スマート農業 の姿です。
実際にスマート農業の実験結果としては、水管理労力が80%も削減が達成できており、非常に期待が持てるということです (キーノートより)
一方で露地(屋外)による育成となるため、 通信および電源インフラが期待できない という課題を解決するための、特にハードウェア面における費用が課題となっています。
セッション
セッションではキーノートに農水省の方、その次にインターネットイニシアティブさん (以下 IIJ)が「磐田・袋井での水田センサ300台、⾃動給水栓100台実証」の中間報告をされていました。
磐田・袋井の件は、国が推進している「戦略的イノベーション創造プログラム (略称: SIP)」プロジェクトの一環として実施しており、来年度まで頑張っているとのこと。
それにしても「デバイス1万円で売れるようにね(ハート)」「通信は極力タダでね(ハート)」とか、なかなかエグい要望がちりばめられており、同情を禁じ得ないです。
LoRaWAN を活用し、水位・水温センサー 400台、自動給水弁 100台の運用をされた中間報告です。資料って公開されるのかな?紙配布なので、アップは控えておきます。(私は持っています。もう一度言います、私は持っています)
やはり農家の方の IT 化も必須だという発表もされていました
展示の様子
通信および電源インフラが期待できない中で水管理をどのように行うのか という展示がほとんどでした。
また電源においては1シーズン、すなわち半年動くことが必須要件とのこと。
アグリセンシングさんは、Raspberry Pi と組み合わせたデバイスですが、通信にセルラーを使い通信面の課題を解決していました。 (SORACOM 使ってくれててありがとうございます!)
クラウドまで一貫して使えるようにしているのが IT工房Zさんです。こちらもセルラー通信搭載で「設置から5分で始められるスマート農業」というのがポイントです。(実は SORACOM ユーザーです、ありがとうございます!)
一方デバイス側としては、笑農和(「えのわ」と読むそうです)さんは、水路の開け閉めができるデバイスにセルラー通信を組み合わせていましたが、電力は単1電池8本!
またAmaterZ(「アマテルズ」と読むそうです)さんは、饅頭サイズにセンサーだけでなくソーラーパネルを搭載した tukumo というデバイスを展示していました。
こちらは tukumo 間を独自920MHz通信でホップできるという特徴がある他、ゲートウェイ機器とは Bluetooth で通信できるそうなので、クラウドインテグレーションがやりやすそうな製品でした。25000円/個とのこと。
まとめ
現場から必要とされているデータ通信というのが明確に理解できたのは学びです。
一方、IoTで課題となる電源問題の解決が急務なんだという事も理解できました。
(月並みな感想でスミマセン、後日もうちょっとまとめます)
あとがき
うなぎ食べました。
EoT