メリークリスマス、世界!
IoTプラットフォーム「SORACOM」のアドベントカレンダーの25日担当、ソラコムの松下(ニックネーム: Max)です。毎年アンカーをお任せいただいており大変光栄です!
前置き
アドベントカレンダーは「公開日とネタ被りの戦い」です。すなわち「できる限り遅めの日程にしたいけれど、ネタが被ったら(しかも先駆者の方が良い内容だったら)どうしよう」と考えながらエントリーする日程を決めることになります。
そう考えるとアンカーは「24つのネタ被りを回避しつつ、学びや面白味のあるネタを披露する」という役割がありますが、ぶっちゃければ1か月前とかにブログのネタができてるわけもないため、「先行する24のネタを拝見しつつ、異なる筋のネタを12/25に瞬発力で書く」のがアンカーの戦略となります。
というわけで、アンカーが行うことはネタ作りよりも先に「先行ネタの分析」となります。結果、6つの系統がありました。
- クラウド型カメラ「ソラカメ」関連: 7件
- "IoTデバイス作ってみた / 使ってみた" 関連: 5件
- イベント参加/実施/SORACOM UGレポート関連: 4件
- SORACOMを使ってみた関連: 3件
- セルラー通信のTips関連: 3件
- クラウド側アーキテクチャー関連: 1件
さて困った、なにげに広範囲にネタが展開された年だったんですね。分析結果から私が披露できる && まだ書かれていない分野を考えてみたところ、1つありました!それが "Soracom Molileを使ってみた" というお話です。私は2022年11月末~12月にかけてラスベガス(米国)に行っていました。現地でのデータ通信の確保にSoracom Mobileを使ったわけです。
そこで、2022年7月には日本国内でも使えるようになった「Soracom Mobile」について、私の体験談をご紹介します。
- Soracom Mobile を使う手順 ~ iPhoneを借りてきた!
- データ通信量はいかほど?いくらかかるの?
そんなお話です。
Soracom Mobileとは?
Soracom Mobileとは、IoTプラットフォーム「SORACOM」が提供する、iPhone/iPad向けのeSIMデータ通信サービスです。
iPhoneXS や iPhoneXR 以降で搭載されるようになった「eSIM」があるiPhoneで使えます。
料金は「~GBを~日間使える」といったプランがあります。例えば日本の一番安いプランは1GBを30日間使えるもので6.89USD(日本円で約930円/1USD=135円換算)です。
使い方はGetting Startedにもあるように、Soracom Mobile アプリをインストールして、そのアプリ内でeSIMを購入すればすぐに通信が開始できます。
この時、App Store へのアクセスや eSIM 購入には通信が必要ですが、Wi-Fi があれば OK です。
iPhone が...無い!ならば、借りよう!
私のスマホは Pixel 7...そう、Android OSです。Pixel 7 自体は eSIM を搭載していますが、Soracom Mobile は "eSIM 搭載iPhone / iPad 向け" であるため、Pixel 7 では使えないのです。
ここでふと気が付いたのが「レンタル」です。そう、無ければ借りればいいのでは?と。
"iPhone レンタル" で探した結果、あるんですね。今回私は、株式会社ゲオが運営しているレンタルサービス「ゲオあれこれレンタル」で、iPhone SE (第二世代)を1か月/4,600円で借りました
11/17に申込、11/21には手元に届きました。
渡米自体は11/27なんですが、11/23から札幌や東京/青山に行くことになっており、セットアップしている時間が限られていたこともあり、このスピードで届いてくれたのは本当に助かりました。
入れたアプリは以下の通りです。SNSとマップ、あとは写真の同期ができれば良さそうということで、最低限のセットアップにしました。
あとは、Pixel 7 も持っていくので、iPhone SEからテザリングでつなげれば良いと考えました(実際、何度もそうしました)。
- Soracom Mobile
- Facebook Messenger
- Google Photos
- Google Maps
借りたiPhoneにはSIMがありません。そのため、日本でも使えるようにするため、Soracom Mobile のプランは「日本/1GB(6.89 USD)」と「北米/1GB(10.99 USD)」のプランを購入しました。
これで万全です!
データ通信はどうだったのか?
11/27 ~ 12/3 まで米国にいたのですが、データ通信が必要な場面というのほとんどありませんでした。
というのは、空港にはWi-Fiが完備されており、滞在先のホテルもWi-Fi(多少有料)があります。私の参加したイベントは会場Wi-Fiもあります。結果、データ通信を使うシーンが、ホテルの外へ出たときやタクシーでの移動中くらいだったんです。
利用するアプリを限定したことも、データ通信の削減に一役買っています。アプリ自体がバックグラウンドで同期してますし。
iOS は、通信回線別にアプリのトラフィック計測がされているため、このように何が使っているのかを確認できます。こちらは3日目(たしか)くらいのスクリーンです。
Soracom Mobile は、実際のところは現地の通信事業者を利用していますが、切り替えなどを意識する必要はありません。通信事業者のリストはSoracom Mobile の料金の "カバレッジ" をクリックすると表示されます。
北米はT-MobileとAT&T (2022年12月現在)が接続先です。基本的にはAT&Tにつながっていた印象です。もしかするとどこかではT-Mobileだったかもしれませんが。
この「切り替えを意識しない」仕組みは、当該国内だけでなく、例えば今回の私のように「日本と北米」のプランが入った iPhoneであれば、そこも気にすることなく日本と北米で使えます。
※これがSORACOMがIoT向けで提供している、グローバルIoTプラットフォームのテクノロジーで、それをデータ通信サービス向けにも使っています。
金額の総括
さてここまでデータ通信のお話をしてきましたが、気になるのは「結局、いくらかかったの?」ということですね。レンタル費用も含めてまとめたのが以下の表です。
※1USD=135円換算、日本円は税込
品目 | 金額 |
---|---|
iPhone SE (第二世代) / 1か月 | 4,600円 |
Soracom Mobile 1GB/30日間/日本 | 約930円 (6.89 USD) |
Soracom Mobile 1GB/30日間/北米 | 約1484円 (10.99 USD) |
合計: 7,014円
レンタル Wi-Fi なら 1,200円/日くらいが相場かなと思いますが、同じくらいの金額感だったなというのが感想です。この構成なら30日間いけることを考えると、割安になるかもしれませんね。また、iPhone単体でも使えるため、ちょっとしたことを行うなら手持ちのスマホを出さずに済むのも便利です(便利でした)。
今回はホテルやイベント会場のWi-Fiが充実していたことが、データ通信量の少なさの背景となりました。これがアウトドアの観光となると、通信量が必要となるかもしれません。
まず1GBで購入し、その後利用状況に応じて追加で購入するスタイルが一番お得かなと感じた、そんなラスベガス旅行(いや、イベント参加だ!笑)
日本でも使える Soracom Mobile、ぜひ使ってみてください!
ちなみに、ラスベガスのイベント(AWS re:Invent 2022)については、年明け1/26「JAWS-UG IoT専門支部「re:invent 2022 Recap (IoT風味マシマシ)」」で、IoTとAWSのお話と共に紹介いたします。現地(目黒)に加えてオンラインでも参加いただけますので、ぜひこちらにも遊びに来てくださいね。
最後はリトル・レッド・ロックから、遠くラスベガスを望みつつシャンパンをいただいている様子でお別れです。メリークリスマス!
EoT