以前のWWDCでは、Cocoaの変更内容を『Cocoa Update』という名称で発表していた。近年では『What's New in Cocoa』という名称で発表されていたが、今年のWWDCのセッションにはCocoaという用語が使われているものがない。Apple Developerサイトを確認しても、Cocoaという用語を見つけることが困難だ。
理由は色々あるだろう。以前はAppleのフレームワークの概念の理解させていということでCocoaという名前で説明していたが、もう、Cocoaという名称で設計思想を啓蒙する必要がなくなったということだろうか。
Cocoaと呼ばれていたフレームワークの基本的な考え方をApple Developerサイトから入手できた『Objective-Cプログラミングの概念(CocoaEncyclopedia.pdf)』の目次から拾ってみる。
- クラスクラスタ(Class Cluster)
- デリゲートとデータソース
- インストロスペクション
実行時にオブジェクト自身の内部の詳細を調べる機能 - オブジェクトの初期化
- Model-View-Controllerパターン
- オブジェクトモデリング
- オブジェクトの可変性
- Receptionistパターン
キー値監視やKVO通知など - ターゲット - アクション機構
- フレームワークの相互乗り入れについて
Core FoundationとFoundationとで互換性のあるデータ型
WWDC20の『Platforms State of the Union』から、フレームワークの更新に相当するものを抜き出してみる。
- Apple Silicon
たとえば、SDKを提供してる場合はライブラリはXCFrameworkでないと困るはず。 - Mac Catalystの進化
iOSアプリケーションのmacOS対応の方法の選択肢が増えた。 - macOS Big Sur
Aquaではなくなった。 - Widget
- App Clips
- SwiftとSwiftUI
Cocoaとは異なる概念のものも。
もはや、Cocoaという用語が通じない世代の開発者も存在していると思うので、世代間ギャップを感じる。
【関連情報】
Cocoa Advent Calendar 2020
Cocoa.swift
Cocoa勉強会 関東
Cocoa練習帳