前提
UXとは何ぞや?だった私が(2023年5月受験予定の)UX検定合格を目指し、
シラバスにのっとって勉強した学習記録です📝
UX検定の概要
- シラバス(出題範囲)
- 推薦図書📚
これは何?
本記事ではUX検定の シラバス(出題範囲)にある、以下をまとめたものになります。
- 「UX」の定義
- 「UX」の要素や構造
※余談
ちなみにユーザーエクスペリエンス(UX: User Experience)の定義を探すと、こちらのサイトではなんと27種類にも及びました。
対象読者
- UX未経験者
- UX検定を受験しようと考えている方
目次 及び 本記事で取り上げるUXの定義の種類・構造
- 定義
- ①人間中心設計入門(HCDライブラリー第0巻での定義
- ②ISOによる定義
- ③ニールセン・ノーマンによる定義
- ④UXPA(User Experience Professionals Association) による定義
- ※参考 UXIA(UXインテリジェンス協会)による定義
- 構造
- UXのハニカム構造
- UXの5階層モデル
- UXの2面性に基づいたモデル
- ハーセンツァール・モデル
- UX白書のモデル
「UX」の定義
UX定義一覧表
定義者(社) | 定義内容 |
---|---|
人間中心設計入門(HCDライブラリー第0巻) | 使いやすさだけでなく、ユーザー体験を総合的に捉えること |
ISO | UXは「製品やシステムやサービ スを利用したとき,及び/又はその利用 を予測したときに生じる人々の知覚や反応のこと |
ニールセン・ノーマン | 「ユーザーエクスペリエンス」は、エンドユーザーと「会社、会社のサービス、商品」の相互作用の全ての側面 |
UXPA(User Experience Professionals Association) | ユーザーの全体的な近くの構成要素となる製品、サービス、および企業とのインタラクションのあらゆる側面のこと |
UXIA(UXインテリジェンス協会) | UXとは「環境全体」あるいは「生活全体」を捉え、そこでの体験をスムーズにしていくこと |
人間中心設計入門(HCDライブラリー第0巻)での定義
人間中心設計入門(HCDライブラリー第0巻)P58参照
使いやすさだけでなく、ユーザー体験を総合的に捉えること
ISO による定義
製品、システム、またはサービスの使用
または予想される使用から生じる個人の認識と反応のこと
余談ですが、上記はISO 9241-210:2010を引用して人間中心設計入門(HCDライブラリー第0巻)に記載されており、ISO 9241-210:2019の更新版が存在しているようです。
気になる方はコチラを見てみてください。
ニールセン・ノーマンによる定義
UXとは企業やサービスや製品とのエンドユーザーのインタラクションのすべての側面のこと
- 第一の要件は、混乱や面倒なしで顧客の的確なニーズを満たす事。
- 第二の要件は、所有する楽しさ、使用する楽しさを生み出す「簡潔さと優雅さ」である。
真のユーザーエクスペリエンスは、顧客が欲しいと言うものを与えたり、チェックリストに載っている機能を提供するだけでは十分ではない。
提供するサービスや商品において、クオリティの高いユーザーエクスペリエンスを実現するためには、「多角的な専門分野のサービス」のシームレスな結合が必要である。
専門分野とは、エンジニアリング、マーケティング、グラフィックデザイン、インダストリアルデザイン、インターフェイスデザインである。
UXPA(User Experience Professionals Association)による定義
ユーザーの全体的な近くの構成要素となる製品、サービス、および企業とのインタラクションのあらゆる側面
参考:UXIA(UXインテリジェンス協会)による定義
企業・サービス・製品と関わるあらゆる人々との関係を形作る相互作用のすべて
UXとは「環境全体」あるいは「生活全体」を捉え、そこでの体験をスムーズにしていくことだというのが、協会で考えている定義です。 ※参考記事
「UX」の要素や構造
UXのハニカム構造
UXを具体的に説明する際、よく引用されるのがこのUXハニカムです。
こちらはピーター・モービル氏が提唱したUXを構成する7つの要素を表したハニカム構造です。
この構造モデルでは ユーザーが感じる価値(Valuable)を中心に、
UXを構成する6つの要素が配置されています。
UXの要素 | |
---|---|
1.Useful | 便利か(役に立つ) |
2.Usable | 利用できるか(使いやすい) |
3.Findable | 発見できるか(探しやすい・見つけやすい) |
4.Credible | 信頼できるか |
5.Accessible | アクセスしやすいか |
6.Desirable | 望まれるか(好ましい) |
※引用元 優れたユーザーエクスペリエンスを実現するためのUXハニカム
UXの5階層モデル (UXの構造)
こちらはジェームズ・ギャレット氏が提唱したUXの5階層モデルです。
Web構築時に考慮すべきことは、ユーザーにとってのエクスペリエンスであるとしています。
このモデルを見れば、表層レベルであるUIだけで対応できる課題はごく限られることは明らかです。
UXに係る多くの課題は骨格や構造レベルで検討すべきであり、
場合によっては大元(つまり戦略レベル)に立ち返る必要もあります。
UXとは製品の開発が終わってから"上"にかぶせるものではなく、
製品開発の一番最初(企画段階)から地道に積み重ねていかない限り、優れたUXは実装できません。
※引用元
ユーザビリティエンジニアリング: ユーザエクスペリエンスのための調査、設計、評価手法
UXの2面性に基づいたモデル
UXの定義は多数ある中で、専門家の間ではUXには「実用的」「感性的」2つの側面があるという合意が形成されつつあり、二つの有名なモデルがあります。
- 実用的属性:ある目的をいかに容易に達成するかという属性であり、ユーザビリティに関連
- 感性的属性:魅力、信頼感、満足感などユーザーの心の中に関連
①ハッセンツァール・モデル
ドイツのマーク・ハーセンツァールが提唱したモデル図。
「サービスやプロダクトの価値はユーザーの体験によって決まる」というUXの前提に基づき、開発者やデザイナー側が優れた品質を表現するために、どのような要件を満たすべきかを可視化した図です。
- 特徴
-
「デザイナの観点」と「ユーザの観点」という2つの流れが描かれている。
デザイナは製品の特長(内容、呈示、機能、対話)を設計しますが、意図したとおりの結果は生まれません。
なぜなら、ユーザーは個別の「状況」の影響を受けながら製品を利用する為です。
つまり、デザイナーは「優れたUXをデザインする」のではなく、実際には「優れたUXを目指してデザインする」のだということがうまく示されています。
-
「デザイナの観点」と「ユーザの観点」という2つの流れが描かれている。
②UX白書のモデル
UX白書とは、2010年にドイツでユーザビリティ専門家30人が集まり、UXの核となる概念について議論し、その成果として公開された文書のこと。
UX白書の概要
ユーザーエクスペリエンスは3つの視点から捉えられるということ
「現象としてのユーザーエクスペリエンス」
「研究分野としてのユーザーエクスペリエンス」
「実践としてのユーザーエクスペリエンス」
ユーザエクスペリエンスは注目するタイムスパンによって4種類に分けられる
「予期的ユーザーエクスペリエンス」
「一時的ユーザーエクスペリエンス」
「エピソード的ユーザーエクスペリエンス」
「累積的ユーザーエクスペリエンス」
- 予期的UX
- 製品やサービスを利用するイメージを想像する状態(このサービスを利用すればお得な買い物ができそう等)
- 一時的UX
- 製品やサービス利用中の直感的な心情 (このサイトは操作がしやすく、買いたいものをサクサク探せる等)
- エピソード的UX
- 一時的UXの体験を振り返って発生する心情(操作に迷うことなく、お得な買い物ができてとても満足!等)
- 累積的UX
- しばらくの期間利用した後の、 製品やサービスの見方(このサービスは操作しやすくてお得になるイメージ!等)
ユーザーエクスペリエンスに影響を与える要素は以下3種類に分類できる
「状況[(文脈)」「ユーザー」「システム」
※引用元
UX白書のモデル
ユーザーは製品やサービスと出会った時に、利用することで得られる体験を想像したり、
使っている間にサービスに対してポジティブ・ネガティブな感情を抱いたり、
利用後に体験したことを評価したり振り返ったりします。
つまり、UXには時間軸が存在すると言えます。
▼利用フェーズにおけるUXと利用の有無
※引用元
▼ユーザーエクスぺリンスの期間
※引用元
最後に
UXには様々な定義や構造がありましたが、
「そもそもUXとは何なのか?」「どういった事を考えるべきなのか?」という知識がついたような気がします。(弱気)
自分が理解するだけでなく、UXを一緒に企画するチームでこれらの知識を持っておくと
UXの企画・議論がスムーズになるのかもしれません