前提
UXとは何ぞや?だった私が(2023年5月受験実施)UX検定合格を目指し、
シラバスにのっとって勉強した学習記録です📝
- シラバス(出題範囲)
- 推薦図書📚
これは何
本記事ではUX検定の シラバス(出題範囲にある、「ユーザビリティ」について以下を目的にまとめたものです。
- ユーザビリティとは
- ユーザビリティ向上において重要な視点・考え方
対象読者
- HCD・UX未経験者
- UX検定を受験しようと考えている方
目次
- ユーザビリティのという言葉への誤解
- ユーザビリティとは
- ユーザビリティの定義一覧
- 各定義で抑えておきたいポイント
「ユーザビリティ」という言葉への誤解
ユーザビリティの訳語として「使いやすさ」がよく使われることがあり、
「あればうれしいけど、なくても困らない」というレベルの要求であると誤解されてしまう。
開発の現場では「コスト」「納期」「品質」の厳格な要求が課せられ、様々な役割の関係が入り乱れた“修羅場”と化します。その際に「ユーザビリティ=使いやすさ」と捉えているとユーザビリティの優先順位を下げてしまい、ユーザビリティ問題を残したまま開発を進めてしまうことがあります。
しかし、本来はユーザビリティは「使える」という重大な意味を持っています。
つまり、「ユーザビリティに問題がある」ということは、「使えない」という意味でもあるのです。
もし、製品が“使用不可能”になってしまうと認識していれば、極限状態の中でも設計チームはもっと真剣にユーザビリティ問題を解決しようとしたはずです。
製品をリリースしたけれど、ユーザーから「使いモノにならない」と見捨てられるという失敗を繰り返さないためにも、「使いやすさ」ではなく「使用可能性」であると理解するべきです。
参照: ユーザビリティエンジニアリング: ユーザエクスペリエンスのための調査、設計、評価手法 P3
ユーザビリティとは
製品やサービスにおける使いやすさをはかる「尺度」です。
ユーザビリティの“有効さ”
ユーザーが指定された目標を達成する上での正確さ、完全性のこと
例:便利なスマートフォンでも、機能が多すぎて使い方が分からずお年寄りにとっては黒電話の方が有効な場合がある。
ユーザビリティの“効率”
ユーザーが指定された目標を達成する際に、正確さと完全性に費やした資源のこと
例:便利なプリンタを購入したものの、設定する中でマニュアルを参照しないと使えず、使い始めるまでに時間や手間がかかってしまい、使いにくい。
ユーザビリティの“満足度”
製品を使用する際の不快感のなさ、および肯定的な態度のこと
例:ビデオカメラを購入し、大事なシーンを撮影しようとした時に限ってバッテリーが切れてしまって使えなかったので、もう使いたくない。
「ユーザビリティ」の定義一覧
ユーザビリティの定義について学習を進めていくと、いくつかあったのでまとめたものが以下です。
定義者(社) | 定義内容 |
---|---|
シャッケルの定義 | ・ ユーティリティ :必要な機能があるか ・ ユーザビリティ :ユーザがうまく使えるか ・ ライカビリティ :ユーザが適切だと感じられるか |
ヤコブ・ニールセンの定義 | ・ 学習しやすさ: システムは、ユーザがそれを使ってすぐ作業を始められるよう、簡単に学習できるようにしなければならない ・ 効率性 : システムは、一度ユーザがそれについて学習すれば、後は高い生産性を上げられるよう、効率的な使用を可能にすべきである。 ・ 記憶しやすさ : システムは、不定期利用のユーザがしばらく使わなくても、再び使うときに覚え直さないで使えるよう、覚えやすくしなければならない。 ・ エラー : システムはエラー発生率を低くし、ユーザがシステム使用中にエラーを起こしにくく、もしエラーが発生しても簡単に回復できるようにしなければならない。また、致命的なエラーが起こってはいけない。 ・ 主観的満足度 : システムは、ユーザが個人的に満足できるよう、また好きになるよう楽しく利用できるようにしなければならない |
ISO9241-11の定義 |
特定のコンテキストにおいて、特定のユーザーによってある製品が、特定の目標を達成するために用いられる際の、効果、効率、ユーザの満足度合い |
ISO9126-1の定義 (ソフトウェア品質) |
ソフトウェアの「外部および内部品質」に関する規格であり、品質特性を以下にわけて定義している。 ・機能性 ・信頼性 ・使用性 ・効率性 ・保守性 ・移植性 |
※参照: 人間中心設計入門(HCDライブラリー第0巻 第4章)
各定義で抑えておきたいポイント
ユーザビリティという概念は、下記のような変遷がとられ、整理されています。
※参照: 人間中心設計入門(HCDライブラリー第0巻 第4章)
最後に
ユーザビリティの定義をよく理解し、以下のことを明確にした上で自社製品・サービスのユーザビリティについて議論することでより良い製品・サービスを生み出す・改善へと進めることができそうです。
- 「ユーザ」はだれか?
- どういった「状況」で利用するのか?
- どういった成果を目指すのか?
最後まで読んで頂きありがとうございました!