KPTの進め方
※60分間、5、6人くらいのチーム人数を想定
(これ以上の人数での実施だと時間内に終わらないのでグループを分けた方がよい)
1.各自、K と P を考えて付箋に出す(他の人の意見に左右されないように相談しながら出すようなことはしないようにする)
(5分間)
2.出た K を読み上げて共有する(具体的にどういうことがよかったのかを確認し合う)、ホワイトボードに張り出して、同じような内容は纏める
(10分間)
3.出た P を読み上げて共有する、ホワイトボードに張り出して同じような内容は付箋を重ねて纏める、P の優先順位を決める
(10分間)
4.出た P に対して T をみんなで考える
たくさん P が出た場合は、優先度の高いものだけ T を考えるようにして時間内に終わる工夫をすると良い
(特に初めたばかりの頃は P がたくさん出る)
(15分間)
5.前回の T が実行できているか振り返る
T が習慣的に実行できるようであれば K に移すなり、課題が解決したということで剥がす
T が実行できていなければ、別の T を考えてみる、ハードルを下げてみたりしてもよい
また、そもそも P が間違っていたというパターンがある、問題の根本が何かを改めて考えてみる
(10分間)
6.実施する T を選択し、誰がいつまでにやるのか合意を取る
(10分間)
KPT(Keep/Problem/Try)
■Keep(よかったこと、継続したいこと)
Keep はよかったこと、継続したいことを書き出したりしますが、
誰かへの感謝を伝えてみるとか、褒めてもらいたいことをあげてみたりしてもいいかもしれません。
自分が褒めて欲しいことをあげてもオッケーです
- ○○さんがファインプレーな仕事をしてくれた
- 担当タスクが遅延して○○さんに巻き取ってもらった、など
■Problem(問題点、課題、困っていること、不満に思っていることなど)
Problem は、できるだけ小さい問題に落とし込むようにして解決したい問題を明確にできるような内容が望ましいです。
そのような内容にしておくと Try が出しやすくなります。
■Try(Problemに対して改善していくこと、Keepに対してさらなる改善していくこと)
Try は、ハードルが高過ぎるような改善策だと行動に移せず終わってしまうことが多いので、
出来るだけ簡単にできる Try を設定するのが望ましいです。
グラウンドルール
- 個人攻撃になるような P はNG
- 一人がしゃべり過ぎない
- 1人が喋り過ぎると、意見に偏りが生じるため1人が喋り過ぎないようにする
- どんなことでも発言をすること歓迎する(心理的安全の確保)
- 原因は追究しても OK だが責任の追及はしてはならない
- 上げられた P は自分事として T を出す
- 問題は、チームの問題として捉える。(個人の問題ではなく仕組みに問題があると考える)
- KPTの時間に集中して欲しいのでノートPCの持ち込みは禁止
ファシリテータの極意
KPTの進行役を担う。
ファシリテータがうまく、メンバのKPTを引き出すことが出来ないと、メンバがKPTの成果を実感できない。
結果的に、あんまりやる意味ないよねとなり、継続しなくなる一因ともなり得る。
以下に私なりのコツを書き出すので、ご参考にどうぞ。
- 特定の人だけが発言し過ぎない
- 特定の人の意見に偏ってしまう恐れがありチームでの解決に繋がっていない可能性がある
- いい意見があるのに、いつも発言する人の話が終るまで様子見をしていて、次のPに移ってしまい結局、言えない
- ファシリテータは発言に偏りが出ないようにまんべんなく話を振ってあげる(○○さんはどう思う?)
- メンバーの気持ちを理解してあげる
- とにかく良い意見、発言を引き出すには心理的安全を確保してあげることが大事
- 出した意見(Try)に乗っかってみる
- 否定から入ってしまうと、発言する勇気を失ってしまう
- いい意見だね、なるほど、おもしろいねなどの発言から入って、そのTryだとこういう問題が起こりそうだけど、どう解決しようか?と問題を更に深掘りしてみたりする
- 具体的ではない Problem があげれる場合があり、適切な Try が出しにくい状況があるので具体的にする
- 具体的にどういう問題なのか聞いてみると複数の問題が出てきたりするので、Problem を分解する(付箋を追加する)
- どういう問題なのか分かりにくい場合は内容を書き換えたり、補足説明を追記する
- 何が問題なのかを常に意識してファシリテートする(問題の主語を明確するとよいかも)
- ある程度、ファシリテーターが独断的進めてよい
- チームで問題に取り組むツールではあるが、ある程度、ファシリテーターが独断的に実行する Try を決定したり、Keep を剥がして整理して行くことも必要
- メンバの総意をイチイチ求めると時間がかかり過ぎるし、収拾がつかなくなる
- 仮に選択した Try が上手く行かなかったら、また別の Try をすればいいだけ
- 習慣化できたと思ってた Keep が出来てなかったらまた、Problem として上がってくるはず
ファシリテーションが出来る人を増やすためにもファシリテータを持ち回り制で実施することをオススメします。
KPTをやると何が嬉しいのか?
- Try が消化できると、小さな成功体験を実感できるので、メンバの自信に繋がる
- 基本的に小さな問題を少しずつ改善していくものなので、改善を実行に移しやすい
- 自立したチームになれる可能性がある
- 他人事だった問題が自分毎の問題として捉えられるようになりチームの結束が高まる
- K からメンバ、リーダー相互の価値観を共有しあえる
- P からリーダーの問題意識、メンバの問題意識が共有できる(こんなこと考えてるんだ~と感じることもチラホラ)
- ひとりで悩んでても解決できない P を共有することでチームで解決できる(ようになるかもしれない)
- 思考停止しない人になれる、問題に対して常に次の Try を考えるため継続的に行えばいい思考訓練になる
付箋について(おまけ)
- 左上に、K or P or T を書く
- 右上に、日付を入れる
- 右下に、名前をいれる
- 付箋を新しく剥がすときはノリに沿って剥がす
- Keepを青の付箋、Problemをピンクの付箋、Tryを緑の付箋と種類によって色分けすると見やすくなる
他にもいろいろ続きは随時更新していきます。