はじめに
ここではMicroStrategyの「スマートメトリック」という機能についてご紹介します。
MicroStrategy Developerを使用して
「達成率(実績÷目標)」というメトリックを新規作成したところ、
レポート上で「--」となり正しく表示されませんでした。
また、表示されたと思ったら「合計」の達成率が明らかにおかしくなることもありました。
これを解消するのが「スマートメトリック」になります。
(データは用意したダミーデータを使用しています)
スマートメトリックとは
複合メトリック(ここでは達成率)の中の個々のメトリック(ここでは実績、目標)の小計を計算するかどうかを指定するものです。
詳しい説明の前に、
実際にスマートメトリックをONにした場合とOFFの場合の達成率を並べたものが以下になります。
(達成率の式自体は同じで、スマートメトリック設定のみを変更しています)
スマートメトリックをONした達成率は値がきちんと表示され、
合計行の達成率が先ほどと変わっていることが分かります。
次に、合計行の数値の差異についてご説明します。
スマートメトリックを設定することで計算の順序が変わります。
スマートメトリックがOFFの場合
レポートの各行において達成率(実績÷金額)を計算したうえでそれを合計します。
以下①から③を算出→①~③を合計して④を算出というイメージです。
したがって、この例での2017年4月の達成率は各カテゴリーの達成率を単純に足しあげた値になります。
スマートメトリックがONの場合
先に各列の合計を算出したうえで、達成率(実績÷金額)を計算します。
まず①~②を算出→それらを除算という順番になります。
したがって、この例での2017年4月の達成率は2017年4月の実績合計÷2017年4月目標合計の値になります。
このように計算の仕方が違うため異なる値が表示されます。
スマートメトリックの設定方法
メトリック編集画面の「小計/集計」タブ左下にある
「スマートメトリックを許可」に「✓」を入れると設定が有効になります。
(✓の右横にある計算式例が前述の計算方法の違いを示しています)
おわりに
今回はスマートメトリックについてご紹介いたしました。
設定自体は簡単なものですが、
スマートメトリックを設定するかどうかによって
意図と異なる数値が算出されてしまうケースがあるため、
複合メトリック作成の際にはご留意いただければと思います。