はじめに
今回はMicroStrategyのドシエ上で既存アトリビュートから新規アトリビュートを作成する際の以下2つの方法について、手順とそれぞれのメリット・デメリットを紹介します。
・「グループ化」機能を使用
・関数を使用
検証
検証用に以下のような年月データを用意しました。
年と月がyyyymm形式で入っています。
今回はこの「年月」をもとに新しく「年」という項目を作成したいと思います。
以下それぞれの方法でやってみます。
・「グループ化」機能を使用
→GUI操作で既存データをまとめ上げる機能です。今回は年月を年単位にまとめ上げます。
・関数を使用
→今回はLeftStr関数を使用して年月から年データを作成します
方法1:グループ機能を使用して作成
①ビジュアリゼーション上でまとめ上げたいデータを複数選択→右クリック→「グループ」を選択
※複数選択は Ctrlキーを押しながらデータを選択、もしくは
Shiftキー を押しながらデータを選択すると範囲選択ができます。
③データが1つのグループとしてまとめ上げられますので、
残りのデータも同様の手順でグループ化します。
④新規作成したアトリビュートを名前を変更したい場合は、
データセット欄の対象のアトリビュートを右クリック→「名前の変更」から変更可能です
以上でグループ化手順は終わりです。
方法2:関数を使用して作成
①アトリビュートエディターに関数を入力します。
今回は年月(yyyymm)の年(yyyy)部分を抜き出したいので以下のLeftStr関数を使用します。
式を検証し「有効な式です」と表示されましたら保存します。
②確認のため、作成した新規アトリビュートと作成元の年月アトリビュートを並べると正しく「年」アトリビュートが作成されていることが分かります。
以上で関数によるアトリビュート作成手順は終わりです。
グループ化機能の注意点
方法1のグループ化機能での作成の場合、
データソースが更新され新しいデータが追加されても、グループへ自動反映がされません。
例として年月に新しいデータ(202209~202210)を追加しましたが
グループ化機能で作成した「年」においてはどのグループにも含まれていないので、手動で既存グループへ追加もしくは新規グループ作成をする必要があります。
一方、関数で作成した「年」においては追加データも自動で「2022」と判別されています。
メリット・デメリット
それぞれの作成方法のメリット・デメリットについて以下の観点で整理しました。
・簡易性(初心者でも作業が可能かどうか)
・メンテナンス性(データソース更新時などに修正の手間がかかるかどうか)
・ミス防止(人為的ミスを防ぎやすいかどうか)
※あくまで個人の主観ですので実作業においては実際のデータの性質等を合わせて検討いただければと思います
グループ化機能は難しい操作や関数知識など必要なく初心者でも作業が可能という利点がある一方で、前述の通りメンテナンス性においては注意が必要です。
また、手作業のためまとめ上げるグループを間違えるなどの人為的ミスのリスクも考えられます。
関数作成の場合これらの懸念はクリアされますが、欲しいデータを作るための関数知識が必要になります。
今回はとてもシンプルなケースを例にしましたが、実際にはもっと複雑な関数・式を作成する必要も想定されるので、ある程度MicroStrategyの経験や知識が求められます。
実業務においては、データの性質や更新頻度などを考慮したうえで、どの方法を採用するのか検討が必要です。
おわりに
今回はドシエ上で新規項目を作成する以下2つの方法について紹介しました。
・「グループ化」機能を使用
・関数を使用
上記以外にも、そもそも元データに項目を最初から追加するという方法もあるかと思いますが、元データの変更が難しい場合などは上記方法も検討いただければと思います。
簡単な紹介でしたが本記事が何か参考になれば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。