LoginSignup
3
0

More than 5 years have passed since last update.

ユーザーから見た技術

Last updated at Posted at 2016-12-20

こんにちは、アプレッソ技術部片岡です。
7月にアプレッソに入社しました。
入社する前は、このAdvent Calendarを見て「企業研究」したこともありました。
入社したら、もしかしたら書く機会もあるかもしれないな、とも考えたこともあったのですが、
本当にその通りとなりました。これも縁ですね。

今回は、「ユーザーから見た技術」をテーマに、過去の経験を含め、思うところを書かせて頂きます。

技術がユーザーの環境を変える

振り返ると、早いもので社会人になって四半世紀近く働いていることになります。
新卒で入った会社はアパレルメーカーだったのですが、当時の職場環境はこんな感じでした。
その当時で言えば、特に進んでも遅れてもいない、標準的だったのではないかと思われます。

・パソコンはデスクトップしかなく、10人くらいの課で2台を交代に使いまわしていた。
・LANはなく、当然メールもなかった。一部の部署が必要に応じてモデムを使っていた。
・当時はLotus 1-2-3ができることがパソコンを使いこなせると同義だった。
・ホスト系のシステムにFAXで届いた注文書を入力処理する専門の人がいた。
・パソコンとは別に大型のワープロがあり、その専門のパンチャーの人もいた。
 取引先に出す文章とかは、手書きでその人に渡してパンチングし、印刷してもらってた。
・携帯電話は世の中にはありましたが実用的ではなく、社長は社用車に車内電話をつけて使っていた。

どうですか?
当時を知らない人には想像しにくいのではと思います。

蛇足ですが、デートの約束をした彼女に当日伝えたいことがあって連絡取るのに、
会社に電話して本人を呼んでもらう、なんてことが必要で、結構緊張するものでした。
今の人はそういう苦労は皆無ですよね。

当時の会社はそこからの動きは早く、3年くらいでPCを一人一台、メールを全社員で使用となりました。
WORDを使うようになり、ワープロもなくなりました。もちろん専門のパンチャーの人も。
言い方を代えれば、専門の人がやっていた仕事が一般の人ができるようになったと言えます。
これら諸々も、技術の進歩がユーザーにもたらした変化です。

ユーザーに技術を伝える

もっと驚いた話があります。
入社直後にマーケティングの部署に配属されました。
一応業界二位でしたが、当時ライバル社の下記の製品に売り上げで遠く及ばない状況でした。

「よせてあげる」ワコール

けっこう流れたCMだったのですが、覚えている人もいらっしゃるかな?
(動画等も落ちていると思うので、興味があれば探してみて下さい)
新人だったら自分は製品のことはよくわからず、機能をもったいい製品なんだろうなと思っていました。
ところが・・・

色々と現場で話を聞いていくと、衝撃の事実がわかりました。
実は「よせてあげる」という機能では自社製品の方がはるかに勝っていたのです。
(今は知りません、当時です)
営業さんや、現場の販売員さんとかもみんな知っているのですが、
CMやられちゃったら指名買いに来るし、イメージでかなわないし・・・
という感じでした。

自社の製品が勝っている部分を逆にライバル会社に逆用されているようでショックでした。
ふりかえると大きく三点が、ライバル会社の成功要因だと考えます。
・「よせてあげる」という表現が機能をわかりやすくアピールした
・CMという手段で広く告知し、専売特許のようなイメージを植えつけた
・業界最大手なので信用がある(まさか自社が負けている機能をアピールするとは思わない)

この件は教訓になりました。
製品の機能(技術)を説明するのに、いかにユーザーにアピールする形で伝えることが重要だと。
すばらしい技術があっても伝え方を考えないと、先の教訓のように足元をすくわれるような話にもなりかねない。
この当時の自分の会社は技術では優位でライバル会社が見本にして研究しているという噂もありましたが、
その伝え方という部分でライバルに水をあけられていました。
結果売上げも・・・

ユーザーから見た技術

ユーザーから見た技術というものは二つに分けられます。
・意識していない当然だと認識している技術
 例えば水道水は「普通に飲める水が蛇口をひねればでてくるよね」
・意識していて購買に繋がる技術
 XXの機能があるから選ぼう、△△できるから買おう

どちらの方が優れているわけではなく、両方優れています。
むしろ前者のようなポジションを得ることの方が重要かもしれません。
DataSpiderは後者はもちろん、前者を目指せると思っています。

前職ではDataSpiderのユーザー側で仕事をしていました。
自分でDataSpiderの導入を決めました。
実際に使ってみて感じたのは、「データ連携という部分においては絶対に使うべきだろう」という思いでした。

そんなことを考えて転職し、入社半年足らずで勉強の毎日ですが、DataSpiderファミリー製品の
技術の価値をユーザーにつなげるように、創意工夫していきます。
今後ともよろしくお願いいたします。

おまけ

今回インフルエンザにかかり、自宅療養中にこの文章を書きました。
いつもの病院なので、なんとなく聞いてみたら、前回インフルエンザにかかったのは5年前の3/11でした。
調子が悪くて当時の会社を早退して病院にいき、インフルエンザの検査薬の反応を待っていた時に
地震が起こり、釣り下げられた蛍光灯が大きく揺れていたのを思い出しました。

なくしてわかる〇〇というやつで、健康の有難味と平穏な暮らしの有難味を再認識しました。
その裏にも様々な技術が生かされていることも。

3
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
3
0