概要
前回おこなった 雨の日セール の第二弾。
前回と同じく気象庁のデータをGASで取得し、対象地域の翌日の最高気温が30℃以上なら、LINE公式アカウント(旧LINE@)で猛暑日クーポンを投稿する。といった流れ。更に今回は投稿の基準となる"しきい値"を設定できるようにする。
前回より
前回の 雨の日セール をテスト運用中、「しきい値を変更できたら有難い」という声を頂いたので、設定機能をつくることに。といっても1からUIをつくる時間も技術も無いのと、GASを使用している事もありスプレッドシートを採用し、しきい値を設定できるようにするのと、ついでに自動投稿を一旦中止する仕組みをつくる。
使用したもの
・LINE Messaging API
・Google Apps Script (GAS)
・気象庁ホームページ
・Google SpreadSheet ←new!
気象データの取得について
取得する方法は前回の 雨の日セール と同じ。
https://www.jma.go.jp/bosai/forecast/data/forecast/(area_code).json
(area_code)の所に取得したい地域のコードを入れるとjsonでデータが表示される。
各地域のコード … 気象庁 天気予報より都道府県を指定し遷移後のURL末端にある6ケタの数字
前回と同様に山口県の気象データを取得する。
const response = UrlFetchApp.fetch(`https://www.jma.go.jp/bosai/forecast/data/forecast/350000.json`)
const data = JSON.parse(response)
最高気温30℃以上の判定
元データのサイトを見ると、複数の地域の値があるので前回と同じく中部のデータのみ取得。
上記で取得したデータのうち中部の最高気温の値はここに格納されている。
data[0].timeSeries[1].areas[1].temps
取得する時間によって格納される値の数が変動する(今日の過ぎた時間帯の値は入らない)ので、今回は格納されている数によって取得する値を変える方法を採用。
var maxtemp = getMaxtemp(data); //下の関数を使用
function getMaxtemp(data){
var tempArray = data[0].timeSeries[2].areas[1].temps
if(tempArray.length==4){
return data[0].timeSeries[2].areas[1].temps[3]
}else if(tempArray.length ==3){
return data[0].timeSeries[2].areas[1].temps[2]
}else if(tempArray.length == 2){
return data[0].timeSeries[2].areas[1].temps[1]
}
}
本題の判定へ。
最高気温が30℃以上なら投稿処理を実行。
下で使っている変数(hotLine)には後で設定するしきい値を格納する。
/*中略*/
var hotLine = "30" //ここに後述する設定値を格納する
if(maxtemp >= hotLine){
var tomorrow = new Date();
tomorrow.setDate(tomorrow.getDate() + 1);
var tomorrowformat = Utilities.formatDate(tomorrow, 'Asia/Tokyo', 'M/d');
var title = '【明日は最高気温' + maxtemp + '℃の予報☀ 限定クーポン配信】';
var header = 'こんばんは\uDBC0\uDC02\n\n'
var msg = title + '\n\n' + header + '明日' + tomorrowformat + 'の山口は最高気温が' + maxtemp + '℃の予報となっています。お体にお気をつけ下さいませ。\n\n↓猛暑限定クーポンお知らせ↓';
var imageURL = '販促画像リンク';
var postData = {
'messages': [{
'type': 'text',
'text': msg
},{
"type": "flex",
"altText": title,
"contents": {
"type": "bubble",
"hero": {
"type": "image",
"url": imageURL,
"size": "full",
"aspectRatio": "1:1.035",
"aspectMode": "cover"
}
}
}],
};
broadcast_fetch_data(postData);
}
function broadcast_fetch_data(postData) {
var options = {
"method": "post",
"headers": {
"Content-Type": "application/json",
"Authorization": "Bearer " + "LINEのアクセストークン"
},
"payload": JSON.stringify(postData)
};
UrlFetchApp.fetch("https://api.line.me/v2/bot/message/broadcast", options);
}
あとはGASのトリガーで毎日一定時間に作動させれば無事完了。
設定機能をつくる
前述したようにスプレッドシートでしきい値を設定できるようにするのと、ついでに自動投稿を一旦中止する仕組みをつくる。
仕組みは単純で、
・スプレッドシートにしきい値を入力するセルを作成。
・GASにてセルの値を取得し、しきい値として使用する。
・セルが空白の場合は投稿を中止するようにする。
あと共有して使用するため、値以外のセルは保護&余計な値を入れないよう入力規則を設定。
念のため(?)100℃まで入力可能に。
しきい値を取得する
GASにてスプレッドシートの値を読み込む。
他の機能の設定値も取得したいので、汎用的な関数を作成。
//値を取得したい項目名を引数に入れる
function GetSettingValue(target) {
var spreadsheet = SpreadsheetApp.openById("スプレッドシートのId");
var sheet = spreadsheet.getSheetByName("設定"); //シート名
var textFinder = sheet.createTextFinder("^" + target + "$").useRegularExpression(true); //検索メソッド。ここでは正規表現で完全一致の条件を指定。
var ranges = textFinder.findAll();
if(ranges.length >0){
for (var i = 0; i < ranges.length; i++) {
// 念のため一致した項目がA列にあるか判定
if(ranges[i].getColumn() == "1"){
var index = ranges[i].getRowIndex();
// セルが空白の場合はnullを返す
if(sheet.getRange(index, 2).isBlank()) return null
// セルが空白ではない場合は値を返す
return sheet.getRange(index, 2).getValue();
}
}
}
}
で、先述した処理に組み込むと以下の形に。
しきい値が空欄の時にはnullを返すので、if文に条件を追加し投稿処理から除外させる。
/*中略*/
var hotLine = GetSettingValue("最高気温条件値");
//明日の最高気温がしきい値以上かつnull以外のとき
if((maxtemp >= hotLine)&&(hotLine != null)){
/*前述の投稿処理*/
}
備考
データの置き場所兼UIとしてスプレッドシートを採用したものの、
最終的には
・UI->LINEのトーク画面(一応完成済)
・データの置き場所-> Firebase
が最適なのかなと日々模索中・・。