はじめに
この記事はLITALICO Engineers Advent Calendar 2024 シリーズ4の17日目の記事です
こんにちは、プロダクトマネジメント部のみなみです。
新卒の頃から苗字で呼ばれたことがなく、もはや忘れつつあるこの頃です。
2024年7月に発達ナビ運営支援のプロダクトマネージャー(PdM)として入社しました。
この記事を書こうと思った理由
新卒から受託型のプロジェクトマネージャー(PjM)としてキャリアを歩む中でPdMを志し、LITALICOに転職しました。
従来よりSIerやコンサルから事業会社への転職は根強いパスとして定着していましたが、近年では”PjMからPdMへのキャリアチェンジ”として浸透しつつあるように感じます。
今回はPjM→PdMになり変わったことに向き合ってみたいなと思います。
ジュニアPdMの1事例として読んでいただければ幸いです!
一般論としてのPjMとPdMの違い
- PjM:「いつまでに作るか(when)」「どうやって作るか(how)」に焦点を置く
- PdM:「何を作るか(what)」「なぜ作るのか(why)」に焦点を置く
経歴
新卒で銀行系SIerに入社し、受託型PjMを経験しました。その後、2社目ではオウンドメディア領域を中心に、受託型PjMやコンサル業務に従事してきました。
1社目では外国為替業務フロー整理やセキュリティ要件定義、2社目ではCMSやレコメンドツールの提案・構築、プリセールスなどを通じPjM経験を積ませていただきました。
担当プロダクト
現在はLITALICOで「発達ナビ運営支援」の主担当PdMを務めています。
発達ナビは3つのプロダクトで構成されており、事業所のお悩みに応じて最適なプロダクトをご利用いただくことができます。
- 発達ナビ運営支援:障害児通所施設の業務支援SaaS(toB)
- 発達ナビ情報発信:障害児通所施設での集客支援(toB)、障害を持ったお子さまを持つ保護者さま向けのポータルサイト(toC)
- 発達ナビ研修教材:障害児通所施設の運営をサポートする研修教材(toB)
現在、運営支援ではコアとなる請求業務以外にも、障害児通所施設のさまざまな日常業務DX化に向けて新規機能の開発に取り組んでいます。
なぜPdMに転向したか?
転向を考えたきっかけ
PjMとしてのキャリアを歩む中で、PdM転向しようと思ったきっかけは2つです。
1.自分の足で課題を発見したい
- クライアントから背景やご要望をお伺いすることで一定理解はできるものの、当事者の立場にはなりきれず、どこか他人事のように感じてしまうことがあった
2.当たり前になっている”負”を解消したい
- 「社会的に大きなインパクトを与える」よりは「目の前の〇〇さんを助ける」ような社会貢献がしたいと思った
- これまでは「課題視され、解決策がある程度見えている依頼」を受けることが多かった一方、「課題を課題と認識していない、もしくは解決策が分からない」方々をサポートしたいと考えるようになった
また、私の姉が成人後に障害者となった経験もあり、なにかこの業界に貢献したいという思いに背中を押され入社しました。
入社後に感じたこと
入社前に期待していた通り、自分の目で課題を発見し意思決定ができる機会が多く、予想以上に幅広い立場を任せていただけていると感じております。
まだまだ道半ばではありますが、5ヶ月間で自分の意識や行動がどう変わったかを整理してみようと思います。
PjM → PdMになって変わったこと
1.課題の解像度
”自分ごと”のレベルが変わった
受託型のPjMでは、要望の背景を汲み取り、共感しながら柔軟に応える姿勢を大切にしていました。一方、2社目で戦略提案を行う中で、最終的な意思決定のプロセスにも関わりたいと感じるようになりました。
PdMの場合、自社戦略に基づき意思決定をするため得られる情報の質と量が変わりました。
また、LITALICOは自分の裁量でユーザー訪問を行い、多くの顧客と直接コミュニケーションを取ることができるため、より自分ごととして捉えやすい環境だと感じています。自社・顧客共にとても恵まれた環境であり、今後も全力で活用していきたいと思っています。
現場で非言語情報に触れ、共感しながら課題を見つけることで解像度が高まり、「自分で変えていきたい」と思える場面が増えたと感じています。
2.意思決定の主体
主体が移り、責任の重みと共にモチベーションも上がった
受託型PjMの場合、基本的には意思決定権はクライアントにあります。そのため、クライアントの言葉の端々から事業環境や戦略の変化を読み取る力が必要でした。
また、受託である以上、納期や予算の制約、責任分界点を常に意識せざるを得ない難しさがありました。いかに全体を俯瞰しながらPJTを進められるかが、PjMの力量が試される場面だと考えていました。
PdMの場合、意思決定の主体が自分に移ります。
よくある話ですが、この点はPjMとは本質的に大きく異なる部分だと感じています。
私はまだ意思決定に対して怖さと自信の持てなさを感じる場面があります。これは、自分のドメイン知識やユーザー・事業理解が十分でないことが原因だと考えています。また、分かったつもりでも論点を詰めていくと判断に迷うことも多く、まずは自分が「わからない状態である」ことを認識することがとても大切だと気づき、今後も座学やユーザー訪問を重ねつつ、実際に事業側の業務を経験してレベルアップしていきたいと考えています。
一方、小さなことでも根拠を持って意思決定を行えた時にモチベーションを感じるようになりました。意思決定後に変更が生じた場合でも、自社環境の変化に基づいているため納得感が大きく異なると感じています。
3.チーム環境
前向きな意見を出し合う環境に衝撃を受けた
私の場合は外部への再委託が多かったため、エンドユーザーと最終受託先に距離がありました。ステークホルダーの指向を揃える難易度が高く、マネジメント能力が鍛えられたと感じています。
事業会社ではステークホルダーとの距離や指向性が近く、一体感が醸成しやすい環境であることに私は楽しさを感じました。
特にチームLITALICOではPdMに限らずエンジニア、デザイナーなど全員がエンドユーザにかなり近い距離・目線を持ちプロダクト開発を行っています。
入社後、良い意味で最もギャップを感じたのはこの環境です。誰もが活発に前向きな意見を出し、尊重し合いながら、制約がある中でもなんとか前に進めようとするポジティブなチーム環境に衝撃を受け、事業会社ならではだと感じました。
4.意識するポイント
事業側の視点を持つようになった
一般的なプロジェクトではQCD (=Quality・Cost・Delivery)を担保し、いかにエンドユーザに早く価値を届けるかかが重要視されることが多いかと思います。
PjMを務めていた際には、QCDを担保するために”障壁をいかに効率よく取り除き、エンドユーザーにとって最適な状態を作るか”に意識を向けていたと感じています。その分、無事バグなくリリースできた時にはとても達成感がありました。
PdMになってからは、事業とエンドユーザーの双方のバランスを意識を向けて意思決定することになり、大きく視点が変わりました。
私の場合は営業等の経験がなく、視点を広げていきたいという思いから事業側の業務を担当する機会をいただけることになりました。やはり経験してみないとわからないことが沢山あると思うので、柔軟な環境にとても感謝しています。
また、新たな視点を広げる機会があることは、純粋に新鮮で楽しいと感じています。
PdMで活かせることと習得が必要なこと
PjMが「現在の成功に注力する」立場だとすると、PdMは「未来の成功に責任を持つ」イメージだと思いました。
PjMでは変化するクライアント要望に追随し、柔軟に解決策を導く適応能力が求められてきました。
PdMでは自分で事業環境の変化をキャッチして意思決定を行う洞察力と、根拠に対する説明能力が求められると感じています。
前者は、PjMからPdMにキャリアチェンジした場合、0スタートに近いことが多く、ドメイン・事業・ユーザといった多角的な知識の習得に慣れ、根拠に自信を持てるレベルまで上げていく必要性を改めて感じました。
後者は、受託型PjMとして要望を受ける立場だったからこそ、客観的に納得感があるか?という視点を持ってもっと自分に問いかけられるのではないか、と本記事を書いていて気付きました。
最後に
LITALICOには自分の目や耳で顧客と接し、課題を発見し、意思決定できる環境があります。
また課題を課題として認識されることなく不便さを抱えている方々に出会うことができ、そのような方々をサポートするプロダクト開発を行うことができます。
この環境へ感謝とともに、目の前にいる方を助け、障害のない社会に一歩ずつ近づけるよう、これからも精進したいと思います!少しでも興味を持っていただける方がいれば、ぜひLITALICOの門を叩いていただければ嬉しいです。
明日は@michiokayさんの記事です!お楽しみに〜!