応用情報技術者平成29年春期 午前54
PMBOKガイド第5版における,マイナスのリスクに対する戦略として用いられる"リスク転嫁"の説明はどれか。
1、プロジェクトのリスク
PMBOKガイド第5版において、リスクマネジメントとは「プロジェクトのリスクを識別し、分析し、リスクに対応するための系統的なプロセスで、プロジェクトの目標に対して
・プラスに働く事象には、それが起こる確率とその発生結果が最大となるように、
・マイナスに働く事象については、逆に最小となるようにすること」とされています。
2、マイナスの影響を与えるリスク対応
プロジェクトにマイナスの影響を与えるリスクに対して、「回避」「転嫁」「軽減」「受容」の4つの戦略があります。
・回避(かいひ)
リスクそのものを取り除いたり、プロジェクトに影響がないようにスコープや目標を縮小・変更する方策。
・転嫁(てんか)
リスクによるマイナスの影響を第三者へ移転する方策。リスクのある業務・作業のアウトソーシングや、損害保険の契約によってリスクの影響を自社から他社に移転する。
・軽減(けいげん)
リスクの影響範囲を狭くしたり、発生確率を低減するような方策。
・受容(じゅよう)
リスクが現実化した時の影響が許容可能範囲内である時やリスクの除去が困難である場合に、特段対策をせずにそのままにしておくこと。対策費用が予想される損失金額を上回っているときなどに採られる方策。
3、プラスのリスクもしくは好機に対する戦略
活用、共有、強化、受容の4つがある。
・活用
好機が確実に来るようにすること
有能な要因採用で、期間短縮・コスト削減するなど
・共有
好機を実行する権限を、第三者に割り当てる
パートナーシップ、ジョイントベンチャーの形成など
・強化
発生確率・影響を増加させる
アクティビティを早く終了させるために、資源を追加投入するなど
・受容
積極的は利用しない
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
補足
プロジェクトにおけるリスクには,マイナスのリスクとプラスのリスクがある。スケジュールに関するリスク対応策のうち,プラスのリスクへの対応策に該当するものはどれか。
ア、インフルエンザで要員が勤務できなくならないように,インフルエンザが流行する前にメンバ全員に予防接種を受けさせる。
イ、スケジュールを前倒しすると全体のコストを下げられるとき,プログラム作成を並行して作業することによって全体の期間を短縮する。
ウ、突発的な要員の離脱によるスケジュールの遅れに備えて,事前に交代要員を確保する。
エ、納期遅延の違約金の支払に備えて,損害保険に加入する。
イは、「全体のコストを下げられる」ことはプラスの影響です。事例はプラスの影響に対して、その好機の発生確率を高める活動なので、リスク強化策に分類されます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
補足
PMBOKによれば,脅威となるマイナスのリスクと,好機となるプラスのリスクの,どちらのリスクに対しても採用される戦略はどれか。
マイナスのリスクとプラスのリスクで採用される戦略は、両方ともあるのは、受容ですね。
プラスのリスクもしくは好機に対する戦略
http://bluesnap.net/pmbok/index.php?%A5%D7%A5%E9%A5%B9%A4%CE%A5%EA%A5%B9%A5%AF%A4%E2%A4%B7%A4%AF%A4%CF%B9%A5%B5%A1%A4%CB%C2%D0%A4%B9%A4%EB%C0%EF%CE%AC