応用情報技術者平成30年秋期 午前問69
観測データを類似性によって集団や群に分類し,その特徴となる要因を分析する手法はどれか。
1、クラスタ分析法とは、
複数の変数(項目、属性、次元数)を持つデータ(多変量データ)を利用し、その変数間の相互の関係性をとらえるために使われる多変量解析の手法です。
複数の異なる性質のものが混ざり合っている対象の中から、類似したものを集めてグループを作り、対象を分類するための手法です。
クラスター(cluster)とは、英語で「房」「集団」「群れ」のことで、似たものがたくさん集まっている様子を表します。
2、指数平滑法
指数平滑法は、過去の予測値と実績値を利用して需要値を予測する方法です。
時系列データから将来の値を予測するのに用いられる手法。直近のデータであるほど重いウェイトをかけて予測を行う。
3、デルファイ法 delphi method / delphi technique
デルファイ法は、多数の専門家が他の専門家の意見も相互に参照しながら意見交換をし、最終的に意見の収束をしていく方法です。
デルファイ法【delphi method】とは、集団の意見や知見を集約し、統一的な見解を得る手法の一つ。メンバーに個別に回答を求め、得られた結果を全員に見せ、再び個別に回答を求める、という過程を何回か繰り返す方式。
デルファイ法とは、米国の大手シンク・タンクであるランド研究所が開発した意見集約の手法です。 予想したいテーマに対して多数の専門家の意見を求め、得られた回答を統計的にまとめ、さらにその結果を添えて専門家たちに再検討させる手続きを複数回繰り返すことで意見を収斂させていきます。 技術発展の未来予測の定性調査などの他、企業の経営計画やマーケティング、あるいは公共政策や社会問題、医療、教育方面など多様な意思決定に利用されます。 会議やブレインストーミングでは、強い意見に従う傾向がありますが、デルファイ法は他の意見を参考にしつつ、冷静に独自の考えをまとめ偏りのない統一意見を得やすいと言われます。
・シンクタンク(英語: think tank)は、諸分野に関する政策立案・政策提言を主たる業務とする研究機関。
4、モンテカルロ法 Monte Carlo method、MC
モンテカルロ法は、数値解析の分野において、確率を近似的に求めるために使われる手法です。n回のシミュレーションを行い、ある事象がm回起これば、その事象の起こる確率は m/nで近似できます。試行回数nが大きくなるほど、よい近似値となります。
モンテカルロ法(モンテカルロほう、(英: Monte Carlo method、MC)とはシミュレーションや数値計算を乱数を用いて行う手法の総称。元々は、中性子が物質中を動き回る様子を探るためにスタニスワフ・ウラムが考案しジョン・フォン・ノイマンにより命名された手法。カジノで有名な国家モナコ公国の4つの地区(カルティ)の1つであるモンテカルロから名付けられた。ランダム法とも呼ばれる。
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補足
現在の動向から未来を予測したり,システム分析に使用したりする手法であり,専門的知識や経験を有する複数の人にアンケート調査を行い,その結果を互いに参照した上で調査を繰り返して,集団としての意見を収束させる手法はどれか。
1、デルファイ法は、技術革新や社会変動などに関する未来予測においてよく用いられ、多数の専門家が他の専門家の意見も相互に参照しながら意見交換をし、最終的に意見の収束をしていく手法です。
デルファイ法は次の手順に従って行われます。
・複数の専門家を回答者として選定する。
・質問に対する回答結果をフィードバックし,再度質問を行う。
・回答結果を統計的に処理し,確率分布とともに回答結果を示す。
2、因果関係分析法
複数の対象データ間の因果関係を分析する手法です。
3、クロスセクション法 (=横断面分析) Cross-Section Analysis
時間の経過につれて変動していく現象を、ある一時点で横断的に取ったデータを分析する方法です。時系列分析とは対比的な分析概念です。
4、時系列回帰分析法 (=タイムシリーズ分析) Time-Series Analysis
時系列データを分析することで、それらの関係を表す「回帰モデル」と呼ばれる数式を明らかにし、将来の売り上げ予測などに用いる手法です。
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補足
他の技法では答えが得られにくい,未来予測のような問題に多く用いられ,(1)~(3)の手順に従って行われる予測技法はどれか。
(1)、複数の専門家を回答者として選定する。
(2)、質問に対する回答結果を集約してフィードバックし,再度質問を行う。
(3)、回答結果を統計的に処理し,分布とともに回答結果を示す。
1、本質問の答えは簡単ですね。デルファイ法ですね。
2、
・クロスセクション法
クロスセクション法は、特定の事象に対する影響因子の相互関係を分析する手法です。
クロスセクション法とは、先行事例をもとにして将来を予測する手法のことである。
クロスセクション法は、予測が困難な問題に直面した時に、過去の似たような事例をもとに予測を立てる。例えば、ある商品の日本での売れ行きを、先行して販売している国での売れ行きの調査から予測するといったことが挙げられる。
・シナリオライティング法 scenario writing
シナリオライティング法は、現在の状態から出発して、将来の世界の発展の可能性をシナリオにまとめるという形の一種の総合的予測手法、あるいは未来展望記述方法の一つです。
シナリオライティング法とは、現在の状況をもとにして将来を予測する手法のことである。
シナリオライティング法では、さまざまな事象に対して予測を行い、どのように進行していくかを書き記す。一般的には、都合のよい楽観的シナリオと都合の悪い悲観的シナリオ、そして、楽観と悲観の間の中間的シナリオの3つのパターンを用意することが多い。
・親和図法
親和図法は、集めたデータを親和性によってグループ化することによって、問題を整理する方法です。
参照:
https://www.ap-siken.com/kakomon/22_aki/q68.html
モンテカルロ法
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%83%86%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%AD%E6%B3%95