平成31年春期 午前問題75
定量発注方式における経済的発注量を計算したところ,600個であった。発注から納入までの調達期間は5日であり,安全在庫量が30個である場合,この購買品目の発注点は何個か。ここで,1日の平均消費量は50個であるとする。
1、定量発注方式とは、
発注時期をあらかじめ決めずに、在庫が基準数を下回った時点で最適発注量(経済的発注量)ずつを発注する方式です。定量発注方式における適切な発注点とは、常時保管している在庫数をできるだけ少なくし、かつ、安全在庫を下回らないような時点のことです。
保管在庫を最も少なくするためには、納入日の前日終業後に安全在庫である30個が最低限残っていればよいため、それと発注から納入までの5日間に消費する(50×5=)250個を足した280個が発注点になります。
定量発注方式では、商品の在庫がある一定の量まで減った際にあらかじめ決められた量を発注します。この時の「発注が必要な在庫量」を「発注点」と呼び、「あらかじめ決められた発注の量」を「発注量」と呼びます。
定量発注方式は発注量に変化がないため、急な需要変化や製品生産が安定していない商品には不向きです。常備品や安価な小物類など、需要と供給が安定している製品に用い、在庫量を一定に保つのに適しています。
2、定期発注方式では
1週間に1度、もしくは1か月に1度など、「時期が発注の目安」となります。
定量発注方式では発注量が一定なのに対し、定期発注方式は在庫や需要によって発注量を変えることが可能です。
定期発注方式は単価も高く売り上げ率もよい主力製品に用いるのが一般的です。
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補足
定量発注方式の特徴はどれか。
1、定量発注方式
発注時期は決まっておらず、在庫が基準数を下回った時点であらかじめ決まっている最適発注量(経済的発注量)を発注する方式。
・ABC分析の結果でBランクとされた、
・調達期間が短い品目、
・消費量が安定している品目
などを対象とすることが多い。
2、定期発注方式
同じ間隔で定期的に行う方式で、発注日の度に在庫数、予想需要量、安全在庫などを考えて最適な発注量を計算する。
・需要量の変化が大きい品目や、
・ABC分析の結果でAランクとされた
重要在庫を対象とすることが多い。
・定量発注方式では発注時期が決まっておらず、在庫が基準を下回った時点で発注するため、在庫量を常に把握しておく必要があります。
・需要量の変化が大きい品目には定期発注方式が適しています。
・定量発注方式は、需要の安定している品目を対象とするので、発注時の需要予測は行いません。
・発注量には経済的発注量を用いると効果的である。
・経済的発注量とは、
定量発注方式において発注費用と在庫費用の総額を最小化できる1回当たりの発注量のことです。
定量発注方式では、発注量にあらかじめ算出した経済的発注量を用いると効果的です。
参照: