応用情報技術者平成29年秋期 午前65
"情報システム・モデル取引・契約書"によれば,情報システムの開発において,多段階契約の考え方を採用する目的はどれか。ここで,多段階契約とは,工程ごとに個別契約を締結することである。
1、多段階契約とは、
委託開始に際して役割分担等の要旨だけを記した基本契約だけを先に結んでおき、
具体的な委託内容については
・「システム化の方向性~システム化計画」
・「要件定義」
・「外部設計」
・「内部設計以降」
というような工程毎に個別契約を締結する契約方式です。
これにより曖昧な段階で行われた見積りは、要件が明らかになった段階で再見積もりされることになります。
多段階契約を採用すると、契約事務の手間は増大しますが、一括契約方式と比較して開発途中で発生する仕様変更の影響を極力抑えられる利点があります。
2、
・SLA導入の目的
サービスレベルの達成・未達の結果に対する対応措置(協議手続,解約権,ペナルティ・インセンティブなど)及びベンダの報告条件などを定めるため
※ペナルティ(Penalty). 英単語「penalty」に由来する言葉で「罰」「罰金」「刑罰」「罰の」などの意味で使われる。 スポーツにおける反則行為に対する罰則。
※インセンティブ(incentive)は「人の意欲を引き出すために、外部から与える刺激」のことです。 例えばプロスポーツチームと選手が、成績による出来高制で契約を行う場合、「出来高の仕組みを選手に与えること」をインセンティブ(=動機付け)と呼びます。
・仮発注合意書のモデルを採用する目的
正式な契約を締結する前に,情報システム構築を開始せざるを得ない場合の措置として,仮発注合意書(Letter of Intent:LOI)を交わすため
・基本契約書の考え方を採用する目的
ユーザ及びベンダのそれぞれの役割分担を,システムライフサイクルプロセスに応じて,あらかじめ詳細に決定しておくため