応用情報技術者平成30年春期 午前問52
PMBOKガイド第5版によれば,プロジェクトのコスト見積り技法の説明のうち,パラメトリック見積りの説明はどれか。
1、パラメトリック見積り(係数見積り)は、 parametric
過去に蓄積したデータと関連する変数との統計上の関係を使って、見積りを行う手法です。試験でよく登場する"ファンクションポイント法"や"COCOMO"及び"プログラムステップ法"もパラメトリック見積りの一種です。
IPAのWebページ内では、「工数などを目的変数として、説明変数に規模や要因などを設定し、数学的な関数として表す方法」と説明されています。
・ファンクションポイント法とは
ソフトウェアの機能規模を測定する手法の1つ。 入出力や内部ファイルなどの数とそれぞれの難易度から論理的にファンクションポイント(FP)を算出し、開発規模を見積もる手法のこと。
・COCOMO(ココモ法)とは、
ソフトウェアのソースコードでシステム開発の工数や期間を見積もる手法です。 COCOMは"constructive cost model"の略であり、 日本語訳すれば「構造的なコスト推計モデル」となります。
・プログラムステップ法とは、プログラムのステップ数(行数)をもとにして、システムの開発費用を見積もる手法のことである。 プログラムステップ法は、プログラムが既に存在していれば、容易に見積りを出すことができるという特徴がある。
2、ボトムアップ見積りの説明 Bottomup
WBSの下位レベルの構成要素単位の見積り結果を集計して,プロジェクトのコストを見積もる。
3、三点見積りの説明
楽観値,悲観値,最可能値を使って,個々のアクティビティのコストを見積もる。
三点見積りでは、楽観値、最可能値、悲観値を使って時間を推計していきます。これら3つの値の意味は以下の通りです。
4、類推見積りの説明
類似のプロジェクトにおける過去のコスト実績を使って,プロジェクトのコストを見積もる。
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補足
システム開発における工数の見積りに関する記述のうち,適切なものはどれか。
1、
・COCOMOの使用には,自社における生産性に関する,蓄積されたデータが必要である。
→○。COCOMO(Constructive Cost Model)は、ソフトウェアの見積もりで、予想されるプログラム行数にエンジニアの能力や要求の信頼性などの補正係数を掛け合わせて開発工数や期間,要員や生産性を見積もる手法です。COCOMOを適用するには自社における生産性のデータ収集が不可欠です。
・開発要員の技量は異なるので工数は参考にならないが,過去に開発したプログラムの規模は見積りの参考になる。
→×。過去の開発における技量と実際に要した工数の関係は、現在の見積りにおいても参考にすることができます。
・工数の見積りは,作業の進捗管理に有効であるが,ソフトウェアの品質管理には関係しない。
→×。見積もりと比較して実際に要した工数の多少が著しい場合には品質に問題がある可能性も考えられます。このように見積もられた工数は進捗管理だけでなく、品質管理の基準としても用いることができます。
・ファンクションポイント法による見積りでは,プログラムステップ数を把握する必要がある。
→×。ファンクションポイント法では、外部入出力や内部ファイルの数と難易度の高さから開発規模を見積もるため、プログラムステップ数は見積りに関与しません。
参照:
三点見積り
https://ssaits.jp/promapedia/method/3-point-quotation.html