はじめに
「転職」というと、どうしても現状に不満をもっていることが多いです。
タイトルからも転職をして、ネガティブ→ポジティブになった、みたいなイメージを抱かれると思います。
その通りではあるんですが、前職の企業を悪く言うつもりは毛頭無いことをあらかじめ宣言しておきます。
新卒から大変お世話になった会社ですので感謝の気持ちしかありません。
今回のお話は、実際に僕が転職活動を始めるまでの話と、その活動の中で気持ちがどう変わっていったかをツラツラ語っていくだけのものです。
いきなりまとめ
この先、長くなるので先にまとめを。
今回のアドベントカレンダーのテーマである 転職活動して気づいた「これをやっていれば.../やってよかった」
こと。
- カジュアル面談は積極的に飛び込む
- 自分にとっての大事な価値観を知る
- 転職活動は軸をブラさないことが鍵
では、そんなお話をツラツラと。
エンジニアなのに「技術が好き」と言うのが恥ずかしかった自分
繰り返しますが、会社自体に悪い印象はありません。
新卒から所属していた前職の会社は、人財育成(材ではなく財)にも力を入れてましたし、福利厚生もしっかりしてます。
日本の産業を守る、とっても大事なポジションにいる、やりがいのある仕事を任せていただいてました。
ただ、どことなく「技術が好き」と言うことに対して、恥ずかしい気がしていました。
それはなぜか。とっても単純なきっかけです。
チームのリーダーとの打ち合わせにて……(当時、オンプレからAWSへの移行検討が行われていました)
自分「〜〜〜〜という理由で、AWSに移行するのが良いと思うんです」
リーダー「お前たちがAWSを好きだと思っているのは分かった。それで、なぜAWSなんだ?」
何気ないやり取りだと思うのですが、ここが全ての始まりです。
「自分たちはAWSが好きだから、それだけで採用したいと思われている」
今考えると、よく言われているようなクラウドの利点であったり、当時はパブリッククラウドの世界はAWS一強と言ってもいいほどにシェアを伸ばしていた時期です。
AWS専業の企業も多く立ち上がっている頃で開発をサポートしてくれる仲間も多く獲得できそうな時代背景であることを採用したい理由としては伝えていたはずです。
もちろん、根本には「AWSが好きだから」というのは間違いなくあったはずです。
ただ反抗期だったのか、若さゆえだったのか、これだけが理由で、と思われたのが強烈に自分にとってはトラウマレベルで違和感を抱くことになりました。
そこから、思考が「技術が好き」という感情が恥ずかしいこと、というのが強く根付いてしまうことになりました。
あくまで、エンジニアは職業。趣味趣向は分けて、論理だけを武器に戦わなければいけない。
いや、間違ってないとは思うんです。この考え方も。
僕には全然向いてなかった。それだけの話です。
何気なくはじめた転職活動、カジュアル面談との出会い
ある意味では、コロナが唯一生んだ(定着させた)素晴らしい文化である「リモートワーク」
前職でもいち早く導入され、(当時はデスクトップPCしか支給されてなかったので車でデスクトップPCを運ぶというなんとも不格好な導入でしたが………笑)自宅で安定したネット環境やデスク環境で仕事ができるようになりました。
通勤時間がなくなった分、時間に余裕ができ、自分の今後について考える時間も増えてきました。
そこでふと、自分の市場価値を知るためにほんとに何気なく某有名転職サイトへ登録してみました。
企業からのダイレクトオファーを見て、自分に需要があるんだ!と心躍り、カジュアル面談を受けてみることに。
カジュアル面談、というスタイルにも初めて出会ったので最初はとっても緊張していました。
スーツまで着込んで、姿勢も正して参加してみると、先方はパーカー……
今考えると全くもって当たり前なんですが、このラフな雰囲気や純粋な自分と企業の情報交換の場であることに衝撃を受けた記憶があります。
色々とお話をしていく中で、とある企業のエンジニアマネージャーさんに言われました。
「というか、めちゃめちゃ技術好きですよね。お話聞いていて、よくわかります。僕、その気持ちがエンジニアにとって一番大事だと思うんですよね。一緒に働いている人にその気持ちが無ければ萎えちゃうというか。」
正直ハッとさせられました。
それと同時に、何か心に突き刺さるものがあるのも感じました。
そこではじめて、「技術は好き、は恥ずかしい」という感情を抱いている事自体が自分にとってとてつもなくストレスであることを実感したのです。
カジュアル面談、本当に気軽にカジュアルに、飛び込んでみると良いと思います。
意図せず思い込んでいたことに気付かされるきっかけとなる場合もありますので。
自分の価値観を知るために、性格診断
大学生以来でしたが、性格診断テストを受けてみることにしました。
結果は貼りませんが、当てはまっている項目もあれば、そうかなぁと思う部分もあり……
まぁ当たり前といえば当たり前なのですが、こういうのを斜に構えず客観的に確認することも一つ大事なテクニックな気がします。
性格診断テストによって何かが変わったわけではありませんでしたが、ちょっと冷静になって自分のことを客観的に見てみようと思えるようになったのは事実です。
ここで、自分が大切にしている価値観は以下の2つだと思いました。
- 技術を愛せること
- どこで働くか、ではなく誰と働くか
気持ちが変わると転職活動にも変化が起こる
「技術を愛せること」「誰と働くか」の2点が軸だとすると、前職の環境にストレスを抱えていることはより一層明確になりました。
これはもう、転職するしかない。
ということで、本格的に転職活動をスタート。積極的にカジュアル面談にも参加するようになりました。
この軸があると、面談に参加するモチベーションも全然変わります。
面談をしていただいている担当者の方の言葉、ふるまい、表情、担当者の方同士の雰囲気。
例えば、よく見た光景は人事担当の方と技術担当の方が仰々しい感じでお話をされている様子。
これだと、きっと社内の部署を超えた風通しはそんなに良くない(そもそも関わり合いが少ない)と想像できます。
技術レベルが高いだとか、最新の技術を採用している!みたいなことは人によっては刺さるポイントだと思うのですが、僕にとってはそこは割とどうでも良かったので、以下にのみ焦点を絞っていました。
- 新旧問わず技術を愛せているか
- この人と働くことを想像して、ときめくか、わくわくするか
その上で、福利厚生だったり給与だったりの付加価値を精査していく流れになりました。
自己分析が出来て、自分の価値観がどこにあるかを知ることで、転職活動はかなりスムーズになったと思います。
ふりかえってみると、ほんとに各社いろんな推しポイントがあって、推しなだけあってどれも魅力的に見えます。
バイキングで美味しそうな料理がたくさんあって迷うのと同じです。
魅力的なものには惹かれます。でも、本当に自分が欲している価値観が分かればぐっと候補は減るはずなんです。
肉をがっつりいきたい!だったら肉系のコーナーにしか目がいかなくなりますし、スイーツを楽しみたければスイーツコーナーしか見えないでしょうし。
そうやって、自分が本当に欲しているものが何なのかを、軸としてもっておくことは本当に大事だと痛感しました。
転職して、自分のことが好きになった
もともと自分のことが嫌いだったわけではありません。
かといって好きだったわけでもありません。
なんというか、特にどんな感情も持っていなかったというのが正しい表現です。
転職後も、もちろん今でも、転職活動で考えていた軸は常に頭の中にあります。
そうするとあまり普段の業務でも自分の意志がブレないように思うんです。
これが、こんな登壇になったり
こんな会社横断のチームビルディングにつながったりしているんだと思います。
ここで、僕のマインドセットを語っていますがやっぱりこれもこの軸があるからこその考えです。
ブレずに働くことで、今ある課題に集中できるので、仕事は自ずとうまく進みはじめます。
うまく仕事がすすむと、達成感も大きいですし、一緒に働くチームのメンバーにも感謝できるようになります。
不思議なもので、ポジティブな感情が多いと、自分に対しても温かい心をもっていられるようになり、結果的に自分も悪くないなと思えるようになってました。
もしかしたら、「転職」とかそういう話じゃないのかもしれない
転職はあくまで手段。
大事な価値観を軸に考えたとき、今の職場でどうにも解決できないストレス要素があるなら環境を変えてみるために転職してみた。
ただそれだけなのかもなぁと、今になってみるとそう思います。
次、転職する機会があるのかも分からないですがこの先も僕は自分の価値観の軸はブラさずに進んでいきたいなと思いました。
そんな決意やふりかえりのきっかけになった、今回のテーマに心から感謝します。