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DPU + vadd on Ultra96v2 (Vitis 2020.2)

Last updated at Posted at 2021-12-06

以前のVitis-AI v1.4 on Ultra96v2ではAvnetが用意してくれているスクリプトを使用してVitisプラットフォームを作成し、XilinxのDPU-TRDプロジェクトを使用してDPUの動作環境を生成しました。

今回は前回記事のBuild Vitis platform for Ultra96v2 (Vitis 2020.2)で作成したVitis Platformを使用して、DPUとvector addカーネルを動作させてみたいと思います。

以前のVitis-AI v1.4 on Ultra96v2記事ではXilinxが公開しているDPU-TRDのCUIフローをベースにDPUが動作する環境を構築しましたが、HWシステムの構築ではvitisに含まれるv++を直接実行しており、GUIで開けるVitisのプロジェクトは作成されていませんでした。CUIベースで新しくカーネルを追加したり、HWシステムの設定を変更するのは難しいと感じたため、GUIフローで作業を行なってみようと思います。
本記事はXilinxのDPU-TRD GUI Flowをベースにしています。DPUを追加するところは全く同じです。

また、DPUと他のHWカーネルを同時に実装することができるかも同時に試します。今回追加するカーネルはvadd(vector add)で、Vitis HLS向けの高位合成チュートリアルでも使用されている単純なカーネルです。

Environment

  • Host: Ubuntu 18.04
  • Target: Ultra96v2
  • Vitis/Vivado/Petalinux 2020.2

Vitis-AIをダウンロードしておきます。DPU IPやDPUを使用するVitisライブラリ、DPUを実行するためのランタイムが含まれています。

git clone https://github.com/Xilinx/Vitis-AI
cd Vitis-AI
git checkout refs/tags/v1.4

前回記事のUltra96向けVitisプラットフォームが作成されていることを前提にしています。

Vitisプロジェクト

プロジェクトの作成

Vitisを起動します。

mkdir dpu_vitis_prj && cd dpu_vitis_prj
source /tools/Xilinx/Vitis/2020.2/settings64.sh
vitis

Window->Preferences->Library Repositoriesに、Vitis-AIリポジトリののdsa/DPU-TRDディレクトリを追加します。
Screenshot from 2021-12-06 02-58-49.png

File->New->Application Projectからプロジェクトを作成します。ベースとなるプラットフォームは前回記事で作成したプラットフォームを選択します。
Screenshot from 2021-12-06 03-01-32.png
テンプレートの選択画面ではDPU Kernelを選択します。
Screenshot from 2021-12-06 03-04-12.png
プロジェクトが作成されました。
Screenshot from 2021-12-06 03-06-45.png

DPUコンフィグレーションの変更

Explorerウインドウのdpu_trd_kernelsからsrc->prj->Vitis->dpu_conf.vhを開いてDPUのコンフィグレーションを変更します。
142996031-ba03f57e-e2ae-45c7-8b2f-ea7a562c965c.png

26c26
< `define B1600
---
> `define B4096 
81c81
< `define RAM_USAGE_HIGH
---
> `define RAM_USAGE_LOW
103c103
< `define DWCV_DISABLE
---
> `define DWCV_ENABLE
114c114
< `define POOL_AVG_DISABLE
---
> `define POOL_AVG_ENABLE

DPUのクロックとポートの設定

次にdpu_trd->src->config_gui.cfgを開いてDPUに接続するクロックとポートの設定を変更します。今回ベースにしているプラットフォームプロジェクトのクロックは以下の通りで、150MHz/300MHzを利用したいので以下のように設定しました。また今回はDPUを1つだけ搭載するので元のポート情報の後半を削除しました。

142999491-8d652cf3-aead-4a7e-9b60-0b2aa3894e6c.png
142999448-0bde8e51-4397-4cce-af2b-9b0966273f3f.png

【2022.03.16追記】
上記手法ではDPUのクロック指定が正しくできていません。
Vitis-AIのチュートリアルには以下のように書かれています。

The gui flow only support default configuration. if want to other configuration, please use commandline flow.

GUIFlowで一度ビルドすると、dpu_trd_hw_link/Hardware/dpu-link.cfgというファイルが生成されます。このファイルの[clock], [connectivity]を変更します。

[connectivity]
nk=DPUCZDX8G:1:DPUCZDX8G_1

[clock]
id=1:DPUCZDX8G_1.aclk
id=3:DPUCZDX8G_1.ap_clk_2

これでコマンドラインからmakeを実行し直すことでクロックが正しく設定されます。

Vector Addの追加

次に、独自カーネルのテストとしてvadd(vector_add)を追加するための作業を行います。
まず、File->New->Application Projectでアプリケーションプロジェクトを作成。名前はvaddとしました。このときSelect a system projectdpu_trd_systemを選択することでDPUプロジェクトにvaddのカーネルとアプリケーションを追加できます。
Screenshot from 2021-12-06 09-29-19.png
アプリケーションテンプレートはVector Addを選択します。
Screenshot from 2021-12-06 09-29-32.png
dpu_trd_systemというsystem projectの中にdpu, vaddの2つのカーネル・2つのアプリケーションが存在する状態が確認できます。
Screenshot from 2021-12-06 09-29-45.png

Hardware Link Configの変更

最後にdpu_trd_system_hw_link.prjを開く。どのアクセラレーションカーネルをいくつ搭載するかの画面がある。
Active build configurationをHardwareに変更。
今回はsoftmaxコアは不要なのでsfm_xrt_topは削除、DPUCZDX8Gの個数を2個から1個に変更、さらに右上のイナズマアイコンのAdd Hardware Functionsからkrnl_vaddを追加した。
Screenshot from 2021-12-06 09-34-54.png

Vitisプロジェクトのビルド

Explorerからdpu_trd_systemを選択し、全てのビルドを実行します。高位合成、Vivadoプロジェクトの自動作成、Vivado上での論理合成、配置配線、ビットストリーム生成、sysroot環境を使用したアプリケーションのクロスコンパイル等が全て自動的に実行されます。
Screenshot from 2021-12-06 09-38-38.png

生成されたVivadoブロックデザインを開いてみます。./dpu_trd_system_hw_link/Hardware/dpu.build/link/vivado/vpl/prj/prj.xprが生成されたVivadoプロジェクトです。先程設定したとおり、DPUとvaddコアが1つずつ搭載されているのが確認できます。
Screenshot from 2021-12-06 09-40-58.png
【2022.03.16追記】
ここではDPUのクロック指定が正しくできていません。 DPUに100/200MHzのクロックが設定されています。

ちなみに、dpuのアプリケーションのビルドは失敗してしまいました。DPUカーネルを作成するときにテンプレートから自動生成されたresnest50モデルを動作させるアプリケーションです。
Screenshot from 2021-12-06 09-42-19.png

おそらく前回記事でやったようにsysrootへのVARTインストールをVitisのプラットフォームを作成する前に行なっておく必要があるのだと思います。ただ、現時点ではVitisを使用しなくてもCUI上でsysrootを用いたクロスコンパイルが可能なので無視しています。Vitis上でもコンパイルしたいので、解決すれば追記します。

Create SD Card

Vitisにより生成されたSDカードイメージをSDに書き込みます。

find ./ | grep sd_card
./dpu_trd_system/Hardware/package/sd_card.img
./dpu_trd_system/Hardware/package/sd_card
./dpu_trd_system/Hardware/package/sd_card/boot.scr
./dpu_trd_system/Hardware/package/sd_card/dpu_trd
./dpu_trd_system/Hardware/package/sd_card/image.ub
./dpu_trd_system/Hardware/package/sd_card/vadd
./dpu_trd_system/Hardware/package/sd_card/system.dtb
./dpu_trd_system/Hardware/package/sd_card/BOOT.BIN
./dpu_trd_system/Hardware/package/sd_card/bl31.elf
./dpu_trd_system/Hardware/package/sd_card/pmufw.elf
./dpu_trd_system/Hardware/package/sd_card/u-boot.elf
./dpu_trd_system/Hardware/package/sd_card/fsbl.elf
./dpu_trd_system/Hardware/package/sd_card/dpu.xclbin

本当ならばsd_card.imgをSDに書き込むだけでブートに必要なファイルやrootfsが全て書き込まれるはずなのですが。。なぜかそれだけだとブートできなかったので、以下の方法でSDカードを作成しました。

cd ./dpu_trd_system/Hardware/package/
cp BOOT.BIN /media/lp6m/BOOT/
cp image.ub /media/lp6m/BOOT/
cp boot.scr /media/lp6m/BOOT/

rootfsはSWプラットフォームを作成したときのrootfs.tar.gzを使用しました。

sudo tar xvf rootfs.tar.gz -C /media/lp6m/rootfs

アプリケーションとFPGAコンフィグレーションファイル、VART(Vitis-AI runtime)などをホームディレクトリにコピーします。

# vadd application
sudo cp vadd /media/lp6m/rootfs/home/root
# FPGA configuration file
sudo cp dpu.xclbin /media/lp6m/rootfs/home/root
# VART
cd <Vitis-AI repository dir>
sudo cp -r ./setup/mpsoc/VART /media/lp6m/rootfs/home/root
sync

以上でSDカードの作成は完了です。

動作確認

SDカードをUltra96に挿入、キーボード、USB-LAN、DP-HDMIアダプタ、電源つないで電源投入。実機の端末からifconfigでIPアドレスを確認します。ユーザ名root, パスワードrootでssh接続が可能です。以降は実機上にssh接続して作業を行います。

まずVARTをインストールします。

root@u96v2-sbc-base-2020-2:~# cd VART/
root@u96v2-sbc-base-2020-2:~/VART# ./target_vart_setup_2020.2.sh 
Verifying...                          ################################# [100%]
Preparing...                          ################################# [100%]
%prein(libunilog-1.4.0-r56.aarch64): scriptlet start
%prein(libunilog-1.4.0-r56.aarch64): execv(/bin/sh) pid 1347
%prein(libunilog-1.4.0-r56.aarch64): waitpid(1347) rc 1347 status 0
Updating / installing...
   1:libunilog-1.4.0-r56              ################################# [100%]
%post(libunilog-1.4.0-r56.aarch64): scriptlet start
...

DPUの情報確認

root@u96v2-sbc-base-2020-2:~/VART# cd /home/root
root@u96v2-sbc-base-2020-2:~# cp dpu.xclbin /usr/lib/
root@u96v2-sbc-base-2020-2:~# dexplorer -w
[DPU IP Spec]
IP  Timestamp            : 2021-06-07 19:15:00
DPU Core Count           : 1

[DPU Core Configuration List]
DPU Core                 : #0
DPU Enabled              : Yes
DPU Arch                 : B1600
DPU Target Version       : v1.4.1
DPU Freqency             : 300 MHz
Ram Usage                : High
DepthwiseConv            : Disabled
DepthwiseConv+Relu6      : Disabled
Conv+Leakyrelu           : Enabled
Conv+Relu6               : Enabled
Channel Augmentation     : Enabled
Average Pool             : Disabled

ちゃんとコンフィグしたとおりになっています。

vaddの動作確認

root@u96v2-sbc-base-2020-2:~# cd /home/root
root@u96v2-sbc-base-2020-2:~# ./vadd dpu.xclbin
Loading: 'dpu.xclbin'
TEST PASSED

vaddも動作しています!

まとめ

自分で作成したVitisプラットフォームを使用して、DPUと自分のカーネル(vadd)を搭載したシステムを構築することができました。
前回のVItisプラットフォームの作成(特にPetalinuxでwifiを使うための設定)で非常に時間がかかってしまいましたが、一度プラットフォームを作ってしまえばVitis上でシステムを構築するのはとても簡単に感じました。

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