(5Gが始まっているのに今更感あるけど・・)
LTEで利用している電波の帯域幅の概念についてまとめ。
まとめるモチベは、趣味でLTEのRAN解説動画や文献などを漁っていたが"帯域幅"について触れているものが少なく、調べるのが大変だったので内容整理も込めて記事作成。
まず結論
LTEの帯域幅とは「不要放射分+サブキャリアの最小の周波数と最大の周波数の差」
LTEの電波の構造
LTEの無線区間の下りリンク区間(基地局-->端末)ではOFDMという技術を利用している。
OFDMの概要は以下の通り。
・Orthogonal Frequency Division Multiplexingの略で直交周波数分割多重化技術と呼ぶ
・無線技術における多重化方式の1つでFDMの応用技術
・情報伝達には複数の副搬送波(サブキャリア)を利用
・1つ1つのサブキャリアに対してデジタル変調(QAMや16QAM,64QAMなど)をかけてデータを乗せる
要するに、LTEの電波とは1本の搬送波(キャリア)とそれを取り巻く副搬送波(サブキャリア)で構成されている。
サブキャリアのイメージ図
一般的なOFDM信号は以下の図で表現できる。
引用元:https://www.jstage.jst.go.jp/article/essfr/1/2/1_2_2_35/_pdf/-char/ja
LTEではf0=15kHzとされており、最大サブキャリア本数は1200本(搬送波の1本を除く)である。
1200本目のサブキャリアの周波数は15kHz*1200=18MHzとなる。
LTEのBandと照らし合わせてみる
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%90%BA%E5%B8%AF%E9%9B%BB%E8%A9%B1%E3%81%AE%E5%91%A8%E6%B3%A2%E6%95%B0%E5%B8%AF
この記事によると、2.1GHz帯のdocomoは20MHzとなっている。
先ほど計算した18MHzと合わない…
3GPPの規定を確認する
引用元:3GPP TS 36.101
https://portal.3gpp.org/desktopmodules/Specifications/SpecificationDetails.aspx?specificationId=2411
RB(Resource Block)は複数のサブキャリアをまとめた単位で1Resource Blockがサブキャリア12個分。(サブキャリア1個目の周波数をf0=15kHzとすると、12個目は15*12kHz=180kHz)
これを見るとわかる通り、Channel Bandwidthと実際にリソースブロック(RB)が占有する帯域幅が異なることが分かります。
Channel Bandwidth = 20 MHzのとき、RB数が100なので、
100 * 180 KHz = 18 MHz
となり、計算があいました。
LTEでは不要放射の分を含めて"帯域幅"を定義しているようです。